運動器スポーツ外傷・障害の保存療法 体幹
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

整形外科医をはじめとしたスポーツ関連医療スタッフを対象に、スポーツ外傷・障害の保存療法についての最新の知識を提供し、その具体的方法と進歩をビジュアルな紙面で解説するシリーズ(全3巻)。難治化しやすく、保存療法の種類が多くて複雑な体幹部の外傷・障害について、指導が難しい運動療法を写真で細かく解説し、物理・装具療法の気づきにくいポイント、最近のトピックであるPRPや体外衝撃波治療のポイントから最新の実績まで網羅している。
1 疫学
2 保存療法に必要な機能解剖とバイオメカニクス
3 各種保存療法の基礎知識
1.運動療法
2.装具療法
3.多血小板血漿(PRP)
4.各種ブロック療法(神経根・椎間板・椎間関節・分離部)
4 疾患別保存療法
1.頚椎
A.頚椎捻挫
B.Burner症候群
C.頚椎脱臼骨折,頚髄損傷
D.一過性四肢麻痺
2.胸郭(肋骨・鎖骨)
A.胸郭出口症候群
B.鎖骨・肋骨疲労骨折
3.腰椎
A.腰椎分離症(分離すべり症)
B.腰椎椎間板ヘルニア
C.椎体終板変性
D.筋筋膜性腰痛
E.椎間関節性腰痛
F.非特異的腰痛
G.仙腸関節障害
索引
序文
この度、「運動器スポーツ外傷・障害の保存療法」体幹編を編集させていただいた。体幹スポーツ障害の種類は多岐に及ぶが、その多くに保存療法が奏功し、手術を必要とすることは少ない。私見であるが90%以上が保存療法で完治し、手術を必要とする症例は10%以下と感じている。したがって、アスリートの診療に携わるスポーツドクター・メディカルスタッフは保存療法に精通してなければならない。
保存療法には、ドクターが行う治療法に加え、理学療法士やトレーナーが行う運動療法がある。スポーツドクターが局所の治療を行い障害の治癒を導く。さらに理学療法士により損なわれた機能を100%に持っていく。そしてトレーナーに引き継ぎ、様々な理論を駆使し、再発防止を念頭に全身を100%を超える状態に引き上げる。体幹のスポーツ障害に対する保存療法は、まさにチームワークによりはじめて成功に導くことができる。
本書ではまず、保存療法をより良く理解するために、疫学とバイオメカニクスを解説していただいた。次に、体幹の保存療法の武器となる、運動療法、装具療法、ブロック療法に加え、最先端の手法としてPRPを取り上げた。そして、各種疾患への応用とつながる。
執筆者は、いずれもスポーツ医科学の最前線で活躍している、日本を代表する方々である。多くはスポーツドクターであるが、理学療法士とトレーナーにも参画賜った。ドクター視点に加え、セラピスト・トレーナー視点も加わった濃厚な内容となった。校正刷りを通読し、期待を超える内容に安堵している。アスリート診療に携わるすべての方々に手にとって頂きたい。そして本書の理論に従いアスリート治療を行い、100%を超える復帰を可能として頂きたい。
最後に、現時点でのgold standardな情報そして、next decadesを先導するleading edgeな情報が満載の成書の編集に携わらせていただいたこと、福林徹先生に厚く御礼申し上げる。
2020年7月 コロナ収束を願い
徳島大学整形外科 西良浩一
早稲田大学スポーツ科学学術院 金岡恒治
