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糖尿病療養指導の手びき改訂第4版

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 日本糖尿病学会
ISBN : 978-4-524-26961-7
発行年月 : 2012年5月
判型 : B5
ページ数 : 264

在庫なし

定価3,080円(本体2,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

糖尿病療養指導士や医師が、糖尿病教室で広く利用されている患者向け書籍「糖尿病治療の手びき」を使って患者指導を行うための日本糖尿病学会編集のオフィシャルガイドブック。今改訂では、糖尿病の診断基準の改訂、HbA1cの国際標準化に対応するほか、インクレチン関連薬などの新薬やカーボカウントについても盛り込んだ。糖尿病の基礎知識から、合併症対策、メンタルヘルス、日常生活指導まで幅広い内容を提供。

総論 療養指導のあり方
1 糖尿病の療養指導と指導者の役割
   1 糖尿病療養指導士とは
   2 患者教育法について
   3 患者教育チーム
   4 初期教育の効果を上げるために
2 糖尿病診療のネットワーク
   1 診療形態の多様性とその必要性
   2 糖尿病診療ネットワーク
   3 「健康日本21」と日本糖尿病対策推進会議

各論 『糖尿病治療の手びき』の解説
1 糖尿病とはどのような病気か
   1 血糖とインスリンの働き
   2 どのような症状が出るのか
   3 軽い糖尿病でも合併症を引き起こす
2 なぜ私が糖尿病なのか─検査と診断
   1 尿糖が出ない、症状もない、でも糖尿病?
   2 血糖とヘモグロビンA1c(HbA1c)の検査で確定診断を
   3 「境界型」とメタボリックシンドローム
3 糖尿病の原因は?
   1 糖尿病の原因はひとつではない
   2 1型糖尿病
   3 2型糖尿病
   4 その他の原因による糖尿病
   5 妊娠糖尿病
   6 糖尿病分類の指標とその意義
4 糖尿病が長く続くとどうなるのか─合併症を考える
 I.糖尿病の合併症
 II.細い血管の合併症(細小血管症)
  A 「糖尿病網膜症」とはどのような病気か
   1 眼の構造
   2 糖尿病網膜症とは
   3 糖尿病網膜症の疫学
   4 糖尿病網膜症の病態と眼底所見
   5 糖尿病網膜症の症状
   6 程度と治療
   7 管理
  B 「糖尿病腎症」とはどのような病気か
   1 腎臓の役割と糸球体の機能
   2 腎症の原因と成り立ち
   3 臨床経過
   4 治療
  C 「糖尿病神経障害」とはどのような病気か
   1 病型分類と病態
   2 発症機序
   3 診断と検査
   4 治療
 III.太い血管の合併症(動脈硬化)
   1 アテローム動脈硬化症の危険因子
   2 糖尿病ではなぜアテローム動脈硬化が促進されやすいのか
   3 動脈硬化がもたらすもの
   4 治療
 IV.感染症
   1 糖尿病患者の感染に対する抵抗力
   2 呼吸器感染症
   3 尿路感染症
   4 気腫性胆嚢炎
   5 皮膚の感染
   6 歯周病
 V.フットケアについて
   1 糖尿病足病変の発症機序と種類
   2 足病変を起こしやすい人
   3 足を守る予防法を指導する
   4 フットケア外来
5 経過をみよう─合併症の予防のために
   1 糖尿病の経過観察の重要性
   2 経過観察に必要な検査とその目標
   3 合併症を防ぐためのコントロール目標
   4 「糖尿病連携手帳」の活用
6 1型糖尿病はどのように治療するのか
 I.治療の原則
   1 インスリン療法
   2 食事療法
   3 運動療法
 II.インスリン療法
   1 インスリンの種類
   2 どのようなインスリンをいつ注射するのか
   3 インスリン注射の具体的方法と注意点
   4 強化インスリン療法の実際
   5 低血糖
 III.食事療法─2型糖尿病との違い
   1 1日の適正エネルギー量の計算
   2 食事療法の実際
   3 カーボカウント
 IV.運動療法─2型糖尿病との違い
   1 運動療法の効果
   2 運動療法を実施する際の注意点
7 2型糖尿病はどのように治療するのか
 I.治療の原則
   1 食事療法と運動療法
   2 薬物療法
   3 その他の注意事項
 II.食事療法が基本
   1 糖尿病における食事療法の目的
   2 食事療法の原則
   3 食事療法の進め方
   4 食事療法の実際
   5 糖尿病腎症の食事
 III.運動のすすめ
   1 なぜ運動がよいのか
   2 運動療法の実際
   3 運動を避けるほうがよい場合
 IV.内服薬による治療
   1 糖尿病の病態と血糖制御
   2 内服薬の種類
   3 使用上で注意すること
 V.注射薬による治療
   1 インスリン注射による治療
   2 GLP-1受容体作動薬による治療
8 妊娠中の糖代謝異常はどのように治療するのか
   1 糖代謝異常のある妊婦は厳格なコントロールが必要
   2 治療の実際
   3 妊娠糖尿病の早期発見のために
9 緊急治療が必要な意識障害を起こすこともある
   1 糖尿病昏睡とは
   2 糖尿病昏睡はどのように治療するのか
   3 糖尿病昏睡は予防できるのか
   4 乳酸アシドーシス
10 低血糖にどのように対応するのか
   1 なぜ低血糖になるのか
   2 低血糖の症状
   3 低血糖になりやすいとき
   4 無自覚低血糖とは
   5 低血糖にどのように対応するのか
11 ほかの病気にかかったとき─シックデイ対策を考える
   1 シックデイとは
   2 内服薬やインスリン注射をどうするか
   3 主治医を受診すべきケース
   4 手術を受けるとき
   5 副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)投与時の血糖管理
12 こころの問題にどのように対応するのか
   1 糖尿病と診断されたとき
   2 落ち込んでしまったとき
   3 どうしても食べてしまうとき
   4 家庭、職場、学校でのトラブルがあるとき
13 子どもの糖尿病
   1 子どもの糖尿病の種類と特徴
   2 治療の原則
   3 学校生活
   4 サマーキャンプについて
14 高齢者の糖尿病
   1 高齢者の糖尿病の特徴
   2 高齢者の糖尿病の注意点
15 糖尿病と日常生活
 I.家庭生活
   1 結婚
   2 妊娠、出産
   3 家族関係
 II.職業と職場での対応策
   1 労働者としての権利
   2 職業の選択
   3 職場での対処
 III.運転免許と保険
   1 自動車の運転
   2 生命保険
 IV.余暇を楽しむ
   1 スポーツ
   2 旅行─時差のある地域への旅行
 V.酒、タバコ、嗜好品
   1 酒(アルコール)
   2 タバコ(喫煙)
   3 嗜好品─コーヒーと糖尿病
16 今後の糖尿病療養指導の課題
 I.遺伝についての療養指導のあり方
   1 糖尿病の遺伝とは
   2 遺伝情報をどのように扱うか
   3 患者からの問い合わせにどのように対応するか
 II.糖尿病における移植治療
   1 膵移植
   2 膵島移植

