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肝臓専門医テキスト改訂第3版

  • 新刊

編集 : 日本肝臓学会
ISBN : 978-4-524-22771-6
発行年月 : 2020年11月
判型 : B5
ページ数 : 530

在庫あり

定価15,400円(本体14,000円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

肝臓専門医研修カリキュラムに則った目次立ての、日本肝臓学会による公式テキストの改訂第3版。今版では新カリキュラムに基づく目次立ての見直しと、肝疾患診療の進歩に伴う内容のアップデートを行っており、基礎的な内容から疾患ごとの詳細知識まで、専門医に求められる幅広い情報を網羅している。肝臓専門医試験受験者のみならず、専門医取得者にとっても最新知見を学ぶのに有用な一冊。

I章 基本的事項
 A.肝・胆道の解剖と機能
  1 肝の解剖,区域,亜区域
  2 肝の脈管構造
  3 肝臓の構成細胞,Zonation
  4 肝細胞の機能
  5 胆道の構造と機能
  6 薬物代謝
  7 アルコール代謝(遺伝的素因を含む)
  8 胆汁分泌機構
 B.病態生理
  1 ウイルス肝炎の発症機序(免疫の関与を含めて)
  2 ウイルス肝炎の臨床像と慢性化(特にB型肝炎におけるgenotypeの関与)
  3 肝炎ウイルスの感染様式
  4 HBe抗原セロコンバージョンの意義
  5 肝炎の再活性化の機序(de novo B型肝炎含む)
  6 急性肝不全の発症機序
  7 肝再生の機序
  8 肝発癌の機序
  9 肝細胞傷害機序
  10 肝性脳症の病態
  11 肝線維化の機序
  12 インスリン抵抗性と肝疾患
  13 一塩基多型(SNP)の意義と肝疾患診療との関連
  14 門脈圧亢進症の病態
  15 腹水の発生機序
  16 黄疸・胆汁うっ滞の発生機序
II章 肝疾患
 A.検査
  1 肝機能検査
   (1)肝予備能評価[Child-Pugh score(分類),肝障害度,ALBI grade,MELD score]
   (2)その他の肝機能検査
  2 肝炎ウイルスマーカー
   (1)HA抗体,IgM-HA抗体,HAV RNA
   (2)HBs抗原・抗体,HBe抗原・抗体,HBc抗体,IgM-HBc抗体,HBc関連抗原,HBV DNA,HBV genotype,変異株,HBV PCR
   (3)HCV抗体,HCV RNA,HCV タイピング(serotype,genotype),HCV コア抗原,HCV コア領域(70番,91番)アミノ酸変異,ISDR,DAA耐性変異
   (4)HDV抗体,HDV RNA
   (5)HEV抗体(IgM-HEV抗体,IgA-HEV抗体,IgG-HEV抗体),HEV RNA
   (6)EBV,CMV
  3 免疫学的検査
  4 腫瘍マーカー
   (1)AFP,レクチン結合型AFP
   (2)PIVKA-II
   (3)CEA
   (4)CA19-9
  5 線維化関連マーカー
  6 尿ビリルビン,ウロビリノーゲン
  7 画像診断
   (1)腹部単純撮影
   (2)CT
   (3)排泄性胆道造影
   (4)直接胆道穿刺法
   (5)腹部血管造影
   (6)核医学検査
   (7)超音波検査
   (8)肝硬度評価法
   (9)磁気共鳴画像(MRI)
   (10)超音波誘導下穿刺・生検(肝生検,腫瘍生検を含む)
   (11)胆道鏡検査
   (12)腹腔鏡検査
  8 肝臓の病理診断
  9 腹水穿刺
  10 腹水一般検査
  11 肥満度/体格指数
  12 経口糖負荷試験,IRI,HOMA-IR,HOMA-β
 B.食事・栄養療法・生活指導
  1 肝硬変に対する栄養療法
   (1)就寝前補食(LES)
   (2)分割食
  2 C型肝炎に対する鉄制限食
 C.薬物療法
  1 ウイルス性肝炎に対する薬物治療
   (1)B型肝炎に対する治療薬(インターフェロン,核酸アナログ)
   (2)C型肝炎に対する治療薬(インターフェロン,DAA)
  2 肝庇護療法(ウルソデオキシコール酸(UDCA),グリチルリチン製剤)
  3 分岐鎖アミノ酸製剤,アルブミン製剤
  4 利尿薬
  5 ステロイド治療・免疫抑制薬治療
  6 分子標的治療薬
  7 癌免疫療法
  8 その他(ベザフィブレート,ビタミンC,E,インスリン抵抗性改善薬など)
  9 予防薬
   (1)肝炎ワクチン
   (2)免疫グロブリン製剤
   (3)発癌予防薬
 D.専門的治療
  1 経皮経肝胆管ドレナージ(PTBD),経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)
