書籍

なんで使うの? そのくすり

医師が考えるくすりの立ち位置

編集 : 村川裕二/高山和郎
ISBN : 978-4-524-22776-1
発行年月 : 2022年1月
判型 : B5
ページ数 : 350

在庫あり

定価4,180円(本体3,800円 + 税)


正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

薬剤師のギモン「医師は,なぜあの薬を処方するのか?」に答えるため,医師が108の薬の「基本の使い方」「気にする副作用」「愛されている理由」をスッキリ解説.各薬剤のオリジナルキャッチフレーズつきで,立体的な視点から薬のすがたが見えてくる! 医師の処方意図がわかれば,服薬指導や投与後のフォローアップにも役立つ.新人薬剤師はもちろん,新人教育担当薬剤師やブランク明け薬剤師にもお勧め.

■抗菌薬
 1.サワシリン(アモキシシリン水和物)
 2.オーグメンチン(アモキシシリン水和物・クラブラン酸カリウム配合)
 3.ケフレックス(セファレキシン)
 4.フロモックス(セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物)
 5.塩酸バンコマイシン(バンコマイシン塩酸塩)
 6.ジスロマック(アジスロマイシン水和物)
 7.ミノマイシン(ミノサイクリン塩酸塩)
 8.ダラシン(クリンダマイシン塩酸塩)
 9.クラビット(レボフロキサシン水和物)
 10.バクタ(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合)
 11.フラジール(メトロニダゾール)
 12.イスコチン(イソニアジド)
 13.リファジン(リファンピシン)

■抗ウイルス薬
 14.バルトレックス(バラシクロビル塩酸塩)
 15.タミフル(オセルタミビルリン酸塩)
 16.トリーメク(ドルテグラビルナトリウム・アバカビル硫酸塩・ラミブジン配合)
 17.ビクタルビ(ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド配合)
 
■抗真菌薬
 18.イトリゾール(イトラコナゾール)
 19.ブイフェンド(ボリコナゾール)
 
■ステロイド
 20.プレドニン(プレドニゾロン)
 21.デカドロン(デキサメタゾン)
 
■解熱鎮痛薬
 22.カロナール(アセトアミノフェン)
 23.セレコックス(セレコキシブ)
 24.ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム水和物)
 
■抗リウマチ薬
 25.リウマトレックス(メトトレキサート)
 26.エンブレル(エタネルセプト)
 27.ネオーラル(シクロスポリン)
 28.プログラフ(タクロリムス水和物)
  
■抗アレルギー薬
 29.アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)
 30.オノン(プランルカスト水和物)
 
■糖尿病治療薬
 31.メトグルコ(メトホルミン塩酸塩)
 32.アマリール(グリメピリド)
 33.ファスティック(ナテグリニド)
 34.ベイスン(ボグリボース)
 35.フォシーガ(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)
 36.ジャヌビア(シタグリプチンリン酸塩水和物)
 37.ビクトーザ(リラグルチド)
 38.ノボラピッド(インスリンアスパルト)
 39.ヒューマログミックス50(インスリンリスプロ混合製剤)
 40.ランタス(インスリングラルギン)
 
■脂質異常症治療薬
 41.リピトール(アトルバスタチンカルシウム水和物)
 42.ゼチーア(エゼチミブ)
 43.ベザトールSR(ベザフィブラート)
 44.エパデール(イコサペント酸エチル)
 
■痛風・高尿酸血症治療薬
 45.フェブリク(フェブキソスタット)
 
■甲状腺疾患治療薬
 46.チラーヂンS(レボチロキシンナトリウム水和物)
 
■骨粗鬆症治療薬
 47.ボナロン(アレンドロン酸ナトリウム水和物)
 48.グラケー(メナテトレノン)
 
■抗血栓薬
 49.リクシアナ(エドキサバントシル酸塩水和物)
 50.ワーファリン(ワルファリンカリウム)
 51.プラビックス(クロピドグレル硫酸塩)
 52.プレタール(シロスタゾール)
 53.バイアスピリン(アスピリン)
 