付録 (社)日本糖尿病協会の本部・支部一覧

索引
執筆者一覧

『糖尿病療養指導の手びき』は1999年5月に初版が発行され、第3版の改訂が2007年6月になされている。本書は糖尿病の患者さんやその家族が『糖尿病治療の手びき』(日本糖尿病学会編集、日本糖尿病協会・南江堂発行)を用いて、糖尿病の知識や治療・療養の知識・技術を学習する際、医療サイドから指導する糖尿病療養指導チームのための指導書として企画されたものである。
 『糖尿病治療の手びき』は2011年6月に改訂第55版が発行され、その内容が刷新されている。これを受けて『糖尿病治療の手びき』編集委員会として指導書である本書を全面的に見直すこととし、今回の改訂となった。『糖尿病治療の手びき』に沿った目次構成とし、患者指導を受け持つ糖尿病療養指導チームにとって、より便利な指導書となることを意図している。さらに、最近のインクレチン関連薬の登場や、2012年1月の日本糖尿病学会糖尿病関連検査の標準化に関する検討委員会からの“日常臨床及び特定健診・保健指導におけるHbA1c国際標準化の基本方針及びHbA1c表記の運用指針”の発表を受けて、本書を現時点の状況に見合うよう変更した。
 本書は、初版が発行されてから13年にわたり、糖尿病専門医や糖尿病療養指導士をはじめとした糖尿病療養指導チームにかかわる医師、看護師、栄養士、薬剤師など多くの教育スタッフに活用いただき、好評を博している。患者さんや家族への指導は、単に糖尿病の専門知識のみでなく、本人やその生活環境に適した指導が原則となり、画一的なマニュアルのみでは対応できないため、患者さん個々人をより尊重した糖尿病療養指導が求められる。これは個々の患者さんに対して、明確な目標のもとに、糖尿病療養の指導にあたるスタッフの経験を踏まえて達成される。本書がこのような糖尿病療養指導の実際に活用され、患者さんや家族の皆様への糖尿病の克服に向けての一助となることを願う。
2012年4月
日本糖尿病学会
『糖尿病治療の手びき』編集委員会

9784524269617