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メディカルスタッフのための栄養療法ハンドブック改訂第2版

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 佐々木雅也
ISBN : 978-4-524-24672-4
発行年月 : 2019年2月
判型 : B6変型
ページ数 : 314

在庫なし

定価3,080円(本体2,800円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

臨床栄養に必要な知識・データをポケットサイズに凝縮。今改訂では、各種ガイドラインや経腸栄養剤等の最新知見を反映した。解剖・生理、代謝、各種栄養素、アセスメント等をコンパクトに解説した「準備編」、現場で必要となる経腸・静脈栄養、病態栄養等を網羅した「実践編」の二部構成とし、巻末付録には輸液一覧表、各種評価ツール、食事摂取基準を掲載。チーム医療に携わる全スタッフで共有すべき情報を簡潔にまとめた充実の一冊。

準備編
 I 解剖・生理
  1.口腔・食道の解剖と摂食・嚥下の流れ
  2.口腔・咽頭の知覚神経支配と唾液分泌
  3.消化管の解剖
  4.各種栄養素の吸収部位
  5.主な消化管ホルモンと生理作用
  6.栄養素の消化過程と消化酵素
  7.便秘の病態と原因疾患
  8.下痢の病態と原因疾患
  9.嘔吐の病態と原因疾患
 II 三大栄養素の代謝と機能
  1.糖質の働きと代謝
  2.アミノ酸・たんぱく質の働きと代謝
  3.脂質の働きと代謝
  4.多価不飽和脂肪酸の代謝
 III ビタミン・微量元素
  1.水溶性ビタミンの作用および欠乏症
  2.脂溶性ビタミンの作用および欠乏症と過剰症
  3.微量元素の生体内機能および欠乏症と過剰症
 IV 生体の水分・電解質(組成)
  1.身体の構成比率
  2.体液区分と電解質組成
  3.体液分布割合の変化
  4.電解質の主な役割
  5.消化液の電解質組成
  6.生体内の水分平衡
 V 飢餓と侵襲・悪液質
  1.飢餓に対するエネルギー代謝の変動
  2.侵襲後の経過と尿中窒素排泄量
  3.侵襲時の臓器間代謝と各種ホルモンの作用
  4.悪液質と炎症性サイトカイン
 VI スクリーニングとアセスメント
  1.除脂肪量(LBM)の減少と窒素死(nitrogen death)
  2.栄養不良の分類とパラメータの変化
  3.栄養アセスメントの流れ
  4.栄養スクリーニングとアセスメントの方法
  5.SGA
  6.MNAR
  7.MUST
  8.NRS 2002
  9.CONUT
  10.PG-SGA
  11.BMIと体重変化率による評価
  12.栄養パラメータ
  13.人体の構成成分からみた栄養アセスメントの指標
  14.上腕周囲および上腕筋囲
  15.血液・生化学評価項目と判定基準
  16.アルブミンの体内動態
  17.栄養指標となる血清たんぱくの種類と特徴
  18.アルブミンとRTPを組み合わせた評価
  19.窒素バランスの算出法
  20.エネルギー消費量の算出
  21.エネルギー必要量の算出
  22.簡易式による疾患別標準体重あたりのエネルギー必要量
  23.たんぱく質必要量基準
  24.水分必要量
実践編
 I 各種栄養療法とその選択
  1.栄養療法のdecision tree
  2.経腸栄養法が適応となる疾患
  3.主な栄養法の比較
 II 経腸栄養法
  A 経腸栄養法の適応と禁忌−経腸栄養の禁忌
  B 投与経路−経腸栄養のアクセス
  C 投与方法−PEGのデバイス
  D 経腸栄養剤
   1.経腸栄養剤の分類と種類
   2.成分栄養剤の組成
   3.消化態栄養剤・消化態流動食の組成
   4.医薬品の半消化態栄養剤の組成
   5.特殊な病態に用いる経腸栄養剤
   6.経腸栄養ルートと投与方法・速度
   7.持続投与・間欠的投与プロトコル
   8.ギャッジアップの体位・角度
  E 各種病態における経腸栄養剤の選択
   1.経管栄養法における各種デバイス
   2.Crohn病
   3.免疫賦活経腸栄養剤,免疫調整型経腸栄養剤
   4.COPD(慢性閉塞性肺疾患)
   5.急性膵炎・早期経腸栄養
   6.肝硬変
   7.腎不全
   8.耐糖能異常
   9.心不全
   10.下痢・便秘
   11.小児
  F 合併症とその対策
   1.経腸栄養の機械的合併症
   2.経腸栄養に起因する消化器系合併症と要因
   3.経腸栄養剤の浸透圧
   4.経腸栄養に起因する消化器系合併症と対策
   5.経腸栄養に起因する代謝性合併症とモニタリング項目
   6.経腸栄養に起因する代謝性合併症と対策
   7.主な半固形状流動食
   8.粘度可変型流動食
   9.プロバイオティクス,プレバイオティクス,シンバイオティクスの効果
 III 静脈栄養法
  A 静脈栄養法の適応と禁忌
   1.末梢静脈栄養法の主な適応
   2.中心静脈栄養法の適応
  B 投与経路
   1.中心静脈栄養法で用いられる血管と選択基準
   2.中心静脈カテーテルの比較
  C 静脈栄養法の合併症
   1.中心静脈栄養法施行時にみられる合併症
   2.カテーテル関連血流感染症の原因菌の侵入経路
  D 静脈栄養剤
   1.輸液療法の目的
   2.輸液の種類
   3.細胞外液補充液
   4.低張電解質輸液(1)−維持液
   5.低張電解質輸液(2)−開始液・脱水補給液・術後回復液・その他
   6.糖質輸液
   7.脂肪乳剤
   8.アミノ酸輸液
   9.末梢静脈栄養輸液
   10.高カロリー輸液キット製剤(1)
   11.高カロリー輸液キット製剤(2)
   12.高カロリー輸液キット製剤(3)
   13.高カロリー輸液キット製剤(4)
   14.高カロリー輸液キット製剤(5)
   15.高カロリー輸液用総合ビタミン製剤
   16.キット製剤に含まれるビタミン配合量
   17.高カロリー輸液用微量元素製剤
  E 静脈栄養法のピットフォール
   1.輸液の投与速度
   2.中心静脈栄養管理におけるブドウ糖の投与速度
   3.脂肪乳剤の投与速度と必須脂肪酸欠乏
   4.病態に応じたNPC/N比の調整
   5.乳酸アシドーシスとビタミンB1
  F 静脈栄養法と医薬品
   1.pH変化による配合変化に注意が必要な薬剤
   2.輸液フィルターと相互作用
  G 静脈栄養法の処方設計
   1.高血糖
   2.侵襲期
   3.腎不全期
   4.小児
   5.キット製剤が使用できない症例
 IV 病態別の栄養療法
  A 肝疾患
   1.劇症肝炎
   2.慢性肝炎(C型慢性肝炎)
   3.肝硬変
   4.脂肪肝(過栄養性脂肪肝)
  B 膵疾患,
   1.急性膵炎
   2.慢性膵炎
  C 腸疾患
  D 短腸症候群
  E 肥満症
  F 糖尿病
  G 腎疾患
   1.急性腎障害
   2.慢性腎臓病
   3.腎代替療法(透析)
  H がん
  I 周術期
  J 重症病態
  K 呼吸器疾患(COPD)
  L 心疾患
  M 神経性やせ症
  N 脳血管疾患
  O 摂食・嚥下障害
  P 褥瘡
  Q サルコペニア
  R 高齢者
 V 小児に対する栄養療法
  1.小児の体液構成・水分所要量・電解質
  2.小児の簡易推定エネルギー・たんぱく質必要量
  3.小児の簡易推定脂質・糖質必要量
  4.小児の食事摂取基準
付録
 I 嚥下機能の評価
 II 食事摂取基準
 III 在宅栄養療法
 IV 経管栄養不適薬品
 V DESIGN-RR(褥瘡経過評価用)
 VI 経腸栄養剤一覧
事項索引
輸液・栄養剤索引

