皮膚疾患最新の治療2017-2018
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 渡辺晋一/古川福実 |
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ISBN | : 978-4-524-25416-3 |
発行年月 | : 2017年1月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 316 |
在庫
定価9,020円(本体8,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
- 書評
各疾患の基本的治療方針、処方の実際から生活指導までを具体的に記し、最新の知見、治療にかかわるトピックスをわかりやすく紹介・解説。巻末には薬剤・治療手技一覧を収載。巻頭トピックスは「ヒドロキシクロロキン製剤による皮膚ループスエリテマトーデスの適正使用の手引き」「保育所・学校における感染症」のほか、各種「診療ガイドラインの検証」など注目度の高い内容を取り上げ掲載。
巻頭トピックス
1 ヒドロキシクロロキン製剤による皮膚ループスエリテマトーデスの適正使用の手引き
2 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」の検証
3 「原発性局所多汗症診療ガイドライン」の検証
4 「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」の検証
5 「日本の天疱瘡診療ガイドライン」の検証
6 「眼皮膚白皮症診療ガイドライン」の検証
7 「色素性乾皮症診療ガイドライン」の検証
8 「血管腫・血管奇形診療ガイドライン」の検証
9 保育所・学校における感染症
I 湿疹,皮膚炎
1 アトピー性皮膚炎
2 接触皮膚炎
3 貨幣状湿疹,自家感作性皮膚炎
4 手湿疹
5 異汗性湿疹,汗疱
6 乾皮症,皮脂欠乏性皮膚炎
7 脂漏性皮膚炎
8 慢性単純性苔癬
II 蕁麻疹,痒疹類
1 蕁麻疹
2 痒疹
3 色素性痒疹
III 皮膚掻痒症
1 皮膚掻痒症
IV 紅皮症
1 紅皮症
V 紅斑症
1 多形滲出性紅斑(多形紅斑)
2 環状紅斑
3 結節性紅斑
4 Sweet症候群
5 持久性隆起性紅斑
VI 紫斑,血管炎
1 紫斑
2 Raynaud現象
3 網状皮斑
4 Henoch-Schonlein紫斑(IgA血管炎)
5 慢性色素性紫斑
6 血栓性静脈炎
7 静脈瘤性症候群,うっ滞性皮膚炎
8 顕微鏡的多発血管炎
9 Buerger病,閉塞性動脈硬化症
10 結節性多発動脈炎
11 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症,多発血管炎性肉芽腫症
12 クリオグロブリン血症
VII 膠原病および類似疾患
1 全身性エリテマトーデス
2 慢性円板状エリテマトーデス
3 深在性エリテマトーデス
4 全身性強皮症
5 限局性強皮症
6 皮膚筋炎
7 混合性結合組織病
8 オーバーラップ症候群
9 Sjogren症候群
10 Behcet病
11 Weber-Christian病(再発性熱性結節性非化膿性脂肪織炎)
12 壊疽性膿皮症
VIII 薬疹
1 薬疹
2 Stevens-Johnson症候群
3 中毒性表皮壊死症
4 薬剤性過敏症症候群
IX 物理的・化学的皮膚障害
1 光接触皮膚炎
2 慢性光線性皮膚炎
3 種痘様水疱症
4 色素性乾皮症
5 熱傷
6 化学熱傷
7 凍瘡
8 褥瘡
X 肉芽腫
1 サルコイドーシス
2 環状肉芽腫
3 顔面播種状粟粒性狼瘡
4 リポイド類壊死症
XI 水疱瘡
1 天疱瘡
2 腫瘍随伴性天疱瘡
3 類天疱瘡
4 Duhring疱疹状皮膚炎
5 表皮水疱症
XII 膿疱症
1 掌蹠膿疱症
2 好酸球性膿疱性毛包炎
XIII 炎症性角化症
1 扁平苔癬
2 毛孔性紅色粃糠疹
3 汗孔角化症
4 乾癬
5 膿疱性乾癬,関節症性乾癬
6 滴状類乾癬
7 局面状類乾癬
8 Gibertばら色粃糠疹
