シンプル理学療法学シリーズ
理学療法概論テキスト
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 中島喜代彦/森田正治/久保田章仁 |
ISBN | : 978-4-524-26946-4 |
発行年月 | : 2013年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 194 |
在庫
定価4,180円(本体3,800円 + 税)
正誤表
-
2015年04月08日
訂正表(第1刷,第2刷,第3刷)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
前版『理学療法入門テキスト』の基本方針を踏襲しつつ、内容構成を再編しさらなる充実を図った。養成校に入学して間もない学生が理解できるように内容をコンパクトに精選。「理学療法とは?」「理学療法士とは?」の疑問に対し、平易な表現、具体的な説明を用い、実際の臨床現場の様子も含め、理学療法士を目指す学生に必要十分な情報を提供する。
理学療法とは
1 理学療法って何だろう?
A 理学療法の歴史
1 理学療法の歴史
2 わが国における歴史
B 理学療法の定義
1 理学療法という名称について
2 さまざまな理学療法の定義
a. 世界理学療法連盟(WCPT)の定義
b. 米国理学療法士協会(APTA)の業務指針
c. 英国理学療法士協会(CSP)の定義
d. わが国における定義
C 理学療法を構成する各種技術の概要
1 運動療法
2 物理療法
a. 温熱ならびに寒冷療法
b. 水治療法
c. 電気療法
d. 光線療法
e. マッサージをはじめとした各種徒手療法
f. 牽引療法
3 日常生活活動の練習
4 補装具療法
5 環境整備関連
D 理学療法とリハビリテーション
1 リハビリテーションの語源
2 リハビリテーションとノーマライゼーション
3 リハビリテーションの種類
a. 医学的リハビリテーション
b. 職業的リハビリテーション
c. 社会的リハビリテーション
d. 教育的リハビリテーション
e. 地域リハビリテーション
4 リハビリテーションの流れと最終目的
5 理学療法とリハビリテーションの結びつき
E 理学療法と障害
1 理学療法と障害の接点
2 障害モデル
a. 障害の医学モデルとは
b. 障害の社会モデルとは
3 国際障害分類(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)へ
a. 国際障害分類
b. 国際生活機能分類
4 理学療法(士)と国際生活機能分類
2 理学療法の役割って何だろう?
A 医学の領域
1 診療科目
2 治療医学としての理学療法の確立
3 保健・福祉領域における理学療法の展開
B 理学療法の対象
1 身体障害者福祉法に基づく理学療法の対象者
2 理学療法診療ガイドライン
3 理学療法の実際ってどんな流れなの?
A 理学療法の流れ(理学療法過程)
1 理学療法の処方
2 評 価
a. 対象者の医学的情報収集
b. 対象者の観察・面接
c. 検査・測定
d. 得られた情報の統合と解釈
3 評価時期
a. 初期評価
b. 中間評価
c. 最終評価
4 目標設定
5 治療計画
6 再評価
7 記録報告
a. 理学療法の記録
b. 理学療法報告書
c. 情報管理
B クリニカルパス
1 クリニカルパスとは
2 クリニカルパスの導入目的
3 クリニカルパス導入にあたってのポイント
4 パスの基本構成とその効果
a. 患者用パス
b. 医療提供者用パス
5 パス検証のためのバリアンス分析
C 理学療法における診療ガイドラインの適用
1 診療ガイドラインの適用例
a. 肩関節周囲炎
b. 変形性膝関節症
専門職としての理学療法士
4 理学療法(士)に求められる使命、倫理って何だろう?
A 理学療法士の使命
1 理学療法の「対象」や「目的」からみた理学療法士の使命とは?
2 理学療法の「手段」からみた理学療法士の使命とは?
B 理学療法士の倫理
1 守秘義務と個人情報保護
2「説明と同意そして意思決定」の尊重
3 自己決定権の尊重
5 理学療法士に求められる臨床思考って何だろう?
A 理学療法士に求められる資質
1 臨床推論(クリニカルリーズニング)
B 接遇・コミュニケーション
1 交流分析(TA)
2 対人関係技術(援助のための態度)
6 理学療法士って、どんなところで活躍しているの?
