肝臓専門医テキスト
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 日本肝臓学会 |
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ISBN | : 978-4-524-26812-2 |
発行年月 | : 2013年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 512 |
在庫
定価15,400円(本体14,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
肝臓専門医研修カリキュラムに則った目次立ての公式テキスト。基礎的内容から検査、画像診断、治療と予後、疾患ごとの詳細知識などの臨床的な内容まで、専門医に求められる幅広い情報を網羅。専門医を目ざす医師はもちろんのこと、指導医の参考資料、専門医の知識のブラッシュアップ参考書としても十分に有用な一冊。
[基礎知識編]
第I章 肝・胆道の解剖と機能
1.肝の解剖、区域、亜区域
2.肝の脈管構造
3.肝臓の構成細胞、zonation
4.肝細胞の機能
5.胆道の構造と機能
6.薬物代謝
7.アルコール代謝
8.胆汁分泌機構
第II章 肝障害を惹起するウイルス
1.肝炎ウイルス
2.肝炎ウイルス以外のウイルス
第III章 病態生理
1.ウイルス肝炎の発症機序
2.ウイルス肝炎の臨床像と慢性化
3.肝炎ウイルスの感染様式
4.HBe抗原セロコンバージョンの意義
5.肝炎の再活性化の機序
6.急性肝不全の発症機序
7.肝再生の機序
8.肝発癌の機序
9.肝細胞障害機序
10.黄疸・胆汁うっ滞の発生機序
11.腹水の発生機序
12.肝性脳症の病態
13.門脈圧亢進症の病態
14.肝線維化の機序
15.インスリン抵抗性と肝疾患
16.肝硬変の機能評価法
17.一塩基多型(SNP)の意義と肝疾患診療との関連(IL28B、ITPAなど)
第IV章 肝・胆道の手術療法
1.肝切除術式
2.肝切除の適応疾患と適応条件
3.胆道再建法
第V章 肝移植
1.肝移植の適応条件と適応疾患
2.脳死肝移植の臓器分配(肝移植レシピエントの選択基準)
3.生体肝移植ドナーの適応基準
[検査編]
第VI章 血液・尿検査
1.血液生化学
2.肝炎ウイルスマーカー
3.免疫学的検査
4.腫瘍マーカー
a.α−フェトプロテイン(AFP)、レクチン結合型AFP(AFP−L3)
b.PIVKA−U
c.CEA(癌胎児性抗原)
d.CA19−9
5.線維化関連マーカー
6.尿ビリルビン、ウロビリノゲン
第VII章 画像診断
1.放射線検査
a.腹部単純X線
b.CT
c.胆道造影(DIC)
d.内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)
e.血管造影
f.血管造影下CT(CTAP、CTHA)
g.核医学検査
2.超音波検査
3.磁気共鳴画像(MRI)
4.胆道鏡検査
5.腹腔鏡検査
6.肝臓の病理診断
第VIII章 その他の検査
1.腹水穿刺
2.腹水一般検査
3.肝硬度評価法
4.肥満度/体格指数
5.経口糖負荷試験、IRI、HOMA−R、HOMA−β
[疾患編]
第IX章 肝疾患
1.急性肝炎(A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎)
2.劇症肝炎
3.慢性肝炎
a.B型肝炎
b.C型肝炎
c.非B非C型肝炎
4.自己免疫性肝炎
5.原発性胆汁性肝硬変
6.原発性硬化性胆管炎
7.肝硬変
8.門脈圧亢進症
9.肝性脳症
10.放射線肝炎(放射線肝障害)
11.薬物性肝障害
12.アルコール性肝障害
13.肝内胆汁うっ滞
14.体質性黄疸
15.脂肪肝
16.NAFLD
17.NASH
18.代謝性肝疾患
a.糖原病
b.肝アミロイドーシス
c.ヘモクロマトーシス
d.Wilson病
e.肝性ポルフィン症
f.尿素サイクル(代謝)異常症
g.脂質蓄積症(リピドーシス)
h.シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞
19.その他のウイルス肝炎
20.Reye症候群
21.肝嚢胞
22.原発性肝癌
a.肝細胞癌
b.肝内胆管癌(胆管細胞癌)
c.その他の肝悪性腫瘍
23.転移性肝癌
24.肝良性腫瘍
25.特発性門脈圧亢進症
26.肝外門脈閉塞症
27.Budd−Chiari症候群
28.肝中心静脈肝閉塞症
29.肝内結石症
30.肝感染症
31.全身疾患と肝
a.甲状腺疾患
b.肝腎症候群
c.循環不全
d.膠原病
e.血液疾患
f.糖尿病
g.消化器疾患
h.IgG4関連疾患
i.血球貪食症候群
32.特発性新生児肝炎症候群
33.妊娠と肝
第X章 胆道疾患
1.胆石症
2.胆道感染症
3.胆嚢腺筋腫症
4.胆嚢胆道腫瘍
5.膵・胆管合流異常