XIV 角化症
1 魚鱗癬
2 掌蹠角化症
3 毛孔性苔癬,顔面毛包性紅斑黒皮症
4 Darier病,Hailey-Hailey病
5 鶏眼(うおのめ),胼胝(たこ)
XV 代謝異常症
1 黄色腫
2 ムチン沈着症
3 ポルフィリン症
4 アミロイドーシス
5 痛風
6 弾力線維性仮性黄色腫
XVI 感染症
A 細菌
1 伝染性膿痂疹
2 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
3 丹毒
4 せつ,癰
5 多発性汗腺膿瘍
6 壊死性筋膜炎,ガス壊疽
7 皮膚結核
8 Hansen病
9 非結核性抗酸菌症
10 放線菌症,ノカルディア症
11 紅色陰癬,黄菌毛
12 梅毒
B ウイルス
1 単純疱疹
2 水痘
3 帯状疱疹
4 疣贅
5 伝染性軟属腫
6 手足口病
7 伝染性紅斑(ヒトパルボウイルスB19感染症)
8 麻疹
9 風疹
10 伝染性単核症
11 Gianotti病,Gianotti-Crosti症候群
12 HIV感染症,AIDS
C 真菌
1 白癬
2 癜風
3 皮膚・粘膜カンジダ症
4 スポロトリコーシス
5 黒色真菌症
D リケッチア,寄生虫
1 ツツガムシ病,日本紅斑熱
2 ライム病
3 疥癬
4 シラミ症
5 クリーピング病
6 虫刺症
XVII 腫瘍性疾患
A 上皮性腫瘍
1 扁平上皮癌(有棘細胞癌)
2 基底細胞癌
3 Paget病
4 Bowen病
5 日光角化症
6 白板症(ロイコプラキー)
B 非上皮性腫瘍
1 悪性黒色腫
2 血管肉腫
C リンパ腫
1 皮膚T細胞リンパ腫
2 成人T細胞白血病/リンパ腫
3 CD30陽性リンパ増殖症
4 NK細胞増殖症
5 偽リンパ腫
D その他
1 Langerhans細胞組織球症
2 色素性蕁麻疹
3 ケロイド,肥厚性瘢痕
4 粉瘤
XVIII 色素異常,母斑症
1 肝斑
2 尋常性白斑
3 太田母斑
4 扁平母斑,カフェオレ斑
5 von Recklinghausen病
6 母斑細胞母斑
7 血管腫,リンパ管腫
XIX 皮膚付属器病変
1 ざ瘡
2 集簇性ざ瘡
3 汗疹
4 酒さ
5 酒さ様皮膚炎
6 円形脱毛症
7 男性型脱毛症
8 トリコチロマニア
9 爪疾患
XX 口唇および口腔疾患
1 口唇炎
2 口角炎
付録 薬剤・治療手技一覧表
I 皮膚科用剤一覧
1 副腎皮質ステロイド
2 免疫調整外用薬
3 非ステロイド抗炎症薬
4 抗疼痛薬
5 抗アレルギー薬
6 抗ヒスタミン薬
7 乾癬および角化症治療薬
8 抗菌薬
9 抗真菌薬
10 抗ウイルス薬
11 疥癬治療薬
12 褥瘡・皮膚潰瘍治療薬
13 漢方薬
14 医用スキンケア外用薬
15 Hansen病治療薬
16 抗結核薬
17 白斑治療薬
18 脱毛・白斑治療薬
19 鶏眼治療薬
20 ざ瘡治療薬
21 抗悪性腫瘍薬
22 サンスクリーン剤
II 皮膚レーザー治療
1 現在発売されている主なレーザー装置
2 皮膚科領域のレーザー治療
III 紫外線治療
1 適応症
2 PUVA療法比較表
3 UVB療法比較表
4 紫外線照射器一覧
索引
序文
『皮膚疾患最新の治療』は、2年ごとに内容の見直しと執筆者の交代を行い、この度16巻目にあたる『皮膚疾患最新の治療2017-2018』を刊行することとなった。
最新かつ実践的な情報を発信するという編集コンセプトは、これまで同様、今回も堅持している。まず、本書の目次を一読すれば、日常診療で遭遇する機会の多い皮膚科疾患・皮膚病変を、疾患群ごとに章立て・項目立てし、コンパクトな分量のなかで扱っていることが理解いただけるものと思う。また、各論の記載では、治療を中心に置きつつ、「治療に繋がる診断と検査」、「治療の一般方針とその実際」、「具体的な処方例」に加え、「生活指導の要点」までを、統一的な記述スタイルで解説している。さらに、最新の知見・話題を「トピックス」として、また、エキスパートによる治療のコツ、知っておきたいワンポイントはそれぞれ「治療の奥の手」「役に立つ豆知識」として、情報をコンパクトに凝縮し、数多く盛り込んでいる。こうしたコンセプトと編集スタイルが広く読者の支持を得て、本書を活用いただいているものと思う。
