産科婦人科疾患最新の治療2019-2021
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 吉川史隆/平松祐司/大須賀穣 |
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ISBN | : 978-4-524-24642-7 |
発行年月 | : 2019年5月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 314 |
在庫
定価9,350円(本体8,500円 + 税)
正誤表
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2019年07月31日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
3年毎に刊行。産科婦人科領域の最新情報と各疾患の治療方針を実臨床に即してコンパクトに解説。巻頭トピックスでは、「婦人科におけるロボット手術の現状と展望」「卵巣癌に対する分子標的治療薬」「妊娠・授乳と薬」「女性アスリートのヘルスケア」の4テーマをレビュー。各論では産科婦人科診療における治療の要点と全体像、処方例をフローチャート付きで解説している。
巻頭トピックス
1 婦人科におけるロボット手術の現況と課題
2 卵巣癌に対する分子標的治療薬
3 妊娠・授乳と薬
4 女性アスリートのヘルスケア
I.産科疾患
A.異常妊娠
1 妊娠悪阻
2 切迫流産・流産
3 切迫早産・早産
4 異所性妊娠
5 妊娠高血圧症候群
6 HELLP症候群・急性妊娠性脂肪肝
7 常位胎盤早期剥離
8 血液型不適合妊娠
9 過期妊娠
10 胎児機能不全
11 胎児発育不全(FGR)
12 巨大児
B.合併症妊娠の管理と治療
1 婦人科疾患合併妊娠
a 子宮筋腫
b 子宮頸部腫瘍
c 卵巣腫瘍
3 内科疾患合併妊娠
C.異常分娩
1 微弱陣痛・過強陣痛(陣痛誘発法を含む)
2 児頭骨盤不均衡・挟骨盤
3 軟産道強靱
4 回旋異常
5 胎位異常(骨盤位・横位)
6 肩甲難産
7 臍帯巻絡,臍帯下垂,臍帯脱出
8 前期破水
9 癒着胎盤
10 遷延分娩
11 分娩時母体損傷(会陰裂傷,頸管損傷,子宮破裂)
12 分娩後(時)異常出血
13 子宮内反症
14 羊水塞栓症
D.産褥異常の管理と治療
1 子宮復古不全
2 乳汁分泌異常(乳汁うっ滞,乳汁分泌不全・乳汁分泌促進法),乳腺炎
3 産褥期の精神障害
E.産科感染症の管理と治療
1 絨毛膜羊膜炎
2 産褥子宮内感染症,産褥熱
3 STD
4 B型肝炎,C型肝炎
5 ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)母子感染予防
6 トキソプラズマ
7 サイトメガロウイルス
F.新生児の管理と治療
1 新生児仮死
2 低出生体重児
II.婦人科疾患
A.内分泌疾患
1 月経異常
a 無月経,希発月経,頻発月経
b 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
c 乳漏性無月経・高プロラクチン血症
d 早発卵巣不全
e 過多月経,過少月経
f 月経前症候群
B.不妊症
1 女性不妊症
a 排卵障害による不妊症,排卵誘発
b 卵管性不妊症
c 子宮性不妊症
d 子宮頸管因子による不妊症
2 男性不妊症
3 生殖補助医療(ART)
C.不育症
1 不育症
D.性器(外陰,腟,子宮)の形態異常
1 性器(外陰,腟,子宮)の形態異常
E.骨盤臓器脱
1 骨盤臓器脱(膀胱瘤,子宮脱,直腸瘤,小腸瘤,腟断端脱)
2 骨盤臓器脱に伴う過活動膀胱
F.婦人科感染症
1 外陰および腟の感染症
2 子宮・子宮付属器(骨盤内臓器を含む)の感染症
3 性感染症
G.腫瘍と類腫瘍
1 外陰の腫瘍・類腫瘍
a Paget病
b 外陰上皮内腫瘍
c 外陰癌
2 腟の腫瘍・類腫瘍
3 子宮の腫瘍・類腫瘍
a 子宮筋腫
b 子宮内膜症(不妊症を含む)
c 子宮腺筋症
d 子宮頸管ポリープ
e 子宮内膜ポリープ
f 子宮頸部上皮内腫瘍
g 最小偏倚腺癌(MDA)
h 子宮頸癌
i 子宮内膜増殖症
j 子宮体癌
k 絨毛性疾患(胞状奇胎を含む)
l 子宮肉腫
4 付属器(卵巣,卵管)の腫瘍・類腫瘍
a 卵管癌
b 卵巣の良性腫瘍・類腫瘍
c 悪性卵巣腫瘍
1)上皮性腫瘍
2)性索間質性腫瘍
3)胚細胞腫瘍
5 緩和ケア
H.女性のヘルスケア
1 更年期障害
2 うつ・不安障害
3 肥満症・脂質異常症
4 骨粗鬆症
5 外陰腟萎縮症
6 ホルモン補充療法(HRT)
7 漢方治療
I.セクシュアル・ヘルス
1 避妊法
2 性の相談:セックスカウンセリング・セラピー,性機能不全,性別違和
索引
序文
産婦人科の診療は多岐にわたり、その重責と労働環境のため産婦人科医師は疲弊しています。その一方で医療は日進月歩で進歩しており、新しい概念の薬や装置による診断、更にロボット手術などに遅れることなく最新の知識、技術の習得が求められています。
学会が中心となり「ガイドライン」や「必修知識」が作成されており、それらを熟読すれば日常診療の基礎知識の習得は可能です。しかし、ガイドラインでは具体的な処方例や対処法は記載されていません。しかも3〜5年ごとに改定されるため、常にフォローしていなければ古いガイドラインに従うことになってしまいます。日本産科婦人科学会のガイドラインとしては「産婦人科診療ガイドライン産科編2017」「産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2017」「ホルモン補充療法ガイドライン2017」「OC・LEPガイドライン年版」、日本婦人科腫瘍学会からは「子宮頸癌治療ガイドライン2017年版」「子宮体がん治療ガイドライン2018年版」「卵巣がん治療ガイドライン2015年版」「外陰がん・腟がん治療ガイドライン2015年版」、日本生殖医学会からは「生殖医療の必修知識2017」も刊行されています。その他関連学会や研究会、厚生労働省の班研究など数多くのガイドライン、指針、必修知識が存在しています。われわれは遅れることなく、知識、技術を吸収し、日常診療に取り入れなければなりませんが、これらすべてを理解し、実践することは不可能です。本書では重要事項はすべて網羅していますが、病態説明は最小限にとどめ、理解しやすいように具体的なフローチャートや処方例を記載しました。また、できるだけコンパクトで日常診療に役立つように編集してあります。また、最新の「TOPICS」や「ピットフォール・患者説明のポイント」も必要に応じて掲載しています。
「産科婦人科疾患最新の治療2013-2015」を2013年5月に刊行して、今回が2回目の改訂版となり、2019-2021年版となりました。この間に進歩が著しかった「婦人科におけるロボット手術の現況と課題」と「卵巣癌に対する分子標的治療薬」を巻頭トピックスに取り上げました。また、われわれ産婦人科医師にとって非常に重要であり、読者の関心も高い「妊娠・授乳と薬」と「女性アスリートのヘルスケア」も巻頭トピックスに掲載いたしました。日常診療の傍らにおいて皆様の診療に役立てていただければ、編集者として望外の喜びです。
2019年3月
編集者一同