書籍

TAVI実践マニュアル

監修 : 林田健太郎
編集 : OCEAN-SHD研究会
編集協力 : 山本真功/渡邊雄介
ISBN : 978-4-524-25971-7
発行年月 : 2018年8月
判型 : B5
ページ数 : 210

在庫あり

定価7,150円(本体6,500円 + 税)


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  • 主要目次
  • 序文

高齢化により患者数が増加している大動脈弁狭窄症の新たな治療法として注目を集めるTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)の実践書。TAVIの基本的な事項から適応、スクリーニングのポイント、症例に合った人工弁やアプローチ選択の考え方、手技の実際、合併症とその対策まで、国内におけるTAVIの第一人者を筆頭としたOCEAN-SHD研究会により徹底解説。TAVIの手技を習得中の医師、これからTAVIを学び始める医師必携の一冊。

I TAVIと大動脈弁狭窄症
 A.TAVIの現状と将来展望
 B.大動脈弁狭窄症の基本知識
  コラム low-flow low-gradient severe AS
II TAVIの適応・スクリーニングを理解しよう
 A.TAVIの基本を学ぶ
  1.内科医から見たTAVIの適応
  2.外科医から見たTAVIの適応
  3.TAVIチームの組織
   コラム 低〜中等度リスク症例に対するTAVI
   コラム TAVI弁の耐久性(durability)
 B.TAVI成功のためのスクリーニング
  1.総論:何を評価するのか
   コラム TAVI後の非心臓手術のマネージメント
  2.患者背景
  3.大動脈弁複合体
  4.血管アクセス
   コラム TAVIに関する現在までのエビデンス
III TAVIを実践しよう
 A.Sapien 3 vs Evolut R−どのようなケースでそれぞれの弁が有用か
  コラム 新規デバイス
 B.Sapien使用の実際
  1.Sapien 3のサイジング
  2.経大腿動脈アプローチ(TF)
   I.セッティングからシース挿入まで
   II.デバイス挿入から大動脈のトラッキングまで
   III.デバイス弁通過から止血まで(位置決め・留置・デバイス抜去・シース抜去)
  3.経心尖アプローチ(TA)
   コラム TAVI時代に心臓外科医はどうあるべきか
 C.Evolut R使用の実際
  1.Evolut Rのサイジング
  2.経大腿動脈アプローチ(TF)
  3.経鎖骨下動脈アプローチ(TSc),直接大動脈アプローチ(DA)
 D.TAVIの麻酔
  1.全身麻酔
  2.局所麻酔
 E.さまざまな条件におけるTAVI実践のポイント
  1.局所麻酔下のケース(術者より)
  2.僧帽弁人工弁置換術後のケース
  3.高度石灰化
  4.大動脈屈曲
  5.冠動脈プロテクション
  6.経腸骨動脈アプローチ,硬膜外麻酔
   コラム 二尖弁へのTAVI
   コラム 緊急TAVIとは
 F.TAVI術中にどのように血行動態破綻を防ぐか−緊急体外循環使用ゼロへ
IV 症例から学ぶ合併症とその対策
 A.心臓合併症
  1.弁周囲逆流(PVL)
  2.冠動脈閉塞
  3.弁輪破裂
  4.心タンポナーデ
  5.房室ブロック
  6.弁脱落
  7.左室穿孔
   コラム ST-junctionが詰まった症例
 B.心臓外合併症
  1.血管合併症
  2.脳血管障害
  3.出血
   コラム TAVI周術期の抗血栓療法
   コラム 腎障害とTAVI
V 術後管理をおさえよう
 A.術後評価
  コラム TAVI術後CT
 B.術後管理
索引

序文

 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は外科手術が困難な重症大動脈弁狭窄症に対する低侵襲な治療オプションとして、2002年にフランスで第一例が施行された比較的新しい治療法である。開始当初は非常に危険性が高く、2009年に私がTAVIを修得するためにフランスに留学をした当時の周術期死亡率は10%と高率であった。
 フランスでは、同じ目的で留学していた山本真功先生・渡邊雄介先生と出会い、フランスにいながら自分たちができることは何なのか、TAVIをどのように日本に安全に導入するか、世界の患者さんや先生方のためにいかに役立つ情報を発信していくかという“public mission”を共有し、日本人の視点から研究を進めていき、論文を発表していった。我々が日本に帰国後、世界中の患者さんに役立つような研究を行い、日本からも世界と対等な立場でデータを発信していこうという目的から、フランス時代に使用していたデータベースを元にしてOCEAN-SHD研究会を発足するに至った。

 2013年に日本でもTAVIが保険償還されてから、日々の臨床で得られた情報を地道に皆で共有、発信してきた。またOCEAN-SHD研究会の仲間には多くの指導医(プロクター)が参加しており、全国の病院で手技指導を行うなどしてTAVIが日本に着実に根付くように日夜努力を続けている。現在日本における初期成績は30日死亡率2%以下という良好な水準を達成し、TAVIは日本においてもすでに確立された治療法としてなくてはならないものとなっている。
 今、OCEAN-SHD研究会は参加施設が20施設となり(2018年7月現在)、学閥を超えた多施設レジストリーによる日本発のエビデンスを世界に向けて発信し続け、すでに30報以上の論文を発表している。
 本書は、この“public mission”の一環として、我々が日常臨床、手技指導、研究活動から得た最新の治験やtipsに基づき、これからTAVIの手技を身に付けようとする方への基本的事項から、すでに実施されている方へのアドバンスな内容まで詳細を解説した実践書である。多忙な診療の中で原稿を仕上げていただいた執筆者の方々にはこの場を借りて深く感謝申し上げたい。
 欧米では、TAVIの適応が急速に拡大してきており、今後さらに発展していくことは間違いないであろう。本書が日本におけるさらなるTAVIの普及と治療成績向上への一助となり、大動脈弁狭窄症に苦しむ患者さんを救うために役立つことを願っている。

2018年7月
OCEAN-SHD研究会代表
林田健太郎