6−1 医療の現場
A 医療の場の分類
1 医療法における医療提供施設
a. 病院と診療所
b. 介護老人保健施設
2 医療法における病院などの病床の種別
3 施設別にみた理学療法士(日本理学療法士協会会員)就職者数
4 常勤理学療法数別にみた施設数
B 理学療法士が活躍する医療の場の変遷
1 勤務場所
2 対象疾患
3 理学療法士の治療対象とする障害
4 勤務形態
5 求人
C 医療の場の実際
1 医療関連施設について
a. 病院、診療所
b. 総合リハビリテーションセンター
c. 介護老人保健施設
2 病棟について
a. 回復期リハビリテーション病棟
b. 筋ジストロフィー病棟
c. ターミナルケアユニット(緩和ケア病棟)
3 病床について
6−2 保健・福祉の現場
A 保健・福祉の場の分類
B 理学療法士が活躍する保健・福祉の場の変遷
C 保健・福祉の場の実際
1 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設で働く理学療法士の仕事
2 訪問看護ステーションで働く理学療法士の仕事
3 通所リハビリテーションで働く理学療法士の仕事
4 通所介護で働く理学療法士の仕事
5 肢体不自由児施設、重度心身障害児施設で働く理学療法士の仕事
6−3 教育・研究の現場
A 教育・研究に従事する理学療法士
1 理学療法士が働く教育・研究施設
B 教育・研究に従事する理学療法士
1 理学療法士養成校で働く理学療法士
2 研究施設で働く理学療法士
6−4 スポーツの現場
A スポーツ関係に従事する理学療法士
1 理学療法士が働くスポーツ関係施設
2 スポーツ関係施設で働く理学療法士
3 スポーツ関係施設で働く理学療法士の仕事
a. スポーツ関係施設で常勤の理学療法士として従事している人の場合
b. スポーツチームなどに属している理学療法士の場合
4 スポーツ現場で働くトレーナーの仕事
7 理学療法士の職能って何だろう?
A 理学療法士で構成される職能団体
B 世界理学療法連盟(WCPT)
C アジア理学療法連盟(ACPT)
D 公益社団法人日本理学療法士協会(JPTA)
1 日本理学療法士協会の歩み
2 理学療法士会
3 職能団体としての日本理学療法士協会の活動内容
a. 東日本大震災に関する事項
b. 診療報酬および介護報酬などに関する事項
c. 理学療法士教育に関する事項
E 日本理学療法士連盟の歩み
8 理学療法士に関連する法律を学ぼう
A 法規の種類と効力
1 国による法規
a. 憲法
b. 法律
c. 命令
2 地方自治体による法規
a. 条例
b. 規則
B 「理学療法士及び作業療法士法」の誕生
C 「理学療法士及び作業療法士法」を解剖する
理学療法士と教育
9 理学療法(士)教育とは?
A 世界における理学療法教育の変遷
1 米国
2 英国
3 カナダ
B わが国における理学療法教育の現状と課題
1 養成校数増加の変遷
2 指定規則の変遷
3 理学療法教育ガイドライン
a. 理学療法卒前教育の到達目標
b. 臨床実習教育の到達目標
4 日本理学療法士協会「教育ガイドライン」におけるモデル・コア・カリキュラム
C 医学教育に相応したCBTやOSCEにたどり着けるのか
1 医学教育の現状
a. 医学教育変革の流れ
b. 医学教育モデル・コア・カリキュラム
c. 共用試験
d. 医学教育で実施されているCBTの概要
e. 医学教育で実施されているOSCEの概要
2 理学療法教育におけるOSCEの現状と課題
a. 群馬大学医学部保健学科理学療法学専攻の実例
b. 福岡国際医療福祉学院理学療法学科の実例
c. 茨城県立医療大学付属病院の実例
d. 今後の課題
D 臨床実習のあるべき姿
1 卒前教育の集大成としての臨床実習の意義
2 臨床実習の現状と課題
3 臨床実習指導者の研修制度
E 卒後教育システム
1 生涯学習システムの基本理念
2 新人教育プログラム
3 専門領域研究部会
4 専門理学療法士制度
5 卒後教育の今後
10 フィールドワークをやってみよう
A 病院または施設見学
1 病院または施設見学の意義と目的
a. 病院または施設見学の背景
b. 病院または施設見学の意義と目的
2 病院または施設見学時の心得
B QOLを求めて
1 QOLの背景
2 QOLの概念
3 QOLの実際
C QOLを意識したフィールドワーク
1 ユニバーサルデザイン
a. ユニバーサルデザインの概念−バリアフリーデザインからの変遷−
b. ユニバーサルデザインの原則
2 ノーマライゼーション
a. ノーマライゼーションの背景
b. ノーマライゼーションの概念
c. ノーマライゼーションの実際
3 バリアフリー
a. バリアフリーの背景と概念
b. バリアフリーとユニバーサルデザインの違い
11 理学療法研究ってどうすればいいの?
11−1 理学療法研究とは
A 研究の意義と理学療法研究の動向
1 専門職としての理学療法士
2 理学療法士と研究
3 研究の発表
a. 方法について
b. 発表準備について
B 研究に対する基本的理解
1 用語を正しく使おう
2 研究の種類
a. 基礎医学研究
b. 臨床研究
c. 社会医学的研究
C 研究デザイン
1 さまざまな研究デザイン
2 研究データの分析
a. 統計で用いる用語
b. 自分の抽出した標本で検定をしてみよう
3 研究結果とその解釈
11−2 EBPTを実践してみよう
A 理学療法の臨床判断とその根拠
1 EBPTとは
a. EBPTの定義
b. EBPTの目的
c. EBPTの臨床的意義
B EBPTの実践方法
1 ステップ1:臨床上の疑問点の抽出と定式化
2 ステップ2:臨床上の疑問点に関する情報(エビデンス)の検索
3 ステップ3:得られた情報の批判的吟味
4 ステップ4:得られた情報の患者への適用の検討
5 ステップ5:EBPTのプロセスと介入結果の評価
C EBPTに関する理解を深めるために
D EBPTの今後の課題
理学療法士に必要な管理や運営
12 理学療法士に必要な管理や運営って何だろう?