本書の構成は疾患別が基本であるが、「巻頭トピックス」では毎回注目のテーマを取り上げている。今版では近年大きな進歩を遂げ、先生方の関心も高いテーマを中心に、「ヒドロキシクロロキン製剤による皮膚ループスエリテマトーデスの適正使用の手引き」「保育所・学校における感染症」では、新規薬剤、各治療法のトピックに加え、実際的な使い方と今後の方向性を示唆する内容に富んだ解説となっている。また、「『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』の検証」「『原発性局所多汗症診療ガイドライン』の検証」「『皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン』の検証」「『日本の天疱瘡診療ガイドライン』の検証」「『眼皮膚白皮症診療ガイドライン』の検証」「『色素性乾皮症診療ガイドライン』の検証」「『血管腫・血管奇形診療ガイドライン』の検証」は、周辺領域も含めた最新のエビデンスを要覧できるものとなっており、疾患別の解説とは別のアプローチで、有用な情報を記載している。
なお、「VI章-10。結節性多発動脈炎」をご執筆された長崎大学皮膚病態学教授の宇谷厚志先生が本書の編纂中に急逝された。ここに謹んで哀悼の意を表すとともに、本書をささげる次第である。
本書が皮膚科臨床医の先生方の座右の一冊としてお役に立てれば幸甚である。
2016年12月
編者
医学における近年の治療の進歩には驚くべきものがあり、このことは皮膚科領域においても例外ではない。診療に携わる医師は、したがって、常に最新の情報を入手しつつ、日々の診療に対処していくことが求められる。本書は2年ごとに内容を見直し、改訂を繰り返しながら現在にいたっているこの分野では定評のある治療ガイドブックであるが、今回も適切に選定された執筆者による、簡潔かつ時宜にかなった記載は、よくその期待に応えている。
最新の治療と銘打つからにはアップデートなものでなくてはならない。本書の冒頭にトピックスとして並べられている各種ガイドラインの検証は、これらのガイドラインが日本皮膚科学会主導で、新規に、また矢継ぎ早に改訂を繰り返しながら公表されている昨今の状況では、きわめて重要な情報源であり、エビデンスのある治療は何かという点についての基礎資料となっている。同じく冒頭トピックスにおかれたヒドロキシクロロキンについても、本剤が、編集にあたった古川名誉教授をはじめとする関係者の努力で、わが国でもループスエリテマトーデスの、とくに皮膚病変に対する有力な治療選択肢になったことは誠に喜ばしいことではあるが、ここから先はスペシャリストとしての皮膚科医の責任であり、使用にあたっては当該項目の記載を熟読し、注意点、副作用を忘れることなく臨床応用していくことが求められる。
疾患の病態における概念はそう大きく変動するものではないが、治療についてはこれからも頻繁に、場合によっては大幅な変更を加えながら、改訂されていくことが予想される。さらに近年では、とくに慢性の皮膚疾患における、患者QOL評価と治療満足度を考慮に入れた対処が求められる時代になっており、われわれ皮膚科医は現在の日常診療に安住することなく、常に最新の情報に注意を払いつつ診療にあたる必要があるだろう。これは、皮膚病変というものが、医師のみならず、患者さんにもみえてしまうものであり、治療が適切かどうかが、双方にわかってしまうこととも関連している。正しい治療は現実に認識され、評価されてしまうのである。
治療ガイドブックは、新しさこそが命である。同時に、皮膚科領域においても、アレルギー、感染症、乾癬、膠原病、腫瘍、等々、サブスペシャルティに該当するものが続々と確立されつつある。個人としての皮膚科医は、おそらく、自分に欠けている部分を精読することにより、異なった領域の進歩を確認できるはずで、そのことこそが本書の最大の眼目であり、強く推薦する所以である。
臨床雑誌内科120巻6号(2017年12月号)より転載
評者●旭川医科大学名誉教授・廣仁会札幌乾癬研究所所長 飯塚一