書籍

理学療法士のための認定スクールトレーナーテキスト

監修 : 公益財団法人 運動器の健康・日本協会
協力 : 公益社団法人 日本理学療法士協会
編集 : 『理学療法士のための認定スクールトレーナーテキスト』編集委員会
ISBN : 978-4-524-26464-3
発行年月 : 2025年7月
判型 : B5判
ページ数 : 272

在庫あり

定価3,960円(本体3,600円 + 税)

  • 新刊

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

2024年に公益事業として確立された「認定スクールトレーナー」(ScT)の取得をめざす理学療法士のための実践テキスト.ScT養成講習会のカリキュラムに沿った目次構成のもと,子どもの運動器疾患・障害の予防教育活動に携わるうえで求められる基本的知識を体系的にまとめている.子どもに特有の病態や介入のための知識,疾患・障害への対応から保護者や教職員への保健指導のありかたも習得できる.運動器の専門医・学校医,養護教諭や教職員および学校現場の関連職種らと連携して子どもの健康増進に取り組むために,『理学療法士のための 学校における運動器疾患・障害予防教育マニュアル』とあわせて必読である.

I章 運動器の健康・日本協会の組織と歴史
01 Bone and Joint Decadeから現在にいたるまで
02 組織体制と主要事業
03 これまでの実績と成果物
04 内閣府の公益事業認定にいたる経緯と意義
II章 認定スクールトレーナー制度の概要
01 学校健康診断への運動器検診導入の経緯およびその現状と課題
02 認定スクールトレーナー制度の目的と背景
03 理学療法士の学校教育・学校保健との関わりの歴史と現状
04 学校における児童生徒等の負傷の実態と問題点
05 現代の児童生徒等の身体活動の現状と課題
06 認定スクールトレーナー養成講習会のカリキュラム
07 認定スクールトレーナーの資格
08 認定スクールトレーナー認定試験の目的と主眼
09 認定スクールトレーナーの各地域での活動のあり方と組織化
III章 各教科の構成と内容
1.学校教育および学校保健指導の基本的理解
01 学校教育とは
02 教育制度と学校
03 教育に関する法令
04 教職員の職務の理解
05 学校三師および心理・福祉職の理解
06 外部連携の理解
07 学校部活動のあり方
08 学校部活動のあり方(演習)
09 児童生徒等の理解と生徒指導の理解
10 児童生徒等の理解と生徒指導の理解(演習)
11 学校組織における認定スクールトレーナーの役割
12 教育接遇・チーム支援・保護者対応
III章 各教科の構成と内容
2.発達段階別心身の健康課題の特徴と理解
01 現代における児童生徒等の運動器の健康課題1
02 現代における児童生徒等の運動器の健康課題2
03 運動器検診と事後措置
04 運動器検診と事後措置(演習)
05 成長期の身体特性と外傷・障害の特徴1―小・中・高校生の発達段階と身体特性
06 成長期の身体特性と外傷・障害の特徴2―小・中・高校生の外傷・障害の特徴
07 成長期の身体特性と外傷・障害の特徴3―成長期における女児・女生徒の身体変化
08 成長期のスポーツ外傷・障害の治療と予防1―小・中・高校生の部位別スポーツ外傷・障害
09 成長期のスポーツ外傷・障害の治療と予防2―小・中・高校生の代表的スポーツ外傷・障害の治療
10 成長期のスポーツ外傷・障害の治療と予防3―小・中・高校生に生ずるスポーツ外傷・障害の予防
11 成長期スポーツ外傷・障害の予防―理学療法士の対応
12 運動不足に伴う内科的問題
13 成長期の心の発達・健康課題1
14 成長期の心の発達・健康課題2
15 個別配慮が必要な子どもへの支援1
16 個別配慮が必要な子どもへの支援2
3.学校における保健指導の進め方
01 トレーニング理論と指導方法
02 トレーニング理論と指導方法(演習)
03 体力テスト
04 体力テスト(演習)
05 救急対応/外科的対応
06 救急対応/外科的対応(演習)
07 救急対応/内科的対応
08 認定スクールトレーナーのための活動事例紹介1
09 認定スクールトレーナーのための活動事例紹介2
10 認定スクールトレーナーのための活動事例(演習1)
11 認定スクールトレーナーのための活動事例(演習2)
IV章 認定スクールトレーナーの活動に必要な基礎知識
01 学校保健安全法の概要と学校保健の実際
02 学校健康診断の概要
03 養護教諭の役割と業務
04 地域と学校の連携・協働
05 教員免許制度の概要―特別非常勤講師と特別免許状
06 スクールカウンセラーの歴史・役割および現状と課題

 公益財団法人 運動器の健康・日本協会はその前身の「骨と関節の10 年」日本委員会として2000 年に発足して以来,運動器の健康・日本賞などの顕彰事業,季刊誌『Moving』発刊などの広報事業,成長期のスポーツ外傷予防啓発,脆弱性骨折予防・運動器外傷の救急医療,運動器疼痛対策など,全世代の国民の運動器の健康増進に資するさまざまな取り組みを行ってきました.その中で,児童生徒等の運動器の健康の向上を図るため運動器医療・リハビリテーションに携わる理学療法士が学校現場で児童生徒等の運動器に関する予防教育活動に従事する「認定スクールトレーナー制度」の構築を進めてきました.本制度は2023 年には全国でモデル事業が行われ,2024 年には内閣府公益認定等委員会において公益事業と認定されました.同年8 月には第1 回の養成講習会および認定試験が行われ,130 名の認定スクールトレーナー第1 期生が誕生しました.これらの方々は今後,各地域の状況に応じて学校などの現場で,大学病院や中核となる医療機関,地方自治体・教育委員会と連携しながら児童生徒等の運動器の健康増進に関わる教育・啓発活動に従事されることが期待されています.
 当協会は2024 年7 月に認定スクールトレーナーに関するこれまでの知見,活動事例,各種資料をまとめた参考図書として『理学療法士のための学校における運動器疾患・障害 予防教育マニュアル─認定スクールトレーナーの活動の手引き』(南江堂)を刊行し,学校や地域の現場での活動に活用いただいています.今回,認定スクールトレーナーが実際に具体的な予防教育活動を行うにあたっての必要な知見や学校教育に関する基礎的知識・情報を体系的に整理した教科書として,新たに本書を発刊いたしました.
 本書は第1 回の養成講習会において講義された40 単位の教育内容を整理・編集し,当協会や認定スクールトレーナー制度の内容,文部科学省の進める「コミュニティ・スクール」の概要なども含めた非常に実践的な内容になっております.認定スクールトレーナー取得をめざす理学療法士の方々や教育養成機関の方々に加えて,学校保健の関係者,運動器の専門医や学校医など,児童生徒等の運動器の健康に関与するすべての方々にお役立ていただけるものと思います.
 本書を制作・刊行するにあたり,企画・編集に多大なるご尽力そしてご協力をいただいた当協会の皆様,公益社団法人 日本理学療法士協会をはじめとする関係各領域の皆様,編集作業を丁寧に進めていただいた南江堂の皆様に心より感謝を申し上げます.
2025(令和7)年6 月
公益財団法人 運動器の健康・日本協会 理事長/慶應義塾大学整形外科学 教授
松本守雄

9784524264643