書籍

当直医実戦マニュアル改訂第5版 増補版

監修 : 実戦マニュアル編集委員会
編集 : 亀岡信悟/梅田悦生/滝口進/瀬下明良
ISBN : 978-4-524-26134-5
発行年月 : 2014年4月
判型 : B6変
ページ数 : 448

在庫品切れ・重版未定

定価5,390円(本体4,900円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

当直医のバイブル/当直医向けマニュアルの元祖として好評の「当直医実戦マニュアル」最新版。当直での診察に即して症状別に処置・診断・対応の実際と個別の対応を要する疾患をまとめた。今増補版では薬剤に関する情報・ガイドライン等を最新のものに更新した。入院させるか、他院に搬送すべきか、翌日までどうしのぐか、といったノウハウを凝縮させた一冊。

PartI 当直における基本的知識
1 当直にあたって
2 時間外診療の基本
 A.時間外診療で特に留意しておくこと
 B.緊急時のノウハウ
 C.部位別診察法
 D.入院させての一般処置
 E.診断書の書き方
3 時間外診療での留意点
 A.小児の診察・投薬
 B.妊娠と薬
 C.輸液についての知識
 D.抗菌薬の使い方
 E.鎮痛薬の使い方
4 当直医のための実戦リスクマネジメント
 A.リスクマネジメントの基本
 B.リスクマネジメントの実戦
 C.当直医に関わる法律の基礎知識
PartII 症状からの対応
1 全ての場合に基本となるパターン
2 浮腫・腫脹
 A.急性腎不全
 B.薬疹
 C.ネフローゼ症候群
 D.肝硬変
 E.粘液水腫(昏睡)
3 倦怠感
 A.低血糖
 B.低血圧症
 C.貧血症
 D.高血糖
 E.急性腎不全
 F.うつ病(気分障害)
 G.肝硬変
4 全身衰弱
 A.感染症
 B.慢性消化器障害
 C.悪性腫瘍
 D.糖尿病
 E.神経性食思不振症
 F.下垂体前葉機能低下、副腎皮質機能低下
5 ぐったりしている
 A.熱中症(熱射病)
 B.薬物中毒
 C.ガス中毒
 D.急性肝炎(付:劇症肝炎)
 E.脳梗塞(塞栓症)
 F.脳炎
 G.高血糖
 H.急性腎不全
 I.急性心筋梗塞
 J.粘液水腫
 K.感染症
 L.肝膿瘍
6 発熱・高体温
 A.かぜ症候群、インフルエンザ
 B.急性肺炎
 C.急性腎盂腎炎
 D.骨盤腹膜炎・骨盤内付属器炎(PID)
 E.胆嚢炎、胆管炎
 F.熱中症(熱射病)
 G.甲状腺クリーゼ
 H.白血病
 I.単純疱疹(herpes simplex)
 J.急性発疹症
 K.手足口病
 L.猩紅熱
 M.水痘
 N.風疹
 O.伝染性単核症
 P.肝膿瘍
 Q.急性肝炎・劇症肝炎
7 意識障害
 A.ショック
 B.CO2ナルコーシス
 C.低血糖
 D.糖尿病性昏睡
 E.高血圧性脳症
 F.肝性脳症
 G.甲状腺クリーゼ
 H.急性副腎不全
 I.脳炎
 J.髄膜炎
 K.脳梗塞
 L.脳出血
 M.一過性脳虚血発作(TIA)
 N.てんかん
8 痙攣
 A.てんかん
 B.破傷風
9 頭痛
 A.くも膜下出血
 B.脳出血
 C.慢性硬膜下血腫
 D.脳膿瘍
 E.側頭動脈炎
 F.片頭痛
 G.緊張型頭痛
 H.急性緑内障発作
10 顔面痛
 A.急性副鼻腔炎
 B.三叉神経痛
 C.帯状疱疹
11 四肢の運動・知覚麻痺
 A.脳出血
 B.脳梗塞(血栓症・塞栓症)
 C.一過性脳虚血発作(TIA)
 D.過換気症候群
 E.てんかん
 F.ガス中毒
12 四肢のトラブル(疼痛・関節痛)
 A.四肢外傷
 B.四肢の骨折
 C.脱臼
 D.肘内障
 E.捻挫
 F.蜂巣織炎
 G.痛風
 H.偽痛風
 I.石灰沈着性腱板炎
 J.根性神経痛
 K.筋肉痛・腱鞘炎
 L.化膿性関節炎
 M.急性化膿性骨髄炎
 N.深部静脈血栓
 O.閉塞性動脈硬化症(ASO)
 P.閉塞性血栓性血管炎(TAO)[Buerger病]
13 腰痛
 A.急性腰痛症
 B.腰椎椎間板ヘルニア
 C.転移性脊椎腫瘍
 D.椎間板炎・椎体炎
 E.胸椎・腰椎の骨折
 F.腎・尿路結石
14 外傷(四肢を除く)
 A.頭部外傷(含.脳挫傷)
 B.むちうち損傷
 C.脊髄損傷
 D.胸部外傷
 E.腹部外傷
