脊椎脊髄外科専門医試験問題集
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会 |
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編集 | : 脊椎脊髄外科専門医試験問題作成委員会 |
ISBN | : 978-4-524-25856-7 |
発行年月 | : 2017年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 122 |
在庫
定価6,050円(本体5,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
- 書評
日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会が共同で整備を進めている、新しい「脊椎脊髄外科専門医制度」のための試験問題集。脳神経外科・整形外科領域のsubspecialtyである同専門医制度の始動に先駆けて刊行。専門医取得ならびに既存の指導医・認定医資格更新をめざす医師に必須の一冊。専門医試験受験申込票付き。
疾患総論−問題
A 脊椎の解剖とバイオメカニズム
B 脊髄の解剖・機能・血管支配
C 神経学的診断
D 骨粗鬆症の病態
E 関節リウマチの病態
F 急性・慢性痛の病態
G 感染症
H 検査
I 神経ブロックやリハビリテーションを含めた保存的治療
J 脊髄性痙縮の病態,治療
疾患各論−問題
K1 変形性頚椎症・頚椎症性脊髄症・頚椎症性筋萎縮症
K2 関節リウマチによる頚椎病変
K3 頚椎椎間板ヘルニア
K4 頚椎後縦靱帯骨化症
K5 頚肩腕症候群・胸郭出口症候群
K6 脳性麻痺を合併した頚髄症
K7 脊椎脊髄損傷
K8 脊髄腫瘍
K9 脊椎腫瘍
K10 脊髄血管障害
K11 胸椎後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症
K12 胸椎椎間板ヘルニア
K13 腰椎椎間板ヘルニア
K14 腰部脊柱管狭窄症
K15 腰椎分離すべり症
K16 腰椎変性すべり症
K17 透析脊椎症
K18 化膿性脊椎炎
K19 結核性脊椎炎
K20 先天性・特発性側弯症
K21 腰椎変性側弯・後弯症
K22 骨粗鬆症
K23 脊椎椎体骨折,これによる遅発性麻痺
K24 脊髄空洞症
K25 嚢腫性病変
K26 脊髄係留症候群
K27 先天奇形
K28 脊髄ヘルニア
K29 非腫瘍性疾患
疾患総論−解説
A 脊椎の解剖とバイオメカニズム
B 脊髄の解剖・機能・血管支配
C 神経学的診断
D 骨粗鬆症の病態
E 関節リウマチの病態
F 急性・慢性痛の病態
G 感染症
H 検査
I 神経ブロックやリハビリテーションを含めた保存的治療
J 脊髄性痙縮の病態,治療
疾患各論−解説
K1 変形性頚椎症・頚椎症性脊髄症・頚椎症性筋萎縮症
K2 関節リウマチによる頚椎病変
K3 頚椎椎間板ヘルニア
K4 頚椎後縦靱帯骨化症
K5 頚肩腕症候群・胸郭出口症候群
K6 脳性麻痺を合併した頚髄症
K7 脊椎脊髄損傷
K8 脊髄腫瘍
K9 脊椎腫瘍
K10 脊髄血管障害
K11 胸椎後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症
K12 胸椎椎間板ヘルニア
K13 腰椎椎間板ヘルニア
K14 腰部脊柱管狭窄症
K15 腰椎分離すべり症
K16 腰椎変性すべり症
K17 透析脊椎症
K18 化膿性脊椎炎
K19 結核性脊椎炎
K20 先天性・特発性側弯症
K21 腰椎変性側弯・後弯症
K22 骨粗鬆症
K23 脊椎椎体骨折,これによる遅発性麻痺
K24 脊髄空洞症
K25 嚢腫性病変
K26 脊髄係留症候群
K27 先天奇形
K28 脊髄ヘルニア
K29 非腫瘍性疾患
脊椎脊髄外科専門医試験問題集発刊にあたって
一般社団法人日本専門医機構が組織され、2016年7月から新体制が稼働しました。今後は医学部を卒業し、医師国家試験に合格した専攻医は初期研修を開始し、新規研修システムのもとに基盤およびsubspecialty領域の後期研修を行うことになります。後期は領域によって3〜4年間の研修プログラムに沿った専門的な研修を受け、資格審査と試験に合格し、各領域学会と機構によって審議をされ、認定証が交付される予定です。
