スポーツ整形外科テキスト
| 編集 | : 日本スポーツ整形外科学会 |
|---|---|
| ISBN | : 978-4-524-27454-3 |
| 発行年月 | : 2026年8月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 528 |
在庫
定価17,600円(本体16,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

競技スポーツの低年齢化や健康志向の高まりを背景に,多様化するスポーツ外傷・障害に対応するための最新知識を体系的にまとめた一冊.病態理解から診察・検査,治療,リハビリテーション,予防までを網羅し,各分野の専門家が最新エビデンスと実践的知見をもとに解説.スポーツ整形外科診療に必要なエッセンスを凝縮した.スポーツ整形外科を志す若手医師はもちろん,スポーツ現場を支える医療従事者やアスレチックトレーナーにも役立つ決定版.
T 総論
1.スポーツ整形外科の歴史
2.スポーツ外傷・障害とは
3.スポーツ整形外科における診察・検査
4.スポーツ外傷・障害治療の原則
5.スポーツ整形外科におけるリハビリテーション治療理論
U 各論
1.脊椎
01頚椎
1.頚椎椎間板ヘルニア
2.頚椎捻挫
3.脊髄損傷
4.Burner症候群
5.一過性四肢麻痺(脊髄振盪)
02胸椎
1.黄色靱帯骨化症
03腰椎
1.腰椎椎間板ヘルニア
2.腰椎椎間板症
3.腰椎分離症
4.腰椎椎間関節炎
5.腰椎終板障害(Modic変化)
6.筋筋膜性腰痛
7.体幹筋の肉ばなれ
04仙椎
1.仙腸関節障害(骨盤輪不安定症候群)
2.上肢
01肩関節・上腕部
1.肩関節脱臼
2.肩関節唇損傷
3.投球障害肩
4.上腕二頭筋長頭腱炎
5.肩鎖関節脱臼
6.鎖骨・肋骨骨折
7.肩腱板断裂
8.胸郭出口症候群
02肘関節
1.リトルリーグ肘(内側上顆障害)
2.離断性骨軟骨炎
3.肘内側側副靱帯損傷
4.肘頭疲労骨折
5.肘部尺骨神経障害
6.変形性肘関節症
7.上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
8.外傷性肘関節脱臼
9.スポーツによる手関節橈側部痛
10.スポーツによる手関節尺側部痛
11.有鉤骨鉤骨折
12.手指血行障害
13.槌指
14.手指関節側副靱帯損傷
15.PIP関節脱臼骨折(近位指節間関節脱臼骨折)
3.下肢
01骨盤・股関節
1.骨盤裂離骨折
2.骨盤・股関節の疲労骨折
3.大腿骨寛骨臼インピンジメント
4.グロインペイン症候群
02大腿部
1.大腿部肉ばなれ
2.大腿部筋挫傷・骨化性筋炎
03膝関節
1.ジャンパー膝
2.有痛性分裂膝蓋骨
3.前十字靱帯損傷
4.後十字靱帯損傷
5.内側側副靱帯損傷
6.半月板損傷
7.円板状半月板損傷
8.膝蓋骨脱臼・亜脱臼
9.関節軟骨損傷
10.膝蓋大腿関節障害
04下腿部
1.アキレス腱断裂
2.アキレス腱障害
3.下腿疲労骨折
4.シンスプリント
5.下腿肉ばなれ
05足関節・足部
1.足関節外側靱帯損傷
2.足関節周囲骨折
3.腓骨筋腱脱臼
4.距骨骨軟骨損傷
5.足関節前方インピンジメント症候群
6.足関節後方インピンジメント症候群
7.足底腱膜症
8.足関節・足部疲労骨折(Jones骨折以外)
9.Jones骨折
10.扁平足障害
11.足根骨癒合症
V 最新の治療(積極的保存療法)
1.積極的保存加療としてのPRP療法
2.体外衝撃波治療
3.高気圧酸素治療
4.ハイドロリリース
5.動脈塞栓術(動注治療と運動器カテーテル治療)
6.経皮的超音波腱切開術(PUT)
7.パルス高周波法
このたび,一般社団法人「日本スポーツ整形外科学会(JSOA)」から『スポーツ整形外科テキスト』を上梓いたしました.本書の刊行は,スポーツ整形外科の学問体系をより強固にし,次世代を担う整形外科専門医やスポーツ診療にかかわる医療従事者へ,現状における最良の治療指針を提示するという点で,極めて大きな意義を持つものです.