 F.直腸・会陰部外傷
 G.尿路外傷
 H.虐待症候群
15 嘔吐・嘔気
 A.食中毒・感染性胃腸炎
 B.急性虫垂炎
 C.イレウス
 D.急性胃炎[付:急性胃粘膜病変(AGML)]
 E.胃・十二指腸潰瘍
 F.急性膵炎
 G.急性肝炎
 H.急性腸炎
 I.アニサキス症
 J.一過性脳虚血発作(TIA)
 K.脳炎
 L.脳梗塞
 M.妊娠悪阻
 N.消化管アレルギー
 O.肥厚性幽門狭窄症
 P.腸重積
 Q.アセトン血性嘔吐症
16 吐血・喀血
 A.食道静脈瘤破裂
 B.急性胃炎
 C.胃・十二指腸潰瘍
 D.気管支拡張症
 E.急性肺炎
 F.肺結核
 G.急性肺塞栓
 H.胸部外傷
 I.百日咳
 J.アセトン血性嘔吐症
 K.肥厚性幽門狭窄症
17 下痢
 A.急性腸炎
 B.食中毒・感染性胃腸炎
 C.憩室炎(付:Meckel憩室)
 D.潰瘍性大腸炎
 E.Crohn病
 F.腸結核
 G.過敏性腸症候群
 H.胃腸内異物
 I.直腸異物
 J.直腸・会陰部外傷
18 下血
 A.潰瘍性大腸炎
 B.痔出血(痔核、裂肛)
 C.食中毒・感染性胃腸炎
 D.腸重積
 E.薬剤性腸炎
 F.胃・十二指腸潰瘍
 G.憩室炎(付:Meckel 憩室)
19 腹痛
 A.食中毒・感染性胃腸炎
 B.胃・十二指腸潰瘍
 C.イレウス
 D.消化管穿孔
 E.アニサキス症
 F.急性虫垂炎
20 腹部膨満
 A.イレウス
 B.尿閉
 C.便秘症
21 黄疸
22 動悸・息切れ
 A.急性心筋梗塞
 B.狭心症
 C.不整脈
23 呼吸困難・喘鳴
 A.気管支喘息
 B.気胸
 C.急性肺炎
 D.急性肺塞栓
 E.無気肺
 F.過換気症候群
 G.胸膜炎(胸水貯留)
 H.仮性クループ
 I.急性肺水腫
 J.胸部外傷
24 咳嗽・痰
 A.気道異物
 B.かぜ症候群
 C.気管支拡張症
 D.急性肺炎
 E.百日咳
 F.気管支喘息
 G.気胸
 H.肺結核
25 胸痛
 A.急性心筋梗塞
 B.狭心症
 C.解離性大動脈瘤
 D.急性肺塞栓
26 チアノーゼ
 A.急性肺炎
 B.気管支喘息
 C.無気肺
 D.小児の喘息発作
27 頻尿・排尿痛(排尿時違和感・残尿感)
 A.多尿をきたす疾患
 B.膀胱炎
 C.尿道炎
 D.腎・尿路結石
28 尿閉、欠尿、無尿
 A.前立腺肥大・前立腺炎
 B.急性腎不全
29 血尿
 A.腎・尿路結石
 B.尿路外傷
30 眼痛
 A.異物
 B.コンタクトレンズ障害
 C.麦粒腫、急性霰粒腫(いわゆるものもらい)
 D.角結膜炎
 E.眼外傷
 F.急性緑内障発作
 G.薬傷(酸・アルカリ外傷)
 H.電気性眼炎
31 視力障害
 A.急性発症(主に片眼)
 B.急性発症(主に両眼)
 C.慢性発症
32 発疹・皮膚病変
 A.麻疹
 B.風疹
 C.水痘
 D.帯状疱疹
 E.単純疱疹(herpes simplex)
 F.手足口病
 G.伝染性単核症
 H.突発性発疹
 I.伝染性紅斑
 J.Gianotti病・Gianotti症候群
 K.丹毒
 L.伝染性膿痂疹
 M.猩紅熱
 N.ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
 O.梅毒
 P.ツツガムシ病
 Q.接触皮膚炎
 R.蕁麻疹
 S.薬疹
 T.多形滲出性紅斑
 U.結節性紅斑
 V.アナフィラクトイド紫斑病(Schonlein-Henoch紫斑病)
 W.川崎病(急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)
33 皮膚掻痒症
34 凍傷
35 熱傷
36 嚥下困難
 A.急性喉頭蓋炎
37 咽頭痛
 A.かぜ症候群
 B.急性咽頭炎・急性上気道感染症(かぜ、感冒)
38 鼻出血
39 耳出血
 A.急性中耳炎
40 めまい
41 精神異常・行動異常
 A.虐待症候群
 B.急性アルコール中毒
 C.神経性食思不振症
 D.不安神経症
 E.アルコール離脱症候群
 F.頭部外傷(含.脳挫傷)
 G.脳炎
 H.肝性脳症
PartIII 救急医療に不可欠な手技
 1 AED
 2 創処置
 3 気管挿管
 4 胸腔穿刺・ドレナージ
 5 経鼻胃管挿入
 6 導尿
索引

