雑誌

別冊整形外科

No.55 創外固定の原理と応用

基礎から新しい臨床展開まで

編集 : 四宮謙一
ISBN : 978-4-524-27755-1
発行年月 : 2009年4月
判型 : A4
ページ数 : 250

在庫品切れ・重版未定

定価6,820円(本体6,200円 + 税)


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  • 主要目次
  • 序文

骨折・関節疾患の固定にとどまらず、近年発展が目覚ましい創外固定について、その基礎から新しい臨床展開まで多数の論文を収載する。第1部「総論」で原理および基本手技、また各固定法の特徴を解説し、第2部「各論」にて各部位・疾患への適応や治療成績をまとめる。長年の臨床経験で培った他の治療法との併用法や最新の機器の紹介を扱った論文なども掲載され、創外固定治療における必須の一冊といえる。

I.総論
 1.創外固定の発展の歴史
   ●創外固定の発展段階における歴史的概要
   ●前田式骨折接合器
 2.創外固定の原理(基礎)
   ●創外固定法の基礎
 3.創外固定の原理(臨床)
  1)固定術の基本
   ●固定法としての創外固定器の原理と汎用性
  2)骨延長術の基本
   ●河邨式脚延長術
  3)変形矯正の基本
   ●Ilizarov創外固定法を用いたcenter of rotation of angulation(CORA)法による変形矯正の基本
 4.各種創外固定法の特徴
  1)単支柱
   ●橈側刺入型ノンブリッジング創外固定器のバイオメカニクス
   ●片側仮骨延長法における創外固定ピンの至適刺入角度の検討
   ●単支柱型創外固定器を用いたcenter of rotation of angulation(CORA)法による変形矯正
  2)Ilizarov
   ●Definitive fixationとしてのIlizarov創外固定器の有用性
 5.新たな展開
  1)Taylor Spatial Frame
   ●Taylor Spatial Frameの基礎と実践
   ●高度リウマチ性後足部変形に対するTaylor Spatial Frameを用いた二期的手術治療
   ●Taylor Spatial Frameを用いた足部変形の治療
  2)AO
   ●AO型ピンレス創外固定法の原理と臨床
  3)その他
   ●創外固定器を用いた脚延長に対する低出力超音波パルスによる物理学的刺激の臨床応用
   ●最小侵襲プレート骨接合術を併用した下肢骨延長

II.各論
 1.新鮮骨折に対する適応と成績
   ●新鮮骨折に対する創外固定の適応および内固定との併用の有用性
   ●下肢開放骨折に対する創外固定の適応―早期コンバージョンをめざして
   ●Ilizarov創外固定器が有用であった両側〓骨天蓋粉砕骨折の一治験例
 2.遷延治癒および偽関節に対する適応と成績
   ●陳旧性前腕骨折に対する創外固定器の延長およびオフセット機構の応用
 3.骨折後変形治癒に対する適応と成績
   ●骨延長矯正時の経皮的骨切りガイドを用いた低侵襲骨切り術
   ●T-Garches創外固定器を用いた下肢変形矯正骨切り術の治療成績
   ●重度の足関節変形に対するIlizarov創外固定器を用いた二期的矯正術の試み
 4.腫瘍摘出後に対する適応と成績
   ●骨腫瘍における創外固定の応用
 5.骨髄炎に対する適応と成績
   ●骨髄炎に対するIlizarov創外固定法による治療経験
   ●Bone transport法を用いた感染性偽関節の治療成績
   ●長管骨の難治性骨関節感染症に対する創外固定を用いた治療戦略
 6.関節疾患に対する適応と成績
   ●島根大学式創外固定による変形性膝関節症の治療
 7.先天異常に対する適応と成績
   ●軽症型骨形成不全症患者の変形・脚長差に対する創外固定術併用の有用性
   ●先天性下腿偽関節症に対する血管柄付き腓骨移植後の仮骨延長の検討
 8.脊椎疾患に対する適応と成績
   ●脊椎疾患に対する創外固定の応用
 9.上肢(手)疾患に対する適応と成績
   ●上腕骨骨幹部骨折に対する創外固定法の有用性
   ●橈側刺入型ノンブリッジング創外固定器を利用した橈骨遠位端変形治癒骨折の治療
   ●Ilizarov minifixatorを用いた第一指間開大術
 10.骨盤損傷に対する適応と成績
   ●骨盤輪骨折に対する創外固定の適応と成績
   ●骨盤輪骨折に対する創外固定の治療
 11.足疾患に対する適応と成績
   ●ピロン骨折に対する創外固定法の有用性
 12.Bone transportの適応と成績(脚延長を含む)
   ●股関節疾患に対する脚延長器使用による人工股関節全置換術―延長の実際
 13.その他
   ●難治例に対する治療−Ilizarov法かマイクロサージャリー手技か

III.将来の展望
 1.軟部組織の延長の可能性(神経、靱帯、腱)
   ●Ilizarov法による軟部組織延長を用いた難治性足部変形の矯正術
 2.その他
   ●外傷治療におけるMRI対応創外固定器の有用性

近年、各種手術機器の発展は目を見張るものがあります。その中でも、最近の創外固定の進歩は整形外科診療において特筆すべき分野であると考えております。当初、創外固定は複雑骨折や骨髄炎などで内固定を用いることができない症例に対しての一つのオプションという位置づけでした。その後、偽関節や骨・軟部腫瘍切除後の骨欠損、先天性骨形成異常症に対する骨再生あるいは脚延長のために用いられるようになり、適応が広がりました。さらに最近では、一期的には対処することが不可能な各種四肢変形に対して、創外固定法でしかできない三次元矯正法の優れた臨床結果が徐々に報告されるようになりました。使用部位に関しても、当初は長管骨のみに用いられていましたが、関節、骨盤、脊椎、手指骨など広く利用されるようになり、さらに骨の矯正だけでなく軟部組織の延長・矯正にも用いられるようになりました。このような創外固定法の発展は、長年培ってきた基礎的研究と臨床経験の蓄積に加え、より新しい概念、あるいは斬新な機器の開発、材料の進歩によりはじめて達成できたと考えられます。そこで今回、急速に発展した創外固定法の現状を紹介すべく、「創外固定の原理と応用―基礎から新しい臨床展開まで」というテーマを企画いたしました。
 今回は41題の創外固定に関する貴重な経験や研究を投稿していただきました。その内容は、創外固定の歴史、各種創外固定法の原理、固定・延長・矯正の基本、各種疾患への適切な使用方法、今後の新しい臨床展開など、内容豊富であり、2009年現在の創外固定の現状をほぼ網羅した内容になったと思います。また、諸先生方には貴重なご経験をわかりやすく執筆していただいたために、読者にとっては大変に理解しやすく、明日からでも実際の臨床で創外固定を有効活用できるのではないかと考えております。
 今まで治療が困難であると考えていた症例に対して、本書が示した新たな創外固定の知識を用いることにより今までにない治療効果が得られるのであれば、編集者として望外の喜びです。最後に、ご多忙にもかかわらず、ご投稿いただいた先生方に心から深甚なる謝意を表します。
2009年3月
東京医科歯科大学教授
四宮謙一