植込み型心臓デバイス認定士公式テキスト
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 日本不整脈心電学会 植込み型心臓デバイス認定士制度部会 |
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ISBN | : 978-4-524-22504-0 |
発行年月 | : 2021年6月 |
判型 | : A4 |
ページ数 | : 240 |
在庫
定価7,700円(本体7,000円 + 税)
サポート情報
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2022年08月04日
『植込み型心臓デバイス認定士公式テキスト』読者の皆様へ
正誤表
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2022年09月22日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
※本書は「植込み型心臓不整脈デバイス認定士制度」の公式テキストです.制度の名称変更につきましては日本不整脈心電学会のWebページにてご確認ください.
日本不整脈心電学会「植込み型心臓デバイス認定士制度部会」編集による初の公式テキスト.認定士制度学習指導要綱を元に項立てされており,資格認定試験受験者必読のテキストとなる.デバイスの種類と特徴,病態ごとの適応,植込み手技,患者管理や合併症の対応など,関連する幅広い知識を網羅しており,医師のみならず,チームで取り組む必要がある不整脈のデバイス治療に関わるすべての医療従事者に役立つ一冊.
T デバイス概論
A デバイスの構造
1.本体の構造
2.電池の構造と特性
3.リードの構造と特性
4.デバイスフォローとオームの法則
B センシングの意義と設定
1.センシングの意義
2.センシングの設定
C AV delayの意義と設定
1.AV delayの意義
2.AV delay設定
D ペーシングの意義と設定
1.ペーシングの意義
2.ペーシング閾値
3.ペーシング出力設定
4.ペーシングモード
E 不応期の意義と設定
1.不応期とブランキング
2.各社不応期
F レートの設定
1.レートの設定
2.ペースメーカの基本周期
3.レートレスポンス
G 特殊なペーシング機能
1.心房粗細動に対する機能
2.自己房室伝導優先機能
H テンポラリーペースメーカとは
1.適応
2.構造と使用方法
3.合併症と留置後の管理
I ICDの機能と設定
1.ICDの意義
2.ICDのセンシングおよび検出設定
3.ICDの治療設定
4.小児期のICD
5.日本で発売中のICD
J CRTの機能と設定
1.CRTの意義と留置
2.CRTの設定
K プログラマの使用
1.プログラマ概要
2.デバイスチェックフォロー
3.診断補助データ
U 病態疾患概論
A 徐脈性不整脈
1.洞不全症候群(SSS)
2.房室ブロック
3.補充調律
4.徐脈性不整脈の治療
5.神経調節性失神
6.過敏性頸動脈洞症候群
B 頻脈性不整脈
1.心室不整脈
2.心房不整脈
C 基礎心疾患
1.虚血性心疾患
2.器質的心疾患
3.致死性不整脈疾患
V 植込み手技
A 心臓解剖の基礎
1.心臓構造
2.血管構造
3.刺激電導系
B 術前検査と体外式除細動器
1.12誘導心電図
2.加算平均心電図
3.ホルター心電図
4.DC・AED
C 植込み手技の実際
1.感染予防対策
2.使用用具・使用薬剤
3.穿刺とポケット作成
4.リード留置
5.左室リードの留置
6.ペースメーカの測定
7.除細動閾値の測定
W 患者管理と教育
A 電磁波干渉とは
1.電磁波干渉の種類
2.電磁波干渉で注意すべき機器
3.デバイスの電磁波干渉対策機能
B ペースメーカ手帳の運用
1.ペースメーカ手帳
2.手帳の取り扱いについて
3.手帳の記載内容
4.医療用具登録制度
C MRI撮像の留意点
1.MRI検査とは
2.MRIで利用される磁場と電磁波
3.デバイスに与える影響
4.条件付きMRI対応デバイス
D 遠隔モニタリングの運用
1.遠隔モニタリング概論
2.遠隔モニタリングの運用
E デバイス患者の自動車運転
1.自動車運転免許法規
2.自動車以外の乗り物について
F デバイス患者の社会福祉
1.身体障害者手帳制度
2.障害年金
G 就学・就労
1.就学について
2.就労について
H メンタルヘルスとQOL
1.PTSDとは
2.デバイス植込み患者の持つ感情
3.メンタルケアの必要性
4.ICD患者の心理的危険因子
5.メンタルケアのタイミング
6.ICDショック作動の感じ方
7.ショック治療の影響
