新訂生薬学改訂第9版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 木村孟淳/酒井英二/牧野利明 |
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ISBN | : 978-4-524-40389-9 |
発行年月 | : 2021年12月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 320 |
在庫
定価5,060円(本体4,600円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

ロングセラーの生薬学の教科書.生薬各論は用部別の分類.基原植物・生薬のフルカラー写真を多数収載.成分の化学構造式は必要最小限に絞り,簡潔に整理された記述で効率の良い学習を助ける.今改訂では,第十八改正日本薬局方に対応した.また,各論掲載の生薬は,用部別の分類はそのままに配列順を原則五十音順に再編.関連生薬は近傍に配置し,学習しやすさに配慮した.
総論
T 生薬
1 生薬学
2 生薬学の課題
3 生薬の記載事項と研究法
4 医薬品としての生薬の特性
5 生薬の調整
6 生薬の製剤
7 生薬の品質評価法
8 生薬の生産と取引
9 生薬をめぐる法と制度
U 生薬学小史
1 メソポタミアの医学
2 西洋の医学・薬学
3 インドの医学
4 中国の本草学
5 日本の本草学
V 漢方医学
1 漢方医学の基礎
各論
1 皮類
2 材,茎および枝類
3 根類
4 根茎類
5 葉類
6 花類
7 果実類
8 種子類
9 草類
10 菌類・藻類
11 分泌物・細胞内容物
12 動物生薬
13 鉱物生薬
付録 日本で使われる漢方処方
漢方生薬の生産と流通を取り巻く社会の情況は依然として厳しく,70 億に達した世界人口の医療需要,欧米にまで拡大した漢方,中医学の発展に対応するだけの生薬の供給が維持できるかという課題がますます大きくのしかかってきている.特に最大の生産地域である中国その他アジア諸国の工業化,経済成長はめざましく,人的資源の変動もあり,量的な不足,品質の低下,価格の高騰ばかりか地球規模の気候変動も伴って天然資源の枯渇など,予測を上回る速度で問題の悪化が進行している.生薬の需要は食料品などと比べても小さく,少量多品種という近代化しにくい条件を抱えながら,急激に増大する需要にも応えて行かねばならず,数々の矛盾を背負い込む事態になっている.
しかし,生薬として利用する生物の資源は栽培あるいは養殖によって,本質的には永遠にリサイクルの可能な資源であり,いずれなくなってしまう地下資源とは大きく異なっている.医薬品の供給面で永続的な学問としても,生薬学は努力を惜しんではならない.
日本薬局方も第十五改正以来大きく変化し,漢方エキス製剤も本格的に収載され始めた.第十八改正(2021)版では漢方エキス製剤は37 方となり,新収載となった生薬も数多い.また,基原植物や性状などにも改正がなされている.これらの変化は諸外国薬局方との国際調和が進んだ結果による部分が大きい.
このような情勢に即応して,本書は新進気鋭の執筆者を加え,今回さらに内容を充実させた.日本薬局方,局方外生薬規格集に掲載される生薬のすべてを掲載し,付録の「日本で使われる漢方処方」に使われている生薬も可能な限り取り入れた.その処方は飛躍的に増え,一般用,医療用,薬局製剤,日本薬局方で採用している処方の合計は304 方になったがすべてを一覧できるようにした.
各論の配列は従来どおり植物,動物,鉱物の順とし,植物は使用部位でまとめている.これは,生薬の取引,医薬品の製造,調剤過程,調剤監査などすべての過程で必要な生薬鑑定において,最も初歩的だが有力な手段が肉眼的な外部形態であることを重視しているためである.
植物の分類方法が大きく変わりつつあるが,薬局方などがエングラー方式を採用しており,学術的な研究報告などでは遺伝子解析を取り入れたAPG (Angiosperm Phylogeny Group) による分類方式が採用され始めているので,本書ではエングラー方式とAPG W方式で科名が変化したものについて,両者を併記して示すことにした.
今回の改訂にあたり,ご助言をいただいた日本生薬連合会加盟各社,写真撮影にあたりご協力をいただいた(株)栃本天海堂,三星製薬(株),松浦薬業(株),(株)ウチダ和漢薬,(株)ツムラ,(株)前忠の各社に感謝する.また,改訂版の発行にご理解をいただいた南江堂 小立健太氏に感謝する.
2021 年10 月
編 者