■降圧薬
 54.アルダクトンA(スピロノラクトン)
 55.メインテート(ビソプロロールフマル酸塩)
 56.アーチスト(カルベジロール)
 57.アムロジン(アムロジピンベシル酸塩)
 58.レニベース(エナラプリルマレイン酸塩)
 59.ブロプレス(カンデサルタンシレキセチル)
 
■狭心症治療薬
 60.フランドル(硝酸イソソルビド徐放剤)
 61.シグマート(ニコランジル)
 
■抗不整脈薬
 62.リスモダン(ジソピラミド)
 63.サンリズム(ピルシカイニド塩酸塩水和物)
 64.アンカロン(アミオダロン塩酸塩)
 65.ワソラン(ベラパミル塩酸塩)
 
■心不全治療薬,昇圧薬
 66.ジゴシン(ジゴキシン)
 67.エピペン(アドレナリン)
 
■利尿薬
 68.ラシックス(フロセミド)
 69.サムスカ(トルバプタン)
 
■気管支喘息治療薬,COPD治療薬
 70.ホクナリンテープ(ツロブテロール)
 71.テオドール(テオフィリン徐放剤)
 72.アドエア(サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル配合)
 
■鎮咳薬,去痰薬
 73.メジコン(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)
 
■上部消化管疾患治療薬
 74.プリンペラン(メトクロプラミド)
 75.ネキシウム(エソメプラゾールマグネシウム水和物)
 76.ガスター(ファモチジン)
 77.ブスコパン(ブチルスコポラミン臭化物)
 78.ムコスタ(レバミピド)
 
■下部消化管疾患治療薬
 79.ペンタサ(メサラジン)
 80.スインプロイク(ナルデメジントシル酸塩)
 81.ミヤBM(酪酸菌)
 
■肝胆膵疾患治療薬
 82.ハーボニー(レジパスビルアセトン付加物・ソホスブビル配合)
 83.バラクルード(エンテカビル水和物)
 84.ウルソ(ウルソデオキシコール酸)
 
■抗精神病薬,抗うつ薬
 85.リスパダール(リスペリドン)
 86.セロクエル(クエチアピンフマル酸塩)
 87.レクサプロ(エスシタロプラムシュウ酸塩)
 88.サインバルタ(デュロキセチン塩酸塩)
 
■抗不安薬,睡眠薬
 89.マイスリー(ゾルピデム酒石酸塩)
 90.ベルソムラ(スボレキサント)
 
■抗てんかん薬
 91.デパケン(バルプロ酸ナトリウム)
 92.イーケプラ(レベチラセタム)
 
■片頭痛・慢性疼痛治療薬
 93.イミグラン(スマトリプタンコハク酸塩)
 
■抗認知症薬
 94.アリセプト(ドネペジル塩酸塩)
 
■泌尿器・生殖器用剤
 95.ベシケア(コハク酸ソリフェナシン)
 96.ハルナール(タムスロシン塩酸塩)
 
■緩和医療薬
 97.オキシコンチン(オキシコドン塩酸塩水和物徐放剤)
 98.フェントス(フェンタニルクエン酸塩)
 99.トラムセット(トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合)
 
■抗悪性腫瘍薬
 100.ゼローダ(カペシタビン)
 101.ティーエスワン(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合)
 102.アリミデックス(アナストロゾール)
 103.イレッサ(ゲフィチニブ)
 104.レブラミド(レナリドミド水和物)
 
■緑内障治療薬
 105.チモプトール(チモロールマレイン酸塩)
 
■女性用剤
 106.ノルレボ(レボノルゲストレル)
 
■腎疾患用剤
 107.ホスレノール(炭酸ランタン水和物)
 108.カリメート(ポリスチレンスルホン酸カルシウム)

