今日の治療薬2026
解説と便覧
| 編集 | : 伊豆津宏二/今井靖/桑名正隆/寺田智祐 |
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| ISBN | : 978-4-524-27338-6 |
| 発行年月 | : 2026年1月 |
| 判型 | : B6判 |
| ページ数 | : 1440 |
在庫
定価5,500円(本体5,000円 + 税)
正誤表
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2026年02月10日
第1刷
- 商品説明
- 書評

本書は,臨床医や薬剤師が日常診療において必要とする薬物療法の情報を体系的かつ簡潔にまとめた実践的な薬剤リファレンスである.1977年の初版以来,長年にわたり多くの医療者に活用されてきた定評ある書籍であり,今回で改訂第48版となる.医療の進歩に伴い薬物療法が年々複雑化する一方,国民医療費の抑制が求められる現状においては,薬剤の適正使用の重要性がますます高まっている.本書が長年にわたり支持され続けている背景には,そのような臨床現場のニーズに応えてきた点があるといえる.
本書の特徴は,「解説」と「便覧」からなる2部構成にある.「解説」では各薬剤群における薬物療法の最新のエビデンスや治療戦略が簡潔に整理されており,治療の背景となる病態理解や薬剤選択の考え方を確認することができる.一方,「便覧」では個々の薬剤について適応,用法・用量,副作用,相互作用などの情報がコンパクトにまとめられており,診療の現場で迅速に参照できる実用性の高さが際立つ.2026年版でも新規薬剤や適応拡大の情報が適切に反映されており,近年の薬物療法の動向を把握するうえで有用である.
今回の改訂では,いくつかの新しい試みが本書の実用性をさらに高めている.「解説」部分に新設された「適応外pick up」では,適応外使用の根拠や実際の使い方がコラム形式で簡潔にまとめられており,非専門家にも理解しやすい内容となっている.また,抗血栓薬以外にも術前に休薬を要する薬剤が近年増えてきたことを背景に,「術前中止薬リスト」が付録として追加された.術前中止薬の種類や中止期間は施設ごとに定められていることが多いが,その背景を理解することは外科診療に直接かかわらない臨床医にとっても有益であり,本付録は臨床現場での実践的な参考資料となる.
さらに,巻頭トピックスでは「肥満症治療のアップデート」,「日本版抗コリン薬リスクスケールの活用」,「核酸医薬の現状と展望」が取り上げられている.いずれも近年注目されているテーマであり,最新知見が簡潔に整理されている点は,本書が単なる薬剤リストにとどまらない知識のアップデートにも資することを示している.
近年は電子媒体やオンラインデータベースによる薬剤情報の検索が一般化しているが,信頼性の高い情報が体系的に整理された書籍の価値は依然として大きい.特に研修医や若手医師にとっては薬物療法の基礎を俯瞰的に理解するうえで有用であり,また経験豊富な臨床医にとっても治療方針を再確認する際の実用的なリファレンスとなる.本書が日常診療における確かな薬物療法を支える一冊として,今後も多くの医療者に活用され続けることを期待する.
臨床雑誌外科88巻5号(2026年5月号)より転載
評者●札幌医科大学消化器外科教授・穴澤貴行