  2 経皮的膿瘍ドレナージ
  3 肝動脈塞栓療法(TAE),肝動脈化学塞栓療法(TACE),肝動脈化学療法(TAI)
  4 動注化学療法
  5 経皮的エタノール注入(PEI)
  6 マイクロウエーブ凝固療法
  7 ラジオ波凝固療法(適応,偶発症も含めて)
  8 内視鏡的治療手技(EST,EPBD,EBD,ENBD)
  9 がん化学療法(分子標的治療薬も含めて)
  10 血漿交換,血液濾過透析療法
  11 放射線治療
  12 門脈圧亢進症の治療
   (1)食道(胃)バルーンタンポナーデによる治療
   (2)食道(胃)静脈瘤硬化療法(EIS)
   (3)内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL)
   (4)バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)
   (5)経皮経肝的門脈塞栓術(PTO)
   (6)経頸静脈的肝内門脈大循環短絡路(TIPS)
   (7)経皮的シャント塞栓術
   (8)部分的脾動脈塞栓術(PSE)・脾臓摘出術(脾摘)
  13 肝性脳症の治療
  14 瀉血療法
  15 肝胆道疾患の手術療法
   (1)肝切除術式(葉切除,区域切除,亜区域切除など)
   (2)肝切除の適応疾患と適応条件
   (3)胆道再建法
  16 肝移植
   (1)肝移植の適応条件と適応疾患
   (2)脳死肝移植の臓器分配
   (3)生体肝移植ドナーの適応基準
   (4)肝移植の合併症
   (5)肝移植後の抗ウイルス療法
 E.疾患
  1 急性肝炎(A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,D型肝炎,E型肝炎)
  2 劇症肝炎(急性肝不全)
  3 慢性肝炎
   (1)B型慢性肝炎
   (2)C型慢性肝炎
   (3)非B非C型肝炎
  4 その他のウイルス肝炎
  5 自己免疫性肝炎
  6 肝硬変(アルコール性,ウイルス性を含む)
  7 原発性胆汁性胆管炎(PBC)
  8 原発性硬化性胆管炎(PSC)
  9 肝内胆汁うっ滞(進行性家族性肝内胆汁うっ滞症)
  10 アラジール症候群/非症候性肝内胆管減少症
  11 胆道閉鎖症(先天性胆道閉鎖症)
  12 閉塞性黄疸
  13 体質性黄疸
  14 薬物性肝障害
  15 アルコール性肝障害
  16 Non-alcoholic fatty liver disease(NAFLD)
  17 肝感染症
   (1)肝膿瘍(細菌性,アメーバ性)
   (2)肝寄生虫症
   (3)Weil病
   (4)クラミジア,淋菌(Fitz-Hugh-Curtis症候群)
   (5)肝結核
   (6)梅毒
  18 肝嚢胞
  19 カロリー病/先天性肝線維症
  20 肝良性腫瘍
  21 原発性肝癌
   (1)肝細胞癌
   (2)肝内胆管癌(胆管細胞癌)
   (3)その他の肝悪性腫瘍
  22 転移性肝癌
  23 門脈圧亢進症(食道・胃静脈瘤を含む)
  24 特発性門脈圧亢進症
  25 肝外門脈閉塞症
  26 Budd-Chiari症候群
  27 肝中心静脈閉塞症(VOD)
  28 代謝性肝疾患(糖原病,肝アミロイドーシス,ヘモクロマトーシス)
   (1)糖原病
   (2)肝アミロイドーシス
   (3)ヘモクロマトーシス
   (4)Wilson病
   (5)肝性ポルフィリン症
   (6)尿素サイクル(代謝)異常症
   (7)脂質蓄積症(ライソゾーム病を含む)
   (8)シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞(NICCD)
  29 放射線肝炎
  30 Reye症候群
  31 肝内結石症
  32 全身疾患と肝
   (1)甲状腺疾患
   (2)肝腎症候群
   (3)循環不全
   (4)自己免疫疾患(膠原病)
   (5)血液疾患
   (6)消化器疾患
   (7)血球貪食症候群(HPS)
   (8)IgG4関連疾患
   (9)HIV感染症
  33 新生児肝炎
  34 妊娠と肝
III章 胆道疾患
 1 胆石症
 2 胆道感染症
 3 胆嚢腺筋腫症
 4 胆嚢胆道腫瘍
 5 膵・胆管合流異常
 6 先天性胆道拡張症
IV章 腹腔疾患
 1 特発性細菌性腹膜炎
V章 行政と肝疾患診療
 A.肝疾患診療に関する病診連携
  1 肝疾患連携拠点病院ならびに肝疾患診療ネットワーク
  2 肝疾患治療パス
 B.肝疾患診療に関連する法律,制度
  1 B型肝炎母子感染防止対策
  2 肝炎対策基本法
  3 肝炎治療特別促進事業(医療費助成制度)
  4 改正臓器移植法
  5 身体障害者福祉法
索引