6.先天性胆道拡張症
7.胆道閉鎖症
8.Alagille症候群
第XI章 腹腔疾患
1.特発性細菌性腹膜炎
[治療と予防編]
第XII章 薬物治療
1.ウイルス性肝炎に対する薬物治療:抗ウイルス薬
2.慢性肝疾患に対する肝庇護療法
3.分岐鎖アミノ酸療法
4.ステロイド治療・免疫抑制薬治療
5.分子標的治療薬
6.癌免疫療法
7.瀉血療法
8.予防薬
a.肝炎ワクチン(A型、B型、E型)
b.免疫グロブリン製剤
c.発癌予防薬
第XIII章 栄養療法
1.肝硬変に対する栄養療法
a.非蛋白呼吸商(npRQ)
b.就寝前補食(LES)
c.分割食
2.C型肝炎に対する鉄制限食
第XIV章 肝・胆道の特殊治療
1.経皮経肝胆管ドレナージ(PTBD)、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)
2.経皮的膿瘍ドレナージ
3.肝動脈化学療法(TAI)、肝動脈塞栓療法(TAE)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)
4.動注化学療法
5.経皮的エタノール注入(PEI)
6.経皮的マイクロ波凝固療法
7.ラジオ波焼灼(凝固)療法(RFA)
8.内視鏡的治療手技(EST、EPBD、EBD、ENBD)
9.血漿交換、血液濾過透析療法
10.放射線療法
第XV章 門脈圧亢進症の治療
1.食道(胃)バルーンタンポナーデによる止血
2.食道(胃)静脈瘤硬化療法(EIS)
3.内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL)
4.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B−RTO)
5.経皮経肝的門脈塞栓術(PTO)
6.経頸静脈的肝内門脈大循環シャント術(TIPS)
7.経皮的シャント塞栓術
8.部分的脾動脈塞栓術・脾摘
第XVI章 肝性脳症の治療
1.肝性脳症の治療
第XVII章 肝移植
1.肝移植後の合併症
2.肝移植後の抗ウイルス療法
[行政と肝疾患診療編]
第XVIII章 肝疾患診療に関する病診連携
1.肝疾患診療連携拠点病院ならびに肝疾患診療連携ネットワーク
2.肝疾患治療パス
第XIX章 肝疾患診療に関連する法律、制度
1.B型肝炎母子感染防止対策
2.肝炎対策基本法
3.肝炎治療特別促進事業(医療費助成制度)
4.改正臓器移植法
5.身体障害者福祉法
第XX章 感染症法
1.感染症法
肝臓専門医研修カリキュラム
索引
日本肝臓学会の専門医制度は1988年(昭和63年)に発足し、会員約11,000名のうち約5,100名がすでに専門医の資格を取得しており、毎年約400名程度新規の専門医が認定されています。日本肝臓学会専門医制度は、他の学会の専門医制度と同様、専門医の認定とそれに関連する認定施設および関連施設の認定によって支えられており、専門医の取得に際しては、認定施設や関連施設での研修カリキュラムにのっとって研修し、専門医試験に合格することが必要です。日本肝臓学会の研修カリキュラムは、2012年4月に7年ぶりに大幅に改訂されました。これを機会に、日本肝臓学会では、井廻道夫前理事長の頃から企画が進んでいました「肝臓専門医テキスト」を、小池和彦理事長の指導の下、新しい研修カリキュラムに沿った形で発刊することになりました。新カリキュラムは、肝疾患の病態解明の進歩によって明らかになったB型肝炎ウイルスの再活性化などの新しい概念や、ウイルス肝炎の治療の進歩およびそれと関連するウイルス因子や宿主因子などが大きく改訂されています。また、全身疾患と肝臓、栄養療法も最近の進歩を取り入れたものになっています。さらに、国が肝炎に対する医療費助成を行い、積極的に肝炎対策を推進していることから、肝臓専門医として行政的な知識を必要となってきました。本テキストは、これらの改訂を踏まえて、基礎知識編、検査編、疾患編、治療と予防編、行政と肝疾患診療編の5編から構成されています。
本テキストは、まず、これから日本肝臓学会肝臓専門医を取得しようとする先生のテキストとして極めて有用です。また、すでに専門医の資格を取得している先生方にとっても大きく進歩した肝疾患の病態解明、診断および治療などを学ぶ際にも、有用なテキストに仕上がっていると思います。本書は、評議員を中心とする執筆していただいた先生方、および佐々木裕理事をはじめとした企画広報委員会委員の先生方のご尽力で作成されました。執筆していただいた先生方には臨床や研究でお忙しいなか、本テキストの目的を十分ご理解していただき、快く執筆していただき、本当にありがとうございました。また、企画広報委員を含む査読委員や役員の先生方も、肝臓専門医テキストという観点から査読していただき、目的に沿ったテキストが完成いたしました。心から感謝申し上げます。
2013年3月
一般社団法人日本肝臓学会 企画広報委員会委員長
坪内博仁