書籍

がん病態栄養専門管理栄養士のためのがん栄養療法ガイドブック2019改訂第2版

編集 : 日本病態栄養学会
ISBN : 978-4-524-24628-1
発行年月 : 2019年1月
判型 : B5
ページ数 : 272

在庫あり

定価4,180円(本体3,800円 + 税)


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  • 主要目次
  • 序文

日本病態栄養学会による「がん病態栄養専門管理栄養士」認定試験テキスト。学会主催のセミナーで使用されており、試験範囲に準拠。がんの一般知識からがん患者に対する栄養管理・栄養療法、さらには論文の書き方までを分かりやすくまとめた。がん病態栄養専門管理栄養士の資格取得者や資格取得を目指す管理栄養士はもちろん、がん診療に携わる医師・看護師などにも役立つ一冊。

総論 がんの臨床に関する一般知識
 第1章 各種がんの疫学,臨床所見,診断,合併症,予後などの一般知識
  (1)成人のがん
  (2)食事・発がんリスクとがん予防
 第2章がん対策基本法とがん対策推進基本計画等政策について
 第3章 がん診療に必要な倫理的な事項
 第4章 外科治療,放射線治療,薬物療法の特徴と集学的治療
  (1)化学療法の栄養面でのかかわり
  (2)放射線療法における栄養の意義
  (3)腫瘍外科治療における栄養介入
  (4)造血幹細胞移植における栄養療法
  (5)がんに伴う栄養関連症候群に対する薬理学的な管理法
 第5章 がん治療法における副作用とその対応
 第6章 がんの栄養代謝
  (1)がんにおける糖質,脂質,蛋白質代謝
  (2)エネルギー・三大栄養素・微量栄養素・水の必要量
 第7章 栄養アセスメント・モニタリング:臨床腫瘍学における栄養スクリーニングとアセスメント
 第8章 がんの栄養療法
  (1)がんの栄養療法の概要
  (2)成人がん患者における経腸栄養
  (3)静脈栄養療法
   A.腫瘍内科学における静脈栄養療法
   B.腫瘍外科学における静脈栄養療法
  (4)栄養とがん生存者
 第9章 がん治療と代謝異常,その栄養管理
 第10章 がんの在宅ケアの動向:在宅栄養
 第11章 慢性期におけるがん患者の栄養管理
 第12章 緩和ケアにおける栄養管理
 第13章 腫瘍学における臨床研究
  (1)がん臨床試験の方法論と研究倫理
  (2)補完代替医療,サプリメント
  (3)がん臨床研究等の倫理指針
各論 各種がんの基礎知識と栄養管理
 第1章 食道,頭頸部がん:治療の基礎知識と栄養管理
 第2章 胃がんの栄養管理
 第3章 大腸がん:治療の基礎知識と栄養管理
 第4章 肝・胆・膵がん:治療の基礎知識と栄養管理
 第5章 乳がん:治療の基礎知識と栄養管理
 第6章 子宮頸がん,卵巣がん:治療の基礎知識と栄養管理
 第7章 血液がん:治療の基礎知識と栄養管理
追補
 (1)医学論文の書き方
 (2)がん病態栄養専門管理栄養士症例報告にあたって
編集者によるあとがき
索引

発刊にあたって

 我が国の3人に1人は「がん」に罹患し死因の第1位であり、さらに上昇傾向にあります。また我が国は世界で最も高齢化の進んだ国であり、担がん患者においても糖尿病や腎臓病、あるいはフレイル、サルコペニアの併発など複数の疾患を有することが多く、栄養管理は複雑化してきました。したがって、がんの栄養管理のみを行っても健康寿命が維持されないことが多く、併発する疾患とのなかで優先順位を考えた栄養管理を行わなければ、がんは抑制できても他疾患によって状態が重篤化することも考えられます。とくにがん治療においては、加齢のみならず腫瘍細胞を介した炎症性サイトカインや治療そのものの影響によって骨格筋量が減少する二次性サルコペニアを伴っている場合、手術や化学療法の有害事象が強く発現することが知られており、筋肉量の維持・改善は大変重要となります。がん治療が優先された結果、ADL低下をきたしQOLが低下しては本末転倒です。しかるに、我が国においては他疾患を併発する担がん患者における、栄養と二次性サルコペニアの関連に着目した診療は始まったばかりです。がん治療とともに併発疾患に鑑みた治療指針は多領域にまたがるため、日本医学会の後援のもと20の学術団体から構成された日本栄養療法協議会によって、栄養管理指針の標準化に向けた協議が進んでいます。がんの栄養療法は、手術や化学療法、放射線治療の支持療法として、きわめて重要視しなければなりません。
 本学会では、幅広い疾患栄養学に特化したエキスパートとして「病態栄養専門(認定)管理栄養士」を養成してきました。種々の疾患の栄養管理に精通する専門家が誕生しつつあります。そこで、これらの専門管理栄養士を対象に、さらなるがんの栄養療法の実践が行える高度な知識と技術を修得し、チーム医療で栄養療法についてのリーダーシップを発揮できる人材育成を目的とし、2013年度より「がん病態栄養専門管理栄養士」制度を開始しました。本制度は日本栄養士会との共同認定事業として行い、2018年までにがん診療拠点病院の約7割以上に配置されています。その活躍を表す論文数が増加するなか、第3期がん対策推進基本計画のなかに「がん病態栄養専門管理栄養士」の名称が盛り込まれるなど、近いうちに拠点病院すべてへの配置を考えており、ゆくゆくは診療報酬につなげていくことが望まれます。
 本書はがんにおける疫学と基礎医学、また科学的根拠に基づいた栄養療法の知識の整理や最新の知見を学べるよう集約したベストプラクティスです。がん病態栄養専門管理栄養士が、日常の臨床現場で活用いただくためのバイブルとなることを祈念します。

2019年初春
日本病態栄養学会
理事長 清野裕