改訂第2版の序

 栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)は、すでに全国1,600以上の病院で稼動し、組織横断的な活動が展開されています。また、病棟担当栄養士はそれぞれの受け持ちの病棟の入院患者さんの栄養管理に従事し、病棟担当薬剤師は輸液管理や静脈栄養のマネジメントに携わっています。2014年3月に刊行した『メディカルスタッフのための栄養療法ハンドブック』は、NST回診の際やベッドサイドでの栄養管理、さらには在宅での栄養管理にもご活用いただきました。ポケット版で、白衣などにも入れることができ、持ち歩きにも便利であったと思います。またハンドブックでありながら、成書に匹敵するような豊富な内容が項目別に網羅されていると好評でありました。NSTや管理栄養士だけでなく、医師、薬剤師、看護師など、多くの職種の先生方のお役に立てていただきました。
 本書の刊行から5年が経過し、その間、静脈栄養では末梢静脈挿入型のカテーテル(PICC)が普及、特定行為研修を修了した看護師がPICCを挿入する施設も増えています。新しい静脈栄養剤や経腸栄養剤も市販されるようになりました。炎症性腸疾患や急性膵炎、あるいは慢性閉塞性肺疾患や心不全など、多くの疾患で診療ガイドラインが一新されました。そこで、このたび最新の内容に書き改めた本書の第2版を刊行させていただくこととなりました。初版と同様に、各頁に図表を挿入し、それに解説を箇条書きで加える形式にしております。また原則として、各項目は1頁に収め、なるべく実践的な内容にまとめました。
 病院での栄養管理に、そして在宅での栄養管理にと、広くご使用いただける一書に仕上がりました。常に手元にお持ちいただき、ご活用いただければ幸いです。

2019年1月
佐々木雅也

9784524246724