2004年に新卒後臨床研修医制度がスタートして、はや10年が経過した。医師不足、医師の都市部集中化など新たな問題も顕在化してきた。救急現場、夜間、休日の診療体制における不備も社会問題化している。制度上の見直しも喫緊の課題であるが、これを担う医師の充足、実力アップも並行して整備されねばならない。すぐに相談できる先輩医師も少ない夜間や休日、自力で患者さんから情報を汲み取り、これらの情報から診断という答えを導き出し、治療に移る。このような経験を数多く積み、即戦力となる医師が今まさにわが国に求められている。
 本書は1995年に初版が発行され、当直時の座右の書として多くの医師のプライマリ・ケアの習得に役立ってきたと自負している。2010年に全面改訂した改訂第5版を刊行してから4年が経ち、ここに増補版を上梓することになった。改訂第5版では、第一に従来版の「症状からの対応」と「時間外に遭遇する主な傷病」を統合し、「症状」から「疾患・対応」を直接チェックできるようにした。さらに、疾患名から容易にアプローチできるよう、巻頭に疾患リストを付記した。第二に、昨今の社会のニーズに対応すべく「当直におけるリスクマネジメント」を充実させた。第三に、当直の場面で判断に迷わぬよう、急ぎ行わねばならないこと(Must)と、してはならないこと(Never)をできるだけ明確に記載した。また、侵襲を伴う手技や処置はその重要度をランク分けし、マークを付けた。
 今回の増補版では、薬剤関連の情報を最新のものに改めるとともに、iOSでダウンロード・閲覧可能な同書籍のアプリケーションのダウンロード権を付した。
 装丁やサイズは評判のよかった従来版に準じた。当直では机についてゆっくりと分厚い蔵書をひもとく余裕などない。本書はポケッタブルで、さらに手際よく「症状」から「疾患・対応」まで引き出せるようになった。本書を購入された諸兄姉には決して後悔させないと確信している。
 最後に、編集協力者の諸先生方をはじめ、実戦マニュアル編集委員会の梅田悦生先生、滝口進先生ならびに瀬下明良先生に心から感謝の意を表します。

2014年4月
東京女子医科大学第二外科教授
亀岡信悟

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