産科婦人科疾患最新の治療2013-2015
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編集 | : 吉川史隆/倉智博久/平松祐司 |
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ISBN | : 978-4-524-26896-2 |
発行年月 | : 2013年5月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 318 |
在庫
定価9,350円(本体8,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
産科婦人科領域の最新情報と治療方針を疾患別にコンパクトに解説。巻頭トピックスでは、「産科救急」「生殖医療の最前線」「内視鏡下手術とロボット手術」などの注目テーマをレビュー。各論では日常診療の指針となる治療の実際を解説し、具体的な処方例も紹介。パソコンや各種デバイスで読めるオンラインアクセス権(bookend版)付。
巻頭トピックス
1 EBMとガイドライン
2 抗悪性腫瘍薬のトピックス
3 産科救急
4 生殖医療の最前線
5 妊娠と薬
6 授乳と薬
7 女性医学
8 内視鏡下手術とロボット手術
9 産婦人科の超音波診断
10 妊娠と放射線
11 陣痛誘発法
12 産科麻酔
13 乳がん検診
産科疾患I
A 異常妊娠
1 妊娠悪阻
2 切迫流産・流産
3 切迫早産・早産
4 頸管無力症
5 羊水過多・過少
6 子宮内胎児死亡
7 異所性妊娠
8 妊娠高血圧症候群
9 HELLP 症候群・急性妊娠脂肪肝
10 常位胎盤早期剥離
11 前置胎盤
12 多胎妊娠・分娩
13 血液型不適合妊娠
14 過期妊娠
15 胎児機能不全
16 胎児発育不全
17 巨大児
B 合併症妊娠の管理と治療
1 婦人科疾患合併妊娠
a 子宮筋腫
b 子宮頸部腫瘍
c 卵巣腫瘍
2 心疾患合併妊娠
3 静脈血栓塞栓症
4 腎疾患合併妊娠
5 糖尿病合併妊娠・妊娠糖尿病
6 甲状腺疾患合併妊娠
7 自己免疫疾患合併妊娠・膠原病合併妊娠
8 呼吸器疾患合併妊娠
9 消化器疾患合併妊娠
10 精神・神経疾患合併妊娠
11 血液疾患合併妊娠
C 異常分娩
1 微弱陣痛・過強陣痛
2 児頭骨盤不均衡・狭骨盤
3 軟産道強靱
4 回旋異常
5 胎位異常(骨盤位・横位)
6 臍帯巻絡・下垂・脱出
7 前期破水
8 癒着胎盤
9 遷延分娩
10 分娩時母体損傷(会陰裂傷・子宮破裂・頸管裂傷)
11 弛緩出血
12 子宮内反症
13 DIC
14 羊水塞栓症
D 産褥異常の管理と治療
1 子宮復古不全
2 乳汁分泌異常(乳汁うっ滞・乳汁分泌不全・乳汁分泌促進法)、乳腺炎
3 産褥期の精神障害
E 産科感染症の管理と治療
1 絨毛膜羊膜炎
2 産褥子宮内感染症・産褥熱
3 STD・HIV
4 B型肝炎・C型肝炎
5 成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)母子感染予防
6 トキソプラズマとサイトメガロウイルス
F 新生児の管理と治療
1 新生児仮死
2 呼吸障害・チアノーゼ
3 黄疸
4 痙攣
5 発熱
6 嘔吐・吐血および下血
7 便通異常
8 分娩損傷
9 低出生体重児
G 胎児治療
婦人科疾患II
A 内分泌異常
1 月経異常
a 無月経・希発月経・頻発月経
b 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
c 乳漏性無月経・高プロラクチン血症
d 早発卵巣不全
e 過多月経・過少月経
f 機能性子宮出血
g 月経前症候群
2 多毛
3 肥満とやせ・神経性食欲不振症
B 不妊症
1 女性不妊症
a 排卵障害による不妊症・排卵誘発
b 卵管性不妊症
c 子宮性不妊症
d 子宮頸管因子による不妊症
2 男性不妊症
3 機能性不妊症
4 生殖補助医療技術(ART)
