食生活論改訂第2版
「人と食」のかかわりから
編集 | : 遠藤金次/橋本慶子/今村幸生 |
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ISBN | : 978-4-524-23605-3 |
発行年月 | : 2003年9月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 198 |
在庫
定価1,980円(本体1,800円 + 税)
サポート情報
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2020年12月22日
日本人の食事摂取基準(2020年版)の概要
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
食生活を、その歴史・文化的側面、栄養学的側面、経済的側面など多面的観点から解説したテキスト。今改訂では2002年に公表された管理栄養士国家試験出題基準の「食べ物と健康」のうち、大項目「人間と食品」で示された内容を盛り込むようにした。家政・生活科学系のテキストとして、また栄養士・管理栄養士課程の導入教育のテキストとして最適。
第1章 食生活と食生活論の意義
A.食生活の構造
B.なぜ食生活論なのか
第2章 食生活の変遷と文化
A.食生活の歴史
B.食品の文化
C.食事と文化
第3章 食の機能と役割
A.食と栄養
B.食と健康
C.食の安全性
D.食べ物と嗜好
第4章 食料の経済
A.食料消費の変貌
B.食料供給のシステムと展開
C.食料の価格変化
D.食品流通と消費者の購買行動
第5章 食生活の現状と展望
A.食生活の現状
B.食生活の指針
C.食教育・食育
D.これからの食生活
(リーフレット)
日本人の食事摂取基準2005年版
-その考え方と解釈のポイント-
本書の初版を発行してから六年有余、この間に20世紀から21世紀へと時代は移ったが、生活習慣病患者・要介護高齢者の増加や少子化がますます進み、暮らしの先行きは不透明感を増すばかりである。この間、食を巡っても、BSE(牛海綿状脳症)の発生、BSEに関連した牛肉偽装、無許可食品漆加物や農薬の使用、輸入野菜の農薬残留、産地偽装等の食を提供するシステムにおける問題点が矢継ぎ早に露呈してきた。グローバリゼーションの奔流に巻き込まれて、食の安全性を支えてきた従来型の法的規制、行政的指導・監視、関連業界の自主管理などが制度疲労を起こしているのかもしれない。
最近の「健康増進法」の公布、「食品安全委員会」の設置、「食品安全基準法」の制定等は、より総合的な見地から生活の質(QOL)の向上を図るための、21世紀に適合した新しい施策であると捉えることができるが、消費者側でも、食を提供する側や行政側の論理に身を仕せているだけではQOLの向上は難しく、「スローフード」運動にみられるように、消費者一人一人がライフスタイルを確立し、そのライフスタイルに合致した食提供システムの構築に力を注がなければならない時代を迎えているのではないだろうか。
こんな時代だからこそ、本書の主題である「人との関わりにおいて食を総合的に論じる」ことの意義はますます重要性を増している。本書を手掛かりにして、食生活の広範な諸側面の過去と現在の実態を把握し、他の誰でもない自分自身の責任でライフスタイルを確立していただきたいと願うばかりである。
このように考えて、今回の改訂は、初版の主旨を生かしながら、できるだけ新しいデータを入れることに重点を置いた。また、理解をいっそう助けるために、食に関わる最近のトピックスを紹介するコラムを設けた。
本書への卒直なご意見やご批判を項くようお願いして、改訂版の序文とする。
2003年8月
遠藤金次・橋本慶子・今村幸生