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新 ME早わかりQ&A

3.呼吸療法装置

編集 : 「新 ME早わかりQ&A」編集委員会
編集担当 : 廣瀬稔
ISBN : 978-4-524-26691-3
発行年月 : 2018年10月
判型 : B5
ページ数 : 286

在庫あり

定価4,620円(本体4,200円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

臨床工学技士を目指す学生や若手臨床工学技士が、実習や現場に出て直面するであろう疑問にQ&A方式で答えたサブテキスト。特定の製品に依存しない、普遍的な機器の取扱いに焦点を当て、図表を多用して解説。年々高度な進歩を重ねる呼吸療法装置について、原理・構成から操作・トラブル対処法・保守管理の実際までを157のQ&Aにまとめた。

I.人工呼吸器
 1.人工呼吸器を理解するための基礎知識−呼吸の仕組みと呼吸不全
  Q1.呼吸の目的は何ですか
  Q2.換気の仕組みについて教えてください
  Q3.肺気量分画と肺容量について教えてください
  Q4.ガス交換(拡散)の仕組みについて教えてください
  Q5.換気と血流の関係を教えてください
  Q6.呼吸不全と人工呼吸の適応について教えてください
  Q7.人工呼吸で呼吸不全は治せないのでしょうか
  Q8.呼吸状態の見方を教えてください
  Q9.血液ガス分析でわかることは何ですか
  Q10.酸塩基平衡について教えてください
  Q11.酸素解離曲線とは何ですか
  Q12.肺と組織間のガス運搬(酸素,二酸化炭素)について教えてください
  Q13.高濃度酸素による合併症について教えてください
  Q14.胸部X線像の見方の基本事項について教えてください
  Q15.急性呼吸促迫症候群(ARDS)について教えてください
  Q16.慢性閉塞性肺疾患(COPD)について教えてください
 2.人工呼吸器の原理と構造
  Q17.人工呼吸器とはどのようなものですか
  Q18.人工呼吸器を使用するための使用環境条件がありますか
  Q19.人工呼吸器の基本構成を教えてください
  Q20.人工呼吸器(陽圧換気)の動作原理を教えてください
  Q21.非再呼吸式の意味を教えてください
  Q22.自発呼吸と人工呼吸(陽圧換気)の生理学的な違いを教えてください
  Q23.陽圧換気が及ぼす循環器系への影響について教えてください
  Q24.陽圧換気が及ぼす呼吸器系への影響について教えてください
  Q25.人工呼吸器の酸素濃度調節機構を教えてください
  Q26.吸気努力の検知方法(トリガ)について教えてください
  Q27.デマンドバルブ方式や回路内定常流方式の特徴を教えてください
  Q28.なぜ加温加湿器が必要なのですか
  Q29.相対湿度と絶対湿度について教えてください
  Q30.加温加湿器の1日に必要な水分量はどの程度ですか
  Q31.人工鼻とは何ですか
  Q32.呼吸回路の特徴を教えてください
  Q33.小児用人工呼吸器の特徴は何ですか
  Q34.人工呼吸器にはどのようなアラームが装備されていますか
  Q35.人工呼吸療法の実施に必要な設備があれば教えてください
 3.換気モード−どんな換気が行えるのでしょうか
  Q36.換気方式について教えてください
  Q37.量規定と圧規定の違いは何ですか
  Q38.呼気終末陽圧(PEEP)と持続気道陽圧(CPAP)の違いについて教えてください
  Q39.吸気終末休止(EIP)とは何ですか.どのように設定すればよいですか
  Q40.同期式間欠的強制換気(SIMV)について教えてください
  Q41.圧支持換気(PSV)について教えてください
  Q42.二相性陽圧換気(BIPAP)について教えてください
  Q43.気道内圧開放換気(APRV)ついて教えてください
  Q44.吸気呼気比逆転換気(IRV)について教えてください
  Q45.分離肺換気(DLV)について教えてください
  Q46.高頻度換気(HFV)について教えてください
  Q47.非侵襲的陽圧換気(NPPV)について教えてください
  Q48.NPPVの代表的な換気モードを教えてください
 4.使用の実際
  Q49.人工呼吸療法の開始基準を教えてください
  Q50.目標とする換気条件を教えてください
  Q51.人工呼吸器の初期設定はどのようにすればよいですか
  Q52.疾患別の人工呼吸器の選択について教えてください
  Q53.アラーム設定の目安を教えてください
  Q54.回路内の適正な温度や湿度の設定方法について教えてください
  Q55.パルスオキシメータの使用目的は何ですか
  Q56.カプノメータの使用目的は何ですか
  Q57.経皮的ガス分圧モニタで何がわかりますか
  Q58.人工呼吸器装着時の注意点を教えてください
  Q59.人工呼吸器装着中の観察のポイントは何ですか
  Q60.PaO2を調整するにはどのようにすればよいですか
  Q61.PaCO2を調整するにはどのようにすればよいですか
  Q62.PEEPはどのように決定すればよいですか
  Q63.EIPはどのように決定すればよいですか
  Q64.気管チューブのカフ圧の管理はどうすればよいですか
  Q65.挿管し人工呼吸器を使用している患者の体位変換を行う際の注意点は何ですか
  Q66.ウィーニングの進め方を教えてください
  Q67.在宅人工呼吸療法の適応について教えてください
  Q68.在宅人工呼吸療法実施時の注意点を教えてください
 5.換気力学について理解しよう
  Q69.換気力学とはどういうことですか
  Q70.コンプライアンスについて教えてください
  Q71.動的コンプライアンス・静的コンプライアンスとは何ですか
  Q72.気道抵抗とは何ですか
  Q73.人工呼吸中の気道内圧値はどのようにあらわせますか
  Q74.グラフィックモニタの基本的な見方と評価方法について教えてください
