書籍

こうすれば必ず通過する!PCI医必携ガイドワイヤー“秘伝”テクニック

編集 : 村松俊哉
ISBN : 978-4-524-25155-1
発行年月 : 2018年2月
判型 : B5
ページ数 : 294

在庫あり

定価8,964円(本体8,300円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

PCIにおけるガイドワイヤーの知識とその操作法について、エキスパートがその経験をもとに解説。PCI初級者・中級者・上級者のレベルごとに、様々な病変やそれに合ったガイドワイヤーの選択、実際の操作法、合併症への対応などを要点を押さえて詳述している。あらゆるPCI医のさらなる上達を目指した“秘伝”の一冊。

1章 ガイドワイヤーとは
 1.ガイドワイヤーの基本構造
 2.ガイドワイヤー選択の原則
 3.コイル系ガイドワイヤー
 4.ポリマージャケット系ガイドワイヤー
 5.Gaiaガイドワイヤー
 6.スティッフ系ガイドワイヤー
2章 ガイドワイヤー操作法 初心者編
 1.タイプA病変に対する基本ガイドワイヤー選択
 2.ガイドワイヤーの持ち方
 3.シェーピング方法,トルクデバイス
 4.ガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
 5.ガイドワイヤー通過後の保持,注意点
3章 ガイドワイヤー操作法 中級者編
 1.分岐部病変
  a.ガイドワイヤー選択
  b.側枝を取る際のガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
  c.角度の強い側枝へのアプローチ法
  d.Crusade,Sasukeカテーテル併用時のガイドワイヤー操作法
  e.ステントストラット越えのガイドワイヤー操作法
  f.jailしたガイドワイヤーの取り扱い法
 2.屈曲病変
  a.ガイドワイヤー選択
  b.屈曲部のガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
  c.強い屈曲を乗り越えるガイドワイヤー操作のコツ
  d.reverse wire法
 3.入口部病変
  a.ガイドワイヤー選択
  b.入口部のガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
 4.びまん性病変
  a.ガイドワイヤー選択
  b.びまん性病変のガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
 5.血栓性病変
  a.ガイドワイヤー選択
  b.血栓性病変(急性心筋梗塞)のガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
  c.フィルターデバイスの操作法
 6.TRI
  a.TRIからのガイドワイヤー操作法
  b.バックアップが十分にない状態でのガイドワイヤー操作のコツ
 7.プレッシャーガイドワイヤー
  a.プレッシャーガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
  b.プレッシャーガイドワイヤー測定の適切なポジショニング
4章 ガイドワイヤー操作法 上級者編
 1.左主幹部
  a.KBTに至るガイドワイヤーの操作法,交換法
  b.回旋枝が消失した際のガイドワイヤーリクロス法
 2.石灰化病変
  a.石灰化病変のガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
  b.ローターワイヤーの交換法,操作法
  c.ローターワイヤーの使い分け
 3.完全閉塞病変:Antegrade
  a.CTOガイドワイヤーの動かし方(回し方,進め方)
  b.テーパードガイドワイヤー
  c.Gaiaガイドワイヤー
  d.Conquestガイドワイヤー
  e.パラレルワイヤー法のテクニック
  f.3Dワイヤリング法
 4.完全閉塞病変:Retrograde
  a.チャンネルトラッキングワイヤーの動かし方(回し方,進め方)と注意点
   1)septal channel
   2)epicardial channel
   3)SIONガイドワイヤー
   4)SION blackガイドワイヤー
   5)XT-Rガイドワイヤー
   6)SUOH03ガイドワイヤー
  b.RetrogradeからのCTOトラッキングワイヤーの動かし方(回し方,進め方)と注意点
   1)Gaiaガイドワイヤー
   2)ULTIMATE brosガイドワイヤー
   3)Conquestガイドワイヤー
   4)ナックルワイヤーテクニック
   5)reverse CART時のガイドワイヤー操作法
   6)contemporary reverse CART
   7)externalizationの方法,注意点
   8)Rendezvous法
   9)スネア活用法
5章 ガイドワイヤー合併症
 1.偽腔迷入したときの感触,脱出法
 2.ガイドワイヤー抜去困難
 3.ガイドワイヤー断裂
 4.ガイドワイヤー本幹穿孔
 5.ガイドワイヤーチャンネル穿孔
索引