C 不育症
D 性器の形態異常
1 外陰・腟の異常
2 子宮の異常
E 骨盤臓器脱
1 骨盤臓器脱(子宮脱・子宮下垂・腟脱、膀胱瘤・小腸瘤・直腸瘤・会陰体損傷)
2 過活動膀胱・排尿障害
F 婦人科感染症
1 外陰および腟の感染症
2 子宮・付属器(骨盤内臓器を含む)の感染症
3 性感染症
G 腫瘍と類腫瘍
1 外陰の腫瘍・類腫瘍
a Paget 病
b 外陰上皮内腫瘍
c 外陰がん
2 腟の腫瘍・類腫瘍
3 子宮の腫瘍・類腫瘍
a 子宮筋腫
b 子宮内膜症
c 子宮腺筋症
d 子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ
e 子宮頸部上皮内腫瘍
f 子宮頸がん
g 子宮内膜増殖症
h 子宮体がん
i 絨毛性疾患(胞状奇胎を含む)
j 子宮肉腫
4 付属器(卵巣・卵管)の腫瘍・類腫瘍
a 卵管がん
b 卵巣の良性腫瘍・類腫瘍
c 悪性卵巣腫瘍
・表層上皮性・間質性腫瘍
・性索間質性腫瘍
・胚細胞腫瘍
5 緩和ケア
H 女性のヘルスケア
1 更年期障害
2 うつ・不安神経症
3 物忘れ・アルツハイマー病
4 肥満・メタボリック症候群
5 高血圧
6 脂質異常症
7 糖尿病・耐糖能異常
8 骨粗鬆症
9 老人性腟外陰炎
10 ホルモン補充療法(HRT)
11 漢方治療
J その他の疾患
1 性器の損傷・瘻
2 Turner 症候群
3 精巣女性化症候群
索引
情報ネットワークが普及し、我々の周囲にはあらゆる情報が氾濫している。医療の世界においても情報が満ちており、疾患名や症状を入力して検索すれば無数のウェブサイトを閲覧することができる。その一方で不正確な情報も錯綜しており、その取捨選択に悩むことも度々である。間違った情報により患者を診察・治療することは医療人には許されることではなく、情報ネットワークの発展が逆に正しい情報入手に悩む結果となっている。そのため、ペーパーレスの時代に突入してきている現代においても、医療人にとって正確な知識と情報を得ることができるのは、正統派の学術書からといえる。過去には産婦人科学の名著もあるが、医療の進歩には目覚しいものがあり、最新の情報と知見を提供するには、常にアップデートしていく必要がある。また、近年では医療の発展に伴って細分化が進み、逆に全体像が見えにくくなり、「木を見て森を見ず」になっている感がある。産婦人科領域でも周産期、生殖、腫瘍、女性医学とサブスペシャリティ領域があり、それぞれに専門医制度や認定医制度が存在している。そのため基幹診療科だけでなく、サブスペシャリティ領域の専門書も数多く出版されている。ガイドラインも多くの学会から発刊されているが、これらは各学会員のためのものであり、各専門家集団に対する標準的治療法の解説である。我々医療人は自身の専門領域だけでなく幅広い医療知識を有していなければならないが、専門外の医師にとっては、専門分野に特化した教科書やガイドラインでは開くことさえ躊躇される。全体像を俯瞰でき、かつ実地臨床に役立つ実践書が今医療人が求めるものである。
こうした要望を背景に、本書では正確な情報と簡潔な説明、さらに実地臨床に即した治療法を掲載した。産婦人科医だけでなく他科領域の先生方や初期研修医、専攻医にもスムーズに産婦人科疾患を理解し、治療法を知ることができるように疾患別に記載し、処方例ではできる限り薬剤を商品名で表記した。また、最新の知見をTOPICSとして随所にコラムを設け、専門家にも充分役立つものとしてある。巻頭トピックスには日進月歩の医療分野で特に重要である項目を13ピックアップして詳細に解説した。本書はそれぞれの疾患に精通している日本を代表する専門家に執筆をお願いし、正しい医学情報を簡潔に、そしてわかりやすく解説していただいている。産婦人科医だけでなく、研修医や他科の先生方の日常診療のバイブルとして傍らにおいていただければ幸甚である。
最後に、本書に最新の情報と正確な病態を執筆していただいた各疾患のエキスパートの先生方に感謝の意を表したい。
2013年3月
編集者一同