  Q75.グラフィックモニタであらわされるループ波形の見方と評価法について教えてください
  Q76.回路内コンプライアンスとは何ですか
 6.トラブルと対処法
  Q77.人工呼吸器のトラブルと対処法について教えてください
  Q78.気道内圧異常・換気量異常・加湿異常について教えてください
  Q79.バッグバルブマスクとジャクソンリース回路の構造と特徴を教えてください
  Q80.手動換気時の注意点について教えてください
  Q81.呼吸療法サポートチーム(RST)について教えてください
 7.人工呼吸中の患者管理
  Q82.人工呼吸管理中の感染防止策について教えてください
  Q83.人工呼吸中の肺損傷発生要因を教えてください
  Q84.肺保護戦略による人工呼吸管理とはどのようなことですか
  Q85.肺リクルートメント法とはどのようなものですか
  Q86.気管挿管に伴う合併症を教えてください
  Q87.気管切開の適応と合併症を教えてください
  Q88.気管吸引の適応・方法・注意点を教えてください
  Q89.患者と人工呼吸器との非同調の原因と対応について教えてください
  Q90.nasal CPAPの適応と使用上の注意点を教えてください
  Q91.肺内パーカッション療法とは何ですか
 8.人工呼吸器に関する保守点検
  Q92.日常点検の方法について教えてください
  Q93.フィルタ交換はどの程度で行うべきでしょうか
  Q94.定期点検の方法を教えてください
  Q95.定期点検に必要な測定器を教えてください
  Q96.人工呼吸器や呼吸回路の滅菌や消毒方法について教えてください
  Q97.呼吸回路の交換の目安がありますか
II.酸素療法用機器
 1.原理・基礎
  Q98.低酸素血症とはどのような状態ですか
  Q99.酸素療法の目的と適応を教えてください
  Q100.酸素療法の方法(低圧酸素療法・高気圧酸素療法)について教えてください
  Q101.ハイフローセラピーとは何ですか
  Q102.酸素流量計の種類と構造について教えてください
  Q103.酸素療法の合併症を教えてください
 2.低圧酸素療法用機器
  Q104.低圧酸素療法に用いられる器具にはどのようなものがありますか
  Q105.ベンチュリマスクの原理を教えてください
  Q106.酸素療法用機器の取り扱い上の注意点を教えてください
  Q107.酸素の加湿は必要ですか
  Q108.ボンベの塗色と保管方法を教えてください
  Q109.ボンベ用圧力調整器の構造を教えてください
 3.高気圧酸素療法装置
  Q110.原理について教えてください
  Q111.適応について教えてください
  Q112.治療装置の構造を教えてください
  Q113.高気圧酸素治療室の設置基準について教えてください
  Q114.絶対気圧とゲージ圧について教えてください
  Q115.一般的な治療の工程(加圧・減圧プログラム)を教えてください
  Q116.治療前の確認項目を教えてください
  Q117.治療中・治療後の確認ポイントを教えてください
  Q118.治療中の合併症はありますか
  Q119.治療装置や湿潤器の消毒方法について教えてください
  Q120.酸素マスクの選択基準はありますか
  Q121.メディカルロックや緊急遮断弁の役割について教えてください
  Q122.装置内の温湿度制御や換気制御について教えてください
  Q123.第2種治療装置の消火設備について教えてください
  Q124.第2種治療装置に装備しなければいけない備品には,どのようなものがあるのでしょうか
  Q125.治療中に使用する椅子・ストレッチャーなどに選択基準はありますか
  Q126.ペースメーカや植込み型除細動器(ICD)の植込み患者の治療は可能ですか
  Q127.装置内で使用できるME機器について教えてください
  Q128.治療中に装置の異常警報が出ました.対処方法を教えてください
 4.在宅酸素療法用装置
  Q129.適応基準を教えてください
  Q130.在宅酸素療法での酸素供給装置について教えてください
  Q131.呼吸同調装置の役割は何ですか
  Q132.酸素濃縮器の原理と構造・特徴について教えてください
  Q133.酸素濃縮器のトラブル対策とメンテナンスについて教えてください
  Q134.酸素ボンベの航空機への持ち込みはできますか
III.吸入療法用機器
 1.吸入療法の基礎
  Q135.吸入療法の目的は何ですか
  Q136.エアロゾルの大きさと沈着部位に関係はありますか
  Q137.給湿方法(方式)と使用する装置の原理構造を教えてください
  Q138.使用される薬剤を教えてください
 2.吸入療法装置
  Q139.吸入療法に用いる装置の原理や構造を教えてください
  Q140.定量吸入器の仕組みと使用方法を教えてください
  Q141.超音波ネブライザの保守について教えてください
IV.麻酔器
 Q142.麻酔器の使用目的は何ですか
 Q143.麻酔器の構造を教えてください
 Q144.循環方式の分類と違いを教えてください
 Q145.麻酔器に組み込まれている安全機構を教えてください
 Q146.気化器の原理と構造を教えてください
 Q147.酸素フラッシュやAPL弁の役割は何ですか
 Q148.二酸化炭素吸収剤の効果と交換の目安を教えてください
 Q149.麻酔器の日常点検の方法を教えてください
 Q150.呼吸回路のリークテストの方法を教えてください
 Q151.麻酔ガス排除システムの必要性と仕組みについて教えてください
V.医療ガス
 Q152.医療ガス配管端末器の供給圧や供給流量はどの程度ですか
 Q153.医療ガスに関連する警報装置を教えてください
 Q154.配管端末器のピン方式について教えてください
 Q155.医療ガス配管の識別色を教えてください
 Q156.ボンべの塗色区分と検査について教えてください
 Q157.医療ガス安全管理委員会について教えてください
索引