序文

 わが国の専門医制度では、日本肝臓学会の肝臓専門医はsubspecialty領域専門医に位置づけられ、その総数は2020年度には7,000人を超えました。日本専門医制度既報(令和元年度版)によると、内科系の臓器別subspecialty領域では、肝臓専門医の総数は日本消化器病学会、日本循環器学会の専門医に次いで3番目になります。本テキスト第2版が刊行された2016年以降も、毎年360人以上が肝臓専門医認定試験を受験し、4年間で計1,260人の専門医が誕生しています。肝臓専門医の資格は多くの都道府県で「肝炎治療特別促進事業」、「ウイルス性肝炎等の重症化予防推進事業」、「身体障害者福祉法による肝臓機能障害認定」などの事業に参画する条件になっています。国民病である肝硬変、肝癌を撲滅するために、肝臓専門医は地域医療を支える必須の存在になっています。
 肝臓専門医の資格を希望する医師の増加に鑑みて、日本肝臓学会は2013年3月に「肝臓専門医テキスト」を刊行しました。同テキストは2012年に改訂された研修カリキュラムに準拠して、肝臓専門医に求められる事項を、「基礎知識編」、「検査編」、「疾患編」、「治療と予防編」、「行政と肝疾患診療編」の5編に分けて網羅しました。多数の学会評議員が、短期間に無報酬で執筆した膨大な原稿を、当時、企画広報委員会の委員長であった坪内博仁先生が中心となってまとめられた力作です。しかし、その後、肝臓病の診療は大きな進歩を遂げています。肝炎ウイルスはほぼ全例でコントロールが可能になった一方で、脂肪性肝疾患などの生活習慣病が増加しています。また、肝硬変、肝癌などの新たな治療薬も続々と登場しています。そこで、日本肝臓学会は2016年に「肝臓病専門医テキスト」を改訂し、第2版を刊行しました。さらに、2020年には研修カリキュラムも改訂されることから、この度、更なる改訂を行い、第3版を発刊することになりました。本テキスト初版は完成度が高いことから、第3版も基本的に前版までの記述を尊重し、肝臓学の進歩を反映した追記、修正を学会評議員に依頼しました。提出いただいた原稿は、企画広報委員会の委員全員で査読しています。これら作業のすべてに携わった多数の先生に深謝申し上げます。
 本テキストは合格率が約80%である日本肝臓学会の肝臓専門医認定医試験に合格するために有用であり、受験する学会員は雑誌「肝臓」に掲載される過去問題とともに、ご活用ください。また、すでに肝臓専門医の学会員にも、最近の動向を把握して、診療の質を向上させるために役立つと考えています。今回の改訂が、わが国における肝臓病診療の均霑化に寄与し、多数の患者さんの利益につながることを期待します。

2020年10月
一般社団法人日本肝臓学会 副理事長
企画広報委員会 委員長
持田智