教科書

オーラルバイオロジー

病態から学ぶ歯科基礎医学

  • 新刊

監訳 : 片倉朗/里村一人/木本茂成
ISBN : 978-4-524-25208-4
発行年月 : 2018年4月
判型 : B5変型
ページ数 : 182

在庫あり

定価8,640円(本体8,000円 + 税)

  • お気に入りに登録
  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

口腔組織学、口腔病理学、口腔微生物学など、個別に学習してきた歯科基礎医学の知識を、横断的に結び付ける『オーラルバイオロジー』。この分野では本邦初の教科書。臨床現場で必要とされる知識を実践的に用い、治療方針を論理的に組み立ててゆく能力を養う。実習、国家試験、CBTの対策はもちろん、臨床現場でも役立つ。歯学部生にとって新定番となる必携の一冊。

CHAPTER1 歯学への招待
 概要
 カルテの記載に必要な用語
 歯の命名法とFDI歯式
CHAPTER2 口腔発生学
 原始咽頭
 舌の発生
 顔面の発生
 口蓋の発生
 臨床とのかかわり
CHAPTER3 歯の発生
 歯の発生の生物学的基盤
 歯の発生の各ステージ
 組織形成
 臨床とのかかわり
CHAPTER4 エナメル質
 エナメル質の概要
 エナメル質の構成
 エナメル質の形成
 唾液によるエナメル質の化学的防御と修復
 唾液によるエナメル質の生化学的防御と修復
 臨床とのかかわり
CHAPTER5 歯髄-象牙質複合体
 歯髄−象牙質複合体の定義
 象牙芽細胞
 歯の象牙質領域
 歯髄
 臨床とのかかわり
 傷害または侵襲に対する歯髄反応
CHAPTER6 セメント質
 臨床とのかかわり
CHAPTER7 歯槽骨
 臨床とのかかわり
CHAPTER8 歯根膜
 歯根膜の概要
 歯根膜の構造
 線維芽細胞
 上皮細胞
 未分化間葉細胞
 線維
 弾性線維
 細胞外基質(構成基質)
 血管
 神経
 機能
 機能と健康状態への歯根膜の適応
 臨床とのかかわり
CHAPTER9 口腔粘膜
 口腔粘膜の概要
 口腔粘膜の構成要素
 上皮と粘膜固有層との境界
 部位によるバリエーション
 神経支配
 血液供給
 臨床とのかかわり
CHAPTER10 歯肉
 歯肉の概要
 歯−歯肉境移行部
 臨床とのかかわり
CHAPTER11 歯の萌出と咬合の発育
 歯の萌出に至るまでの発育段階
 乳歯および永久歯の萌出
 石灰化および萌出の時期
 臨床とのかかわり
CHAPTER12 唾液腺
 耳下腺
 顎下腺
 舌下腺
 小唾液腺
 臨床とのかかわり
CHAPTER13 唾液
 機能
 臨床とのかかわり
CHAPTER14 上顎洞
 臨床とのかかわり
CHAPTER15 顎関節
 咀嚼筋群
 咀嚼筋群の神経支配
 下顎運動
 臨床とのかかわり
CHAPTER16 舌
 舌筋
 咀嚼,嚥下,構音における役割
 舌の粘膜,血管と神経分布
 舌のリンパ管系
 臨床とのかかわり
CHAPTER17 頭頸部のリンパ節と扁桃
 オトガイ下リンパ節
 顎下リンパ節
 耳下腺あるいは耳介前リンパ節
 耳介後と後頭リンパ節
 浅頸リンパ節
 深頸リンパ節
 リンパ節の組織学
 扁桃
 扁桃の組織学
 臨床とのかかわり
CHAPTER18 プラークと歯石
 微生物学の基礎:細菌細胞
 細菌の代謝
 形態学
 病原性
 細菌間情報伝達
 バイオフィルム
 バイオフィルム形成
 デンタルプラークバイオフィルム
 歯肉縁上と歯肉縁下のプラーク
 歯石
 臨床とのかかわり
CHAPTER19 う蝕:その生物学的基礎
 う蝕の概要
 臨床とのかかわり
 分子レベルの解説
 象牙質う蝕
 スミヤー層
 乳歯列におけるう蝕
 う蝕に対するフッ化物イオンの影響
CHAPTER20 歯周病の概論
 歯周病とは
 歯周病の進行
 歯周病のリスクファクター
 臨床とのかかわり
索引
 和文索引
 欧文索引

監訳者序文

 2017年3月に文部科学省により公表された歯学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂では、モデル・コア・カリキュラムが単なる修得すべき知識のリストではなく、修得した知識や技能を組み立てられる歯科医師をいかに育成していくかに重点が置かれている。そのため、歯科医学の基礎科目は大きく生命科学として括られている。具体的な歯学教育は、学修時間数の6割程度を目安にモデル・コア・カリキュラムを参考とし、授業科目等の設定、教育手法や履修順序などは各大学で特色ある取り組みが進められることを期待されている。しかし、多くの場合は従前からの専門分野別、講座別に講義や実習が行われている。つまり、このような専門分野別に教授された顎口腔領域の形態学・機能学を口腔生命科学として統合し、さらに臨床的内容と結び付ける学修作業は学修者自身の能力に委ねられており、そこで十分な学修効果が上がらない場合、この後の歯科臨床に関する事象の理解に支障を来すことになる。実際そのような状況がいずれの歯学部においても見受けられるのではないだろうか。この問題を少しでも解決するために、歯学部の学生が口腔に発生する病態を基礎科目との関連性に注目しながら臨床実習中にも自習できる教科書を模索していたところ、私が思い描いていた視点でまとめられた本書を南江堂から紹介された。
 本書はアメリカで歯学の基礎科目と臨床的病態を関連付けながら、効果的かつ効率的に学修するために、Dental schoolの1、2年次あるいはNational Board Dental Examination PartIをターゲットにしてWILEY Blackwell社から出版された教科書である。翻訳にあたってはできるだけ学生が分かりやすい日本語の表現にし、専門用語は日本歯科医学会用語集と日本で使用されている一般的な教科書に準じた。歯科基礎医学の系統的な学修から曖昧な知識の確認まで、1年生から6年生までに広く使っていただける内容だと思う。
 里村一人先生、木本茂成先生をはじめとした翻訳を担当していただいた先生方、編集を担当いただいた南江堂の赤間恵氏、佐竹剛季氏に心から感謝するとともに、本書が歯学部学生にとって歯科基礎医学の知識に裏付けされた臨床病態の理解に役立つことを願っている。

2018年1月
監訳者を代表して
片倉朗