序文

 さて、ガイドワイヤー操作である。駆け出しのころ、自分で通過できなかった複雑病変や冠動脈解離に、交代した上級の医師がいとも簡単に(見える)ガイドワイヤーを通過させるのを目の当たりにした経験は誰もが持っていると思う。患者さんに迷惑をかけずにすんだ安堵感と同時に、いつか自分もそのような技術を習得したいと思った記憶は鮮明に残っている。どのようにすれば、そのような技術を習得できるのか? おそらく、カテーテルインターベンションに携わる医師ならば誰でもが抱く永遠の課題であろう。
 ガイドワイヤー操作の上達には、「考える」「記憶する」「創造する」ことが重要である。ガイドワイヤー操作のしやすい画像描出はどうすれば良いか? 病変に適したガイドワイヤーは何か? シェーピングはどれくらいか? 回転と直進のバランスはどうとるか? 1:1トルクを実現するためのバックアップはどうとるか? 無限に「考える」ことである。カテーテル前のカンファレンスはどこでも行うが、より重要なのはその後の自分へのフィードバックである。病変を越えたときのガイドワイヤー操作は自分の思い通りだったか? 難しい局面を越えたときのガイドワイヤー操作のディティールはどうだったのか? その感触は? 回転は? 推進力は? それらを脳髄に「記憶する」のである。そして、それを自分の引き出しにしていく。さらに、自分のガイドワイヤー操作技術と病変との兼ね合いを創造(想像)しなければならない。自分の技量も変わるし(通常は少しずつ上達する)、病変(相手)は1つとして同じものはない。自分の技量で越えられない病変と無理に対決し、引き出しなしに挑んではならない。しかるに、それを補うのは正しく豊かな「創造力」である。
 近年では、ガイドワイヤーの開発も目覚ましく、多種類の優れたガイドワイヤーが上市されている。これらのガイドワイヤーの特性を理解し、適切な病変に使いこなしてこそ、インターベンションのプロといえる。
 本書では、本邦を代表するインターベンションのプロにガイドワイヤーの特性とその操作法を詳しく解説していただいた。まずは、ガイドワイヤーの特性と操作法を理解し、手技にあたることで、習得の度合いは格段に違ってくる。後は、日々の症例の積み重ねとフィードバックで一段ずつ階段を登っていくしかない。その階段は永遠に続く終わりのない階段であるが、ていねいに登っていけばいつの日か見たことのないような景色が見えるだろう。本書が、本邦の若手インターベンション医師に高みを目指してもらう一助となれば本望である。

2018年2月
村松俊哉

 経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI)に関する書籍は近年多く出版されているが、ガイドワイヤーおよびそのテクニックに特化した書籍は非常に少ない。一方で、PCIを行う循環器内科医にとって、ガイドワイヤーの操作方法というのは最も関心が高い分野かもしれない。筆者もPCIを習いたての頃に、ガイドカテーテルが挿入できずに上級医に交代になってもあまり悔しくなかったが、ガイドワイヤーが思ったように操作できずに上級医に交代となるとなぜか悔しかったことを記憶している。本書はその、最も関心の高い分野に対してさまざまな角度から国内の一流の術者の先生方が執筆されている。最初に総論的な「ガイドワイヤーとは」という章から始まるが、ここにガイドワイヤーの基本構造や選択の原則といった、基本ではあるものの今まであまり体系的に学ぶ機会の少なかったことがテンポよく解説されている。ガイドワイヤーの持ち方という基本的な部分においても、単にガイドワイヤー挿入時の持ち方だけでなく、通常の書籍ではあまり解説されることのないバルーンカテーテル挿入時のワイヤーの持ち方や、バルーンカテーテル回収時のワイヤーの持ち方といった部分まで丁寧に解説されており、これからPCIを始める先生にはきわめて有用である。興味深いのは、ガイドワイヤーの操作方法を初心者編、中級者編、上級者編に分けて執筆されていることである。初心者の先生は入門書として本書を活用することができるし、また、初心者の先生にとって中級・上級者の先生方がどのようにガイドワイヤーの操作を考えているのかを知ることはとても興味深いのではないかと思う。とりわけ、慢性完全閉塞病変に対するガイドワイヤーの選択などを初心者、中級者の先生が勉強しておくことで、上級者の先生が慢性完全閉塞の手技をされている間に何を考えているのかを知ることができるようになるだろうし、長い手技の助手も苦にならなくなるかもしれない(?)。
 本書の構成上の特徴としては、技術書として重要な、実際の血管造影写真やポイントをわかりやすく解説したシェーマが多いことがあげられる。最近はアンギオ装置の撮影モードだけでなく、透視保存が広く活用されているためか、病変通過中のガイドワイヤーの方向や先端カーブの向きなども実際の写真として提示されているため、ガイドワイヤー操作における細かいコツなどを読み取りやすい。また、各項目で短くまとめられている「秘伝テクニック」が非常にわかりやすい。たとえば、書店で本書を手にとった先生はこの「秘伝テクニック」を流し読むだけでも、本書がとてもユニークで熟読する価値のあることがわかると思う。これからPCIを始める初心者、すでに症例をたくさんこなしている中級者、慢性完全閉塞を日々治療している上級者、すなわちすべてのPCI術者にとって本書は必読の一冊と考える。

臨床雑誌内科122巻4号(2018年10月号)より転載
評者●自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科 准教授 坂倉建一

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