編集の序

 人工呼吸器を駆使して行われる呼吸管理は、約60年前に気道内陽圧換気法による人工呼吸器が開発されて以来、臨床・研究の積み重ねと工学技術の進歩によって機器性能や安全性が著しく向上しています。以前は、人工呼吸器は集中治療室や手術室などの限られた場所で使用されていましたが、現在では一般病棟や在宅医療でも日常的に汎用されています。
 しかし、この人工呼吸器は誰もが簡単に操作できるわけではなく、ヒトの呼吸や循環などの機能(呼吸生理学)、人工呼吸器などの機能や特性、そして的確な操作方法と保守点検、およびトラブル対応などの理解と十分な訓練ができている医療者により操作が行われることが重要です。また、過去に起こった事故事例をみると、事故原因の多くは使用上の簡単な操作ミスや確認ミスであり、人工呼吸器などに関する基礎的な部分の理解がいまだ不十分であるといわれています。今後も複雑かつ多様化する一方で、このような状況で使用される傾向は益々強くなると考えます。
 このような背景から、本書『新ME早わかりQ&Aシリーズ3。呼吸療法装置』は、前身である『ME早わかりQ&Aシリーズ2。人工呼吸器・麻酔器』が1987年に発行されて以来31年ぶりの改訂になります。本書は前書のQ&A形式を承継しており、クエスチョン(Q)は前書の項目を基本として、基礎的な内容から新たに登場した臨床の最前線での項目を追加して、人工呼吸療法を中心とした157のQを取り上げました。また解説については、人工呼吸療法に初めて関わる医療者の方、医療者を目指す養成校の学生さんにも理解できるように、「分かりやすい解説にする」ということを心がけて、各執筆者に丁寧に解説していただきました。
 読者の皆様が医療者として今後も活躍されるなかで、本書を十分活用していただき、その結果が人工呼吸療法や酸素療法など呼吸療法の質の向上と医療安全向上に繋がれば、編者にとってこの上ない喜びです。
 最後に、お忙しいなか本書の企画趣旨にご賛同いただき、執筆を快く引き受けていただきました執筆者の方々に改めて感謝申し上げます。また、膨大な編集作業にもかかわらず辛抱強くご尽力いただきました株式会社南江堂の諸氏に心から深謝申し上げます。

2018年8月
廣瀬稔

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