12−1 理学療法と報酬
A 医療保険および介護保険制度
1 医療保険制度
a. 職業・年齢等に応じた医療保険制度
b. 被保険者とは
c. 保険者とは
d. 保険料とは
e. 被保険者証とは
f. 保険医療機関とは
g. 一部負担金とは
h. 診療報酬とは
i. 審査支払機関
j. 給付のしくみと種類
k. 高額療養費制度
2 介護保険制度
a. 被保険者
b. 保険者
c. 保険料と徴収方法
d. 介護認定までの流れ
e. 一部負担金
f. 介護報酬
g. 予防給付、介護給付におけるサービスの種類
B 理学療法と関連する施設基準と報酬
1 医療保険領域での施設基準と診療報酬
2 介護保険領域での施設基準と診療報酬
C 医療経済学の視点の必要性
1 医療経済学とはどんな学問なのか?
2 経済効率を考えた医療サービスのあり方
3 医療・介護サービスの質向上、効率化を目指す
a. EBMの推進と医療サービスの標準化
b. 診療報酬体系の見直し
c. 医療機関経営の近代化、効率化
d. 消費者(支払者−患者・保険者)機能の強化
e. 公的医療保険の守備範囲の見直しによる医療サービスの提供
f. 在宅医療・在宅介護の推進と住宅政策との連携
g. 診療報酬と人件費のかかわりについて
D 業務上かかわってくる社会資源について
1 福祉用具と住宅改修について
2 施設サービス
3 このようなときには…
4 そのほかの福祉サービス
12−2 理学療法とTQC
A リスク管理とは
1 リスク管理の必要性について
a. 個人情報保護
b. カルテ管理
2 TQC、TQMの考え方
3 ISO(国際標準化機構)について
4 患者満足度の向上について
a. サービスの質の10要因
b. 患者(顧客)満足度(CS)
B 医療事故の防止
1 インシデント、アクシデント
a. インシデント
b. アクシデント
c. インシデント・アクシデント報告書
2 医療訴訟について
a. 医療訴訟の基本理念
b. 裁判手続
C 感染予防策
1 標準予防策
a. 標準予防策(スタンダード・プリコーション)
参考文献
索引
和文索引
欧文索引
「シンプル理学療法学シリーズ」の第1巻目として『理学療法入門テキスト』が2007年12月に刊行され、5年が経過した。これまで増刷を重ねるなかで、一部内容の更新は差し込み資料で情報提供してきた。今回、章立てを含め内容の見直しに加え、講義の実情を踏まえ『理学療法概論テキスト』に書名を改めた。改称した本書の特長として、以下の3つをあげる。
1つ目の特長は、前版の刊行後に日本理学療法士協会から「理学療法教育ガイドライン」と「理学療法診療ガイドライン」の第1版が発表されており、本書ではこれらの情報についても触れている。平成22年4月に発表された「理学療法教育ガイドライン」では、理学療法士の養成過程における到達目標が具体的に明示されるとともに、理学療法教育のコア・カリキュラムが提示された。また、平成23年11月に発表された「理学療法診療ガイドライン」では、16の領域における理学療法介入の推奨グレードとエビデンスレベルに加えて、理学療法評価(指標)の推奨グレードと詳細なアブストラクトなどが提示された。いずれも非常に有益な情報が網羅されており、是非とも一読して頂きたい。
2つ目の特長は、本書の内容で最新情報に位置づけるものを南江堂のウェブサイト上で参照できるようにしたことである。特に、介護・診療報酬など改定される情報は必要に応じて最新情報を更新していく予定である。
3つ目の特長として、医師の処方から理学療法の実際までの一連の過程などは、イメージしやすいMOVIE(動画)を作成した。さらに、入学初期に導入されることの多い障害体験や、近年、さまざまな養成校が学生の技能評価として取り組みはじめている客観的臨床能力試験(OSCE:Objective StructuredClinical Examination)の一場面もMOVIE(動画)で提示しつつ、その場面で使用されている実施課題、シナリオ、評価基準等をウェブサイト上に掲載した。
本書では、初学者が理学療法(士)の意味を理解しやすいように内容を見直してきた。可能な限り平易な言葉や文章を用いてはいるが、本書の活用を通して講義を担当される先生方や学生諸君からの忌憚のないご意見、ご批評を頂ければ幸いである。
平成25年1月
編者を代表して
森田正治