8.ショック後患者への介入
9.患者家族に必要な指導
10.心理的評価の必要性
X デバイス関連合併症
A 急性期合併症
1.植込み時のトラブル
2.植込み直後のトラブル
B 慢性期合併症
1.刺激閾値の上昇
2.リード断線
3.リード絶縁体不良
4.アレルギー反応(金属アレルギー)
5.皮膚圧迫壊死
6.血栓・塞栓症
7.Twiddler’s syndrome
8.ペースメーカ症候群
Y トラブルシューティング
A トラブルシューティング概論
1.トラブルシューティングのステップ
B ペーシング不全
1.リード不全
2.コネクタ接続異常
3.ペーシング不全への対応
C センシング不全
1.オーバーセンシング
2.アンダーセンシング
D 別chamber干渉
1.クロストーク
2.ファーフィールドR波センシング
E 融合収縮
1.融合収縮
2.偽性融合収縮
3.偽性偽性融合収縮
F 逆行性室房同期
1.ペースメーカ介在頻拍
2.反復性非リエントリー性室房同期
G ICDの不適切作動
1.不適切作動について
H CRTにおける両室ペーシング欠落の要因と横隔膜刺激
1.心房細動
2.不応期内センシングによる制限
3.上限レートによる制限
4.T波のオーバーセンス
5.心房イベントの心室リードによるオーバーセンス
6.LVペーシング不全
7.LVペーシングの伝導遅延
8.Anodalペーシング
9.LVリード心内電位によるLV捕捉の確認
10.横隔神経刺激
Z ガイドラインと知っておくべきエビデンス
A 臨床試験・エビデンスとは
1.臨床試験の種類
2.臨床試験でよく使用される用語
B ペースメーカに関するエビデンス
1.ペースメーカに関するエビデンスの歴史
2.ペースメーカに関する日循ガイドライン
3.一歩進んだ心臓ペーシングのエビデンス
4.リードレスペースメーカ
C 植込み型除細動器(ICD)のエビデンス
1.ICDに関するエビデンスの歴史
2.非虚血性心筋症についてのエビデンス
[ デバイス感染と抜去
A デバイス感染概論
1.概要
2.病態
3.診断
4.治療
5.デバイス再植込みの時期
6.感染予防
B デバイス抜去の実際
1.概論
2.デバイス抜去に使用される機材
3.レーザー抜去手技
\ 薬剤の知識
A デバイス治療に関連する薬剤
1.抗不整脈薬
2.抗凝固薬
] New デバイス
A Newデバイスおよび新規適応
1.完全皮下植込み型ICD
2.リードレスペースメーカ
3.植込み型ループレコーダー
4.刺激伝導系ペーシング
植込み型心臓デバイスの進歩はめざましく,多種多様な機能を備えたデバイスの開発により治療範囲が広がり,多くの患者の予後改善に貢献してきた.反面,デバイス管理の複雑化,社会生活やメンタルヘルスへの弊害など多くの問題が問われるようになった.
「これらの問題に対して医師のみで対応することは困難であり, デバイスが植込まれた患者の全人的なケアには多職種がチームを組み,職域を生かした介入が理想である.そのためには職種間で画一,統一化したデバイス知識の獲得が必要であり,認定制度を立ち上げてはどうか?」この議論が初めてなされたのが2011 年2 月の旧日本不整脈学会, 第3 回植込みデバイス関連冬季大会にて開催された教育・認定制度部会でのことであった.この提案に対し,同学会からの強力な支援と他学会からの協力を得て,認定制度発足に向けての第一歩を踏み出すことができた.以後,多くのメディカルプロフェショナルの先生方にご尽力いただき,8 年にも及ぶ準備期間を経て, 基本的なデバイス知識の習得を認定する「植込み型心臓デバイス認定士制度」が発足した.そして,2019 年11 月に第1 回の試験が開催され,495 名の認定士を誕生させることができた.
しかし,当初から問題となっていたのは,効果的で一貫した修学法が明確になっていないことであった.現存する教科書は非常に平易な内容か,専門医が修学するような高度な内容であり,適度なレベルで全体を俯瞰するには数多くの教科書を揃えねばならず,修学を諦めてしまうケースもあったと聞く.そこで認定士を目指す医療従事者のために,適正なレベルを維持しつつ,広い範囲を網羅する教科書を作成することになった.執筆については認定士制度設立にご尽力いただいた先生方を中心に再度,ご協力いただいた.多忙な業務の中,重ねてご負担をおかけしたにもかかわらず,素晴らしい書籍がここに誕生した.深く御礼を申し上げる次第である.
本書がデバイス認定士を目指す方々のみならず, デバイスに関係するすべてのメディカルスタッフにとって,患者ケアの創出や向上に貢献することを切に望む.
2021年4 月
近畿大学病院心臓血管センター教授
栗田隆志
筑波大学医学医療エリア支援室循環器内科不整脈学
櫻坂会坂根クリニック
梅津 努