CTパターンから理解する呼吸器疾患改訂第2版
所見×患者情報から導く鑑別と治療
| 監修 | : 門田淳一 |
|---|---|
| 総編集 | : 小宮幸作 |
| ISBN | : 978-4-524-21526-3 |
| 発行年月 | : 2026年4月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 496 |
在庫
定価14,300円(本体13,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

「陰影の性状×分布」から整理した「CT画像パターン」を軸に,decision treeに沿って呼吸器疾患の診断から病態把握,治療方針へと導く独自の構成が好評を博した書籍の改訂版.胸部CT画像アトラスを充実させ,フローチャートを刷新することで診断思考をより明確化.関連ガイドラインなど最新知見も反映した.一発診断が可能な疾患やCTのみでは鑑別が難しいケース,症状と画像所見が乖離する病態まで幅広く解説.呼吸器内科・放射線科の専門医から学生・研修医まで役立つ一冊.
呼吸器疾患のCT画像パターンとdecision tree
呼吸器疾患のCT画像パターンアトラス
1|びまん性粒状影
A.胸膜・葉間に接している(小葉辺縁性・ランダムパターン)
a.小葉辺縁性
b.ランダムパターン
B.胸膜・葉間に接していない(小葉中心性)
a.境界明瞭な分岐状粒状影(細気管支病変)
b.境界不明瞭な淡い粒状影(細気管支+細気管支周囲病変)
2|広義間質を主座とする病変
A.smoothな気管支血管束・小葉間隔壁の肥厚
B.小葉間隔壁の肥厚+nodule(しばしば腫大リンパ節を伴う)
3|嚢胞
A.嚢胞が主体
B.consolidationやすりガラス影に付随する
4|多発結節
A.感染
B.非感染
5|consolidation
A.分布による分類
a.区域性
b.非区域性
c.領域性
d.末梢がspareされる(リンパ路による排泄が関係)
B.内部濃度による分類
a.低濃度
b.高濃度
C.空洞(あるいは造影不良域)を伴う
D.周囲散布像(小葉中心性粒状影)を伴う
E.consolidationに小葉間隔壁肥厚を伴う
F.consolidation内に牽引性気管支拡張を伴う
G.移動するconsolidation
6|びまん性すりガラス影・網状影
A.crazy-paving appearance
B.陰影内に牽引性気管支拡張を伴う
C.honeycombing
D.小葉中心性粒状影を伴う(ill-defined centrilobular nodules)
E.mosaic attenuationを伴う
7|CT sign
A.CT halo sign
a.感染
b.非感染(腫瘍)
c.非感染(炎症)
B.reversed halo sign
C.galaxy sign
D.angiogram sign
E.gloved finger sign
F.air-crescent sign/meniscus sign
G.Swiss cheese appearance
8|画像パターンで一発診断が可能な疾患
9|画像パターンが多彩で鑑別が困難な疾患(臨床所見が非常に重要となる疾患)
T章 CTの基本的な理解 画像パターンとその考え方
1|CTの基本的理解
2|画像パターン別に考える鑑別の進め方・鑑別リスト
1.びまん性粒状影
2.広義間質を主座とする病変
3.嚢胞
4.多発結節
5.consolidation
6.びまん性すりガラス影・網状影
7.CT sign
8.画像パターンで一発診断が可能な疾患
9.画像パターンが多彩で鑑別が困難な疾患(臨床所見が非常に重要となる疾患)
3|症状が軽微なのに画像所見が派手な疾患
4|症状のわりに画像所見が乏しい疾患
U章 CT画像パターンから考える呼吸器疾患の診断と治療方針
1|びまん性粒状影
A.胸膜・葉間に接している(小葉辺縁性・ランダムパターン)
a.小葉辺縁性
b.ランダムパターン(血行性)
B.胸膜・葉間に接していない(小葉中心性)
a.境界明瞭な分岐状粒状影
b.境界不明瞭な淡い粒状影
2|広義間質を主座とする病変
A.smoothな気管支血管束・小葉間隔壁の肥厚
a.急性の経過で発症する疾患:肺水腫,急性好酸球性肺炎
b.慢性の経過で発症する疾患:HES/CEL,CAEBV
B.小葉間隔壁の肥厚+nodule(しばしば腫大リンパ節を伴う)
3|嚢胞
A.嚢胞が主体
a.喫煙歴がある症例
b.若年者もしくは喫煙歴がないか,週ー年単位で明らかな増悪がみられる症例
B.consolidationやすりガラス影に付随する
a.呼吸器症状や画像所見が数日で悪化する症例
b.週ー月単位で増悪する症例
c.月ー年単位で増悪,もしくは不変の症例
4|多発結節
A.感染
B.非感染
5|consolidation
A.分布による分類
a.区域性
b.非区域性
c.領域性
d.末梢がspareされる(リンパ路による排泄が関係)