わが国のスポーツ医学の歩みを振り返ると,戦後の復興期における国民の体力向上を目的とした活動に端を発し,1964年の東京オリンピックを契機として大きく発展してきました.その後,1975年以降にスポーツ関連学会が相次いで発足し,整形外科領域におけるサブスペシャリティとしてスポーツ整形外科の地位が築きあげられました.その後,組織改編や国際交流の歴史を経て,2023年には日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)のスポーツ医科学事業と日本整形外科スポーツ医学会(JOSSM)が統合し,現在のJSOAが誕生しました.つまりわが国のスポーツ整形外科は50年を超える歴史があります.特筆すべきは,日本関節鏡学会,日本膝関節学会の初代会長である渡辺正毅先生らが開発した「関節鏡」であり,わが国が世界のスポーツ整形外科を牽引してきた技術的背景のひとつです.関節鏡視下手術はそれまでの概念を覆し,低侵襲手術の扉を開き,アスリートの治療に福音をもたらしたといえます.本書にはわが国が世界に誇る鏡視下手術の知見を余すところなく網羅しております.
現在のスポーツ整形外科が対象とする領域は,「トップアスリートの治療」という枠組みを越え,学校体育の生徒から健康長寿を目指す高齢者,さらには障がい者スポーツやパフォーミングアーツにいたるまで,広く国民の多様なライフスタイルを支えています.このような背景のもと,本書は,「総論」「各論」「最新の治療」という3章立てにより,臨床の現場で求められる知識を体系的に整理しました.
「総論」では,スポーツ整形外科の歴史から診察・検査の基本,治療原則に加え,アスリートにとって不可欠な術後リハビリテーション,そしてスポーツ損傷を未然に防ぐ予防(prevention)についても詳細に解説しています.スポーツ整形外科のゴールは,損傷・障害された組織の修復にとどまらず,アスリートをいかに安全にかつ最適なパフォーマンスで復帰させることにあります.しかし現実的には,ケガを抱えた状態での復帰や,その場合のリスクなど様々な背景をもとに治療戦略を立てる必要があります.受傷後のリハビリテーションや予防戦略にも重点をおいた点は,本書の大きな特徴のひとつです.各論では,「脊椎」,「上肢」,「下肢」に分け,多種多様なスポーツ外傷・障害を網羅し,最先端の関節鏡視下手術をはじめとする外科的治療や保存療法のエッセンスを各分野のエキスパートが詳述しています.そして最新の治療の項では,多血小板血漿(PRP)療法や体外衝撃波,ハイドロリリースをはじめとする最新の積極的保存療法に焦点を当て,低侵襲かつ効果的なインターベンションの現在地を示しています.
本書の企画から編集にいたるまで,多大なご尽力をいただいた武冨修治 編集委員会担当理事をはじめとするJSOA編集委員会の諸先生方に深甚なる敬意を表します.また,ご多忙の中,それぞれの専門領域から珠玉の原稿をご執筆いただいた諸先生方に心より感謝申し上げます.そして,本書の出版にあたり,多大なる熱意と多角的なサポートをいただいた南江堂の皆様に,厚く御礼申し上げます.
本書が,スポーツ整形外科を志す若い医師,日々スポーツの現場で奮闘される医療従事者やアスレチックトレーナーの座右の書となり,ひいてはわが国のスポーツ医学のさらなる発展と,国民の健康増進に寄与することをJSOAとして期待しております.
2026年7月
一般社団法人 日本スポーツ整形外科学会 理事長
石橋 恭之

