心臓外科エキスパートナーシング改訂第3版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編著 | : 龍野勝彦 |
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ISBN | : 978-4-524-23687-9 |
発行年月 | : 2004年12月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 372 |
在庫
定価4,290円(本体3,900円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
心臓手術に必要な基礎知識と各種手術法、それに関連した患者管理と看護のポイントを簡潔に解説。今改訂では、近年の心臓外科のめざましい発展をふまえ、脳死心臓移植術、人工心肺を用いない冠動脈バイパス術や小切開低侵襲手術などを盛り込む。また、安全対策、クリニカルパスやガイドラインなど臨床手順の標準化も網羅。最新情報を満載した心臓外科ナースの必読書。
1章 心臓手術の歴史
2章 心臓手術に必要な基礎知識
A 心臓・大血管の構造と機能
B 心臓病の診断と内科治療
1 診断のすすめ方と一般検査
2 心音、心電図、胸部X線撮影
3 心臓超音波検査法
4 ホルター心電図
5 負荷試験
6 心臓核医学検査
7 心臓カテーテル法
8 心臓血管造影法
9 電気生理検査
10 カテーテルアブレーション
11 カテーテルインターベンション
12 ペースメーカー治療
13 植え込み型除細動器
C 心臓・大血管手術の基礎
1 心臓・大血管手術のすすめ方
2 開胸
3 人工心肺
4 閉胸
3章 心臓・大血管疾患の種類と治療
A 先天性心疾患
1 大血管の異常
1. 右側大動脈弓
2. 血管輪
3. 動脈管(ボタロー管)開存
4. 大動脈・肺動脈中隔欠損(AP window)
5. 一側肺動脈大動脈起始(ヘミトランカス)
6. 肺分画、肺動静脈瘻、肺動脈左房交通
7. 大動脈縮窄
8. 大動脈離断
9. 部分肺静脈還流異常
10. 肺静脈狭窄
11. 左上大静脈遺残
12. 下大静脈欠損、奇静脈・半奇静脈接続
2 非チアノーゼ性心疾患
1. 大動脈狭窄(弁狭窄、弁上狭窄、弁下狭窄)
2. 先天性僧帽弁狭窄、僧帽弁上狭窄
3. 先天性僧帽弁閉鎖不全
4. 並列心耳
5. エプスタイン病
6. 心房中隔欠損と冠状静脈洞-左房交通
7. 心内膜床欠損(房室中隔欠損)
8. 三心房心
9. 心室中隔欠損
10. 肺動脈弁狭窄、右室漏斗部狭窄、右室二腔症
11. 単冠状動脈
12. 左冠状動脈肺動脈起始
13. 冠状動脈瘻
3 チアノーゼ性心疾患
1. ファロー四徴症
2. 肺動脈弁欠損症候群
3. 完全大血管転位(転換)
4. 房室錯位(修正大血管転位)
5. 総動脈幹症
6. 総肺静脈還流異常
7. 三尖弁閉鎖
8. 心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖(純型肺動脈閉鎖)
9. 両大血管右室起始
10. 単心室
11. 左室低形成症候群
B 後天性心疾患
1 心臓弁膜症
1. 僧帽弁狭窄と僧帽弁閉鎖不全
2. 大動脈弁狭窄と大動脈弁閉鎖不全
3. 三尖弁閉鎖不全
4. 感染性心内膜炎
2 冠状動脈疾患
1. 狭心症
2. 心筋梗塞とその合併症
3. 川崎病後の冠状動脈病変
3 大血管疾患
1. 真性大動脈瘤
2. 解離性大動脈瘤
3. ステントグラフト内挿術
4. 大動脈炎症候群(高安病)
4 その他の心疾患
1. 心臓腫瘍、心膜腫瘍
2. 心房細動の外科:maze手術など
3. 心臓外傷
4. 心筋症
C 補助心臓と完全人工心臓
1 補助心臓
2 完全人工心臓
D 心臓移植
1 適応
2 方法
1. 同所性心臓移植
2. 心肺同時移植
3. 移植における看護の役割
E 将来の心臓外科
1. ロボット手術
2. 再生医療
4章 心臓・大血管手術の患者管理と看護
A 手術前の患者管理と看護
1 術前検査
2 血液の準備
3 手術説明
4 手術前の練習
5 術前処置と前投薬
B 手術室での患者管理と看護
1 手術チームミーティング
2 手術室の準備
3 患者の入室時の処置
4 麻酔中のモニター
5 麻酔導入と各種ラインの確保
6 体位の固定
7 手洗いとガウンの着衣
8 術野消毒とドレーピング
9 手術介助
10 手術終了後の処置と注意
11 手術中の記録
12 緊急手術
C 集中治療室での術後患者管理と看護
1 患者の受け入れ準備
2 患者入室時の処置
3 患者の観察
4 循環モニター
5 心不全の管理
6 心蘇生
7 呼吸管理
8 水、電解質、体液の管理
9 急性腎不全の管理
10 感染症とDICの管理
11 脳神経障害、末梢神経障害の予防と管理
12 ICU症候群(ICUにおけるせん妄)
13 栄養管理
14 一般病棟への帰室
D 一般病棟での術後患者管理と看護
1 帰室直後の管理
2 歩行開始
3 リハビリテーション
4 退院前の検査
5 退院時の指導
E 手術前後の患者の安全管理
「心臓外科エキスパートナーシング」改訂第2版が1996年5月20日に発刊されて8年が経過しました。この間の心臓外科の発展は目覚ましく、1999年2月28日には日本で脳死心臓移植が再開され、人工心肺を用いない冠状動脈バイパス術や小切開低侵襲手術がいまや当然のことのように行われるようになりました。また昨今の医療事故に対する世論の厳しい批判を受けて、どの心臓外科病院にとっても安全対策が必須のことになり、クリニカル・パスやガイドラインなど臨床手順の標準化が急速に普及しております。
振り返って本書の第2版をみると、こうしたことに全く触れておらず、看護学生や看護師の皆さんにとって内容がもはや不十分であることは明らかです。
今回、出版社の南江堂から改訂の打診がありました。私は榊原記念病院から千葉県循環器病センターに勤務先が変わり、全く心臓外科の現場を離れてしまったことから、改訂はしないつもりでおりました。しかしこの数年間で、古巣の榊原記念病院はもちろん、新設の千葉県循環器病センターも大きく成長しており、出版社の熱心な勧めもあって、両病院の協力が得られるのであれば改訂も不可能ではないと考えるようになりました。そこで改訂の話を千葉県循環器病センターのスタッフにしたところ、医師、看護師、臨床工学技士、栄養士の方々から賛成の返事をいただいたので、第2版を改訂することにしました。
改訂にあたっては、内容を千葉県循環器病センターで現在、実際に行っている医療・看護について記述するよう心がけていただきました。また第2版の記載で今でも通用するところは、榊原記念病院のスタッフの方々の承認を得てそのまま使わせていただくことにしました。両病院のスタッフの皆さんにはご協力を心から感謝申し上げます。
編集にあたっては、今までどおり、図を多くしてできるだけ見やすいものにするよう心がけました。また、索引を充実させて、第2版にあった巻末の略語集は省略することにしました。それでもおそらく読みにくいところが多々あるかと思われます。読者の皆様には、お気づきの点がありましたら、どうぞご遠慮なくご意見をくださいますようお願いいたします。
2004年11月
龍野 勝彦