B.内部濃度による分類
a.低濃度
b.高濃度
C.空洞(あるいは造影不良域)を伴う
D.周囲散布像(小葉中心性粒状影)を伴う
E.consolidationに小葉間隔壁肥厚を伴う
a.急性に発症した場合
b.緩徐に発症した場合
c.喘鳴を伴う場合
F.consolidation内に牽引性気管支拡張を伴う
G.移動するconsolidation
6|びまん性すりガラス影・網状影
A.crazy-paving appearance
B.陰影内に牽引性気管支拡張を伴う
C.honeycombing
D.小葉中心性粒状影を伴う(ill-defined nodules)
E.mosaic attenuationを伴う
7|CT sign
A.CT halo sign
B.reversed halo sign
C.galaxy sign
D.angiogram sign
E.gloved finger sign
F.air-crescent sign/meniscus sign
G.Swiss cheese appearance
8|画像パターンで一発診断が可能な疾患
9|画像パターンが多彩で鑑別が困難な疾患
V章 症例からのアプローチ CT画像の読み方と鑑別診断Q&A
1.持続する咳嗽があり,健診の胸部単純X線写真で異常を指摘された症例
2.発熱と両肺のびまん性粒状影を認めた症例
3.健診を契機に腫瘤影,小葉間隔壁肥厚および粒状影を認めた症例
4.発熱が続き喀痰の出現を認めた症例
5.発熱に加え咳嗽の増強が認められた症例
6.乾性咳嗽および労作時呼吸困難を呈し,抗菌薬が不応であった症例
7.乾性咳嗽,労作時呼吸困難をきたした症例
8.慢性的に咳嗽,喀痰を自覚しており,血痰を認めた症例
9.亜急性に乾性咳嗽,発熱,呼吸困難を呈した症例
10.発熱と起坐呼吸を呈した症例
11.咳嗽が長引き労作時呼吸困難が出現,増悪した症例
本書は,「CT画像パターン」から,呼吸器疾患の診断,病態把握,治療方針までを理解する,これまでにない新しい切り口の書籍として2018年12月に初版を発行し大変好評を得てきた.初版発行後7年が経過したこと,そして何より医療が急速に進歩していることを踏まえ,改訂が必要との判断に至った.今改訂では,「CT 画像パターン」別に特徴的所見を並べた豊富なアトラスや診断過程を示したフローチャートなど初版の特長・コンセプトを踏襲しつつ,この間の本領域の進歩(COVID-19の流行,各種ガイドラインの改訂など)を反映し,フローチャートにおいては診断過程に即して確認すべき事項のほか,より疑わしい疾患が把握しやすいものへとアップデートを図った.
実臨床において通常は病歴聴取から始まり,身体所見,胸部X線・CT撮影と読影,検査所見などを加味して鑑別疾患を考え,さらに気管支鏡などの侵襲的な検査を経て最終的に確定診断,治療を行うといったdecision treeをたどっていくことになるが,呼吸器疾患は他の領域には類をみない多様性があり,多くの疾患が存在しているため,診断過程における画像,とくに胸部CT画像の読影は呼吸器病学を学ぶ医師には必須である.
呼吸器疾患における胸部CT 画像は,陰影の性状と特徴[@ びまん性粒状影,A 結節影,B 囊胞,C 空洞,D すりガラス影,E 浸潤影(consolidation)など]および分布[@ 小葉中心性,A 小葉辺縁性(小葉間隔壁),B 汎小葉性(区域性,非区域性),C 気管支血管束周囲,D ランダム]の組み合わせに集約できる.そこで本書においては,実臨床に近い診断手順を踏むことを目的として,decision treeとT章の各項では胸部CT所見をもとに放射線科医による鑑別診断の方法と解説を行い,「CT画像パターン」の組み合わせの優位性を熟知することで呼吸器疾患への理解を深め,U章においては呼吸器科医による患者の臨床情報を加味した診断過程のフローチャートを参照しながら,疾患ごとの病態把握と確定診断を行い,それに続く治療方針にまでたどり着くことができる構成とした.本書は胸部CT画像のdecision treeに沿って鑑別診断を進めることを基本としているが,さらにdecision treeでは語れないような,画像パターンで一発診断が可能な疾患,画像パターンが多彩であるため胸部CT画像のみでは鑑別診断が困難な疾患も取り上げた.V章では本書のまとめとして,実症例を用いたQ&A形式のクイズ症例を掲載し理解力を試すようにしている.
本書は,これまで出版されている疾患のカテゴリー別(感染症,腫瘍,びまん性間質性肺疾患,アレルギー性疾患など),あるいは疾患別の記載が主である呼吸器病学や胸部CT画像に関する教科書とは異なり,実臨床に近い構成となっており,どのページから開いても謎解きの魅力が満載で,興味をもって読み進めることができる推理小説のような書籍である.本書の使い方を参照しながら知らないうちに実力がつくような実体験をし,呼吸器病学の面白さを実感していただければ幸いである.
2026年3月
門田淳一

