病態を理解して組み立てる薬剤師のための疾患別薬物療法
V.感染症/呼吸器疾患/皮膚疾患/感覚器疾患
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 一般社団法人日本医療薬学会 |
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ISBN | : 978-4-524-26344-8 |
発行年月 | : 2012年4月 |
判型 | : A4 |
ページ数 | : 196 |
在庫
定価4,180円(本体3,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
薬剤師が医療チームの一員として薬物療法に関わっていくために必要な疾患の病態生理・検査・治療の知識と、処方提案のための具体的SOAP解析例をわかりやすく解説したシリーズ。「感染症」「呼吸器疾患」「皮膚疾患」「感覚器疾患」の4部構成とし、重要かつ高頻度でみられる9疾患を掲載。読んで理解、問題解答して病態の知識が深まる。スキルアップしたい薬剤師、即戦力を身につけたい学生のための必読書。
A 感染症
1章 細菌感染症
解説
総論
I 細菌感染症の病態生理
II 細菌感染症における身体所見と細菌学的検査の捉え方
III 薬剤感受性試験
IV 細菌感染症の抗菌薬治療
各論[肺炎(成人の場合)]
I 細菌性肺炎の病態生理
II 細菌性肺炎における身体所見と臨床診断
III 患者の重症度
IV 原因菌の検索と同定
V 細菌性肺炎の治療抗菌薬選択
VI 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
2章 ウイルス感染症(帯状疱疹/水痘帯状疱疹ウイルス)
解説
I ヒトヘルペスウイルス科について
II 帯状疱疹の病態生理
III 臨床検査とその評価
IV 治療
V 症例
症例解析(1)
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
症例解析(2)
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
3章 真菌感染症
解説
I 真菌感染症の病態生理
1.深在性真菌症の病態生理
2.表在性真菌症の病態生理
3.深部皮膚真菌症の病態生理
II 真菌感染症の診断に必要な臨床検査
1.深在性真菌症の臨床検査
2.皮膚真菌症の臨床検査
III 深在性真菌症の治療法
IV 表在性真菌症の治療法
1.局所療法
2.全身療法
V 深部皮膚真菌症の治療法
VI 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
4章 HIV感染症
解説
I HIV感染症の病態生理
II 治療
1.感染初期(急性期)患者の注意点
2.日和見感染治療時
3.CD4数の低い患者に対する注意点
4.抗HIV療法開始時
III 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
B 呼吸器疾患
1章 気管支喘息
解説
I 気管支喘息の病態生理
II 喘息の管理・治療目標
III 喘息に対する身体所見の評価と臨床検査
IV 長期管理における段階的薬物療法
V 急性増悪(発作)への対応
VI 喘息のリスクファクター
VII 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
2章 慢性閉塞性肺疾患
解説
I 概念と病態生理
II 身体評価と臨床検査
1.身体所見
2.呼吸機能検査(スパイロメトリー)
3.肺拡散能測定
4.動脈血液ガス分析
5.パルスオキシメータ(経皮的動脈血酸素飽和度:SpO2)
6.画像所見
III 治療と管理
1.安定期の管理
2.増悪期の管理
IV 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
C 皮膚疾患
1章 アトピー性皮膚炎
解説
I アトピー性皮膚炎の病態と疫学
II アトピー性皮膚炎の診断基準
III アトピー性皮膚炎の重症度分類
IV 治療
1.治療日標
2.薬物療法
A.炎症に対する外用療法
B.スキンケア
B.内用療法
V 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
2章 褥蒼
解説
I 褥蒼の定義と病態生理
1.褥蒼とはどのような病気なのか
2.創傷の治癒過程と褥蒼
3.創傷治癒に関与する局所環境因子
4.重症度分類
5.急性期と慢性期
6.浅い褥蒼と深い褥蒼
7.色調による分類
8.DESIGNツールとそれに基づいた治療
9.病態把握するうえで重要な観察項目
II 褥蒼の予防と治療
1.褥蒼の予防
2.褥蒼局所治療
3.基剤の機能別分類
4.適正な湿潤環境保持
5.ブレンド軟膏を用いた薬剤の選択
6.創内の薬剤保護
III 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
D 感覚器疾患
1章 緑内障
解説
I 病態の概要
1.定義
2.病態
3.緑内障の種類
4.緑内障の疫学
II 検査
1.問診
2.眼圧測定
3.細隙灯顕微鏡検査
4.隅角検査
5.眼底検査
6.視野検査
III 治療の総論
1.治療の目的
2.治療の原則
3.病型―病期の決定
IV 治療法
1.薬物療法
2.レーザー手術
3.外科手術(観血的手術)
V 治療プロトコール
1.原発開放隅角緑内障
2.原発閉塞隅角緑内障
VI 症例
症例解析
1.問題リストの作成
2.SOAPチャートの作成
3.経過表の作成
付録 薬剤師による患者フォローとSOAPチャートの作成(全巻共通項目)
1.患者情報の収集
2.問題リストの作成
3.問題点ごとの薬物療法の評価と立案(SOAPチャー卜の作成)
4.治療経過のフォローアップ(経過表の作成)
索引
日本医療薬学会編集『薬剤師のための疾患別薬物療法』第V巻では、感染症、呼吸器疾患、皮膚疾患、感覚器疾患を取り上げました。
感染症として本書では、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、HIV感染症を記載しています。感染症は、慢性疾患と異なり緊急性があるにもかかわらず、発症までのデータを把握できないことが多く、循環器疾患などの原疾患とは無関係に発症することが特徴と考えられます。また、化学療法後などで免疫抑制状態にある患者には、特に注意しなければならない疾患です。本書では、最新のガイドラインなどを記載しながら。複雑化している薬物療法の基本的な考え方を解説しましたので、臨床現場でも十分活用していただけるものと信じています。
呼吸器疾患では、薬物療法を安定期と増悪期(発作時)に分けて考える必要がある疾患として、気管支端息と慢性閉塞性肺疾患を取り上げました。両者の薬物療法の共通点や違いを確認しながら読み進めると、一層の理解が深まると考えます。
皮膚疾患と感覚器疾患では、環境の変化や寝たきり状態、高齢者の増加で起きる疾患として、アトピー性皮膚炎、褥瘡、緑内障を取り上げました。いずれも薬剤師の日常の臨床業務で遭遇することが多いと考えられる疾患です。
それぞれの疾患の特徴を踏まえた病態生理、診断、薬物療法については、第一線で診療と薬剤業務に取り組んでいる専門医と臨床薬剤師の先生方に協力して解説していただきました。
本書が、日本医療薬学会の認定薬剤師やその他の団体の専門薬剤師の資格取得を目指す薬剤師や学生の学習の助けとなり、「患者中心のファーマシューテイカルケア提供」の向上に役立つことを切に願っています。
最後に、本書の趣旨にご賛同いただき、ご多忙のなかご執筆いただいた薬剤師の先生方、内容をご確認いただいた医師の先生方に深謝いたします。
2012年3月
感染症疾患 編集 太田伸
呼吸器疾患、皮膚疾患 編集 中澤ー純
感覚器疾患 編集 青山隆夫