はじめに

「広く使われているくすり」について、くすりの特徴や普及したいきさつなど「立体的な視点からその姿を知る」ための本です。

対象は薬剤師、医師、看護師など「診療と薬物治療にたずさわる方」。

入社面接のあと「みんないいひとだった」と聞かされても、誰を採用してよいかわかりません。

「営業向きではないけど経理が得意」「調理場は無理だが接客向き」などと長所と短所が判然とすれば、どこに採用すればよいかわかりやすいです。

くすりの性格が生き生きと感じられるように、「魅力」だけでなく「気になることや物足りない点」も語りました。

すべてのくすりを網羅しているわけではありません。

それぞれのジャンルで「最初の一歩」を踏み出したくすりや、「一番知られている」くすりをとりあげています。

代表となる一人を知れば、周囲にいる仲間たちの様子もわかるからです。

調剤するひと、使うひと、それぞれの立場で「くすりのことが見えてきた」と感じていただければ嬉しいです。

2021 年12 月
村川裕二、高山和郎

 評者は循環器内科医として勤務しているが,2年ほど前から病院の薬剤部長を兼ねさせていただくことになり,薬剤師の先生方と身近に過ごしている.薬剤部に机を置いて最初に驚いたことは,ほとんどのスタッフが調剤や注射調整,製剤など病院の中央業務に専従しているのだろうとイメージしていたのだが,実際には毎日多くの薬剤師が資料やノートパソコンをもって病棟に向かい,患者さんの服薬指導,処方確認・提案などを行っているのを目の当たりにしたことである.薬剤師の業務内容が対人業務に大きくシフトしていることを実感した.そのなかには入職1〜2年目の新人薬剤師も含まれ,基本的なトレーニングを受けるとすぐに病棟勤務のローテーションに組み入れられるため,時に不安な思いを漏れ聞くことも少なくない.何かガイドになるよい本がないだろうかと思案していたときに,帯に「医師の処方意図がわかる!」と書かれた本書に巡り会うことができた.
 本書では,教科書的にすべての薬を網羅しようとするのではなく,各分野の代表的な薬剤を取り上げ,実診療においていかに使われているか,医師・薬剤師がそれぞれの立場でどう考え対処しているかなどがわかりやすく記載されており,一気に読破できた.“読みやすく得るものの多い本”というのは最もよいテキストだと考えるが,本書はまさにそれに合致している.「この薬が愛される理由は? ほかに同種の薬があるのになぜ?」といった疑問にも答えてくれる.こうしたことが率直に書かれている本というのは稀少ではないだろうか.また,紙面右端の傍注には用語解説や文献,あるいは何を参照すべきかが示されており,診療現場に出るときにサッと目を通しておくとその日からの実践に役立てることができる.若手医師・薬剤師,臨床実習中の医学生にも勧めてみたが,大いに満足したとの感想を得ている.
 編集企画にあたられた村川裕二先生は,申し上げるまでもなく循環器,とくに不整脈領域でご高名な先生で,村川先生の書かれた本や講演・講義で学ばれた方は多いと思う.評者自身も村川先生のテキストは研修医時代から今に至るまで手放せない.また高山和郎先生とは15年以上前に病棟で一緒に勤務させていただいたことがある.当時,病棟担当薬剤師という新しい体制が導入された折,循環器主体の病棟に常駐され病棟における薬に関するすべてを掌握されていたことを思い出す.村川先生・高山先生のお二人のチームプレーにみるように,このような良書を通じて医師・薬剤師との連携が深まることを祈念する.
 医療現場において薬剤師の先生方の活躍の場が広がり,病院勤務薬剤師の病棟/外来診療業務が増加するとともに,調剤薬局においてもジェネラリストとして勤務しつつも専門性が求められる場面もある.病院へ報告するトレーシングレポート,他方,病院から調剤薬局に向けての症例情報提供,採用薬,治療レジメン公開など,双方向性の薬薬連携が,ちょうど医師間での病診・病病連携とともに充実化が進む.そうした状況下,本書は若手の方や,セントラル業務から久々に診療支援に出る方,あるいは休暇・休職から復帰される際などに,現場に出るための指南書として活用いただきたい良書である.『今日の治療薬』など薬の本を目の前にして膨大な薬剤があるなかで,本書は研修医,看護師,薬剤師など,多くの職種にとって学ぶところが多い.医療の前線で本書が活用されることを期待したい.

臨床雑誌内科130巻4号(2022年10月号)より転載
評者●自治医科大学臨床薬理学部門 教授/薬剤部長 今井 靖

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