脊椎脊髄外科専門医制度は、2010年に整形外科と脳神経外科の両領域から専門医制度委員会が立ち上げられ、専門医制度の検討、認定と更新、研修プログラムの作成、研修施設の内容と審査、などが検討されてまいりました。2012年9月には基盤領域の日本整形外科学会と日本脳神経外科学会からsubspecialty領域の専門医である承認を受け、現在の日本専門医機構の前身である日本専門医制評価・認定機構から2013年7月1日に専門医制度として認定を受けていて、現機構に受け継がれています。一方で、二期目となって体制が変わった専門医機構における議論から、制度の進捗は今後変化する可能性もあります。
脊椎脊髄外科専門医制度における試験問題の作成は、日本脊椎脊髄病学会と日本脊髄外科学会の評議員(それぞれ当時164名、65名)を対象に2014年1月まで問題を作成していただきました。その後、両学会で理事会の承認を得て、検討委員会を立ち上げて問題の精査を何度も実施しました。出版社が公募され、審議の結果、南江堂に決定しました。ゲラ刷りを用いて再度、試験問題作成委員会(中村雅也、竹下克志、飛騨一利、谷口真、高見俊宏、波呂浩孝)で審議会を多数開催し、推敲を重ねました。その後、両学会理事の先生方にご高閲いただき、ご指摘いただいた箇所を修正加筆し、出版の段となりました。ここまで3年を要しました。まだまだ改善の余地は残されているとは存じますが、現状では専門医として標準的な問題の作成、わかりやすい解説、豊富な引用という点に関してはクリアできたのではないかと考えております。また、これまでの過程で整形外科と脳神経外科のそれぞれの基盤を持つ医師が、別々の得意分野に対して責任をもって担当し、最終的には脊椎脊髄外科の広範な担当分野を網羅する良い問題集を作成できたと思っております。両学会の評議員の先生方、試験問題作成委員会の先生方、また出版に賛同いただき多大なる支援をいただいた南江堂の枳穀智哉氏、杉山孝男氏には深謝申し上げます。
最後に、専門医制度確立の主要な目的である“国民に理解しやすい安全で標準的な医療を提供でき、専門性が高い脊椎脊髄外科専門医の育成”のために、本書が有用な問題集となることを切望します。
脊椎脊髄疾患における専門医制度作業部会
脊椎脊髄外科専門医試験問題作成委員会
委員長 波呂浩孝、飛騨一利
新専門医制度での二階建て部分に相当する脊椎脊髄外科領域の専門医資格の行く末は現時点でも不透明ですが、その専門医試験向けの問題集が先にできました。制度設計よりも先に専門医として求められる経験や知識が確定されたということです。専門医としての知識水準は、脊椎脊髄領域の外科医として本来的にあるべき姿を求めて、日本脊椎脊髄病学会と日本脊髄外科学会の合同委員会によって決められました。
脊椎脊髄外科専門医になるためには、すでに認定が終わっている研修施設で手術経験を積んだうえで、筆記試験を受験します。筆記試験はプール問題から出題されることになっていますが、最初のプール問題を集めたものが本書となります。
本書は問題編と解説編に分かれています。問題編は、さらに疾患総論と各論から構成され、総論では解剖、検査、病態、診断などについて47題の問題が並んでいます。各論では29領域125題が掲載されており、それぞれについて解説がコンパクトにまとめられています。
個々の問題は決してむずかしいわけではなく、オーソドックスなmultiple choice questionです。選択肢の組み合わせではなく、せいぜい二つの選択肢を選ぶ問題(医師国家試験でいうX2type)です。まったく勉強していなくても8割程度は、普通に正解に辿り着くことができます。資格試験なので、正答が決められた一定の合格水準を上回ればよいわけですが、専門医としてはどうしても満点にこだわりたくなります。しかし、若いころに勉強したはずの知識があいまいになったり、逆に専門医としてなまじ何年も経過したために独善的な考えに陥ったりすることで間違えます。また、年を取ったせいでしょうか、問題の設定を勘違いして不正解になったりもします。わかっていたのに選択肢の数を間違えた、などという言い訳をしますが、公式の試験なのでそれは通用しません。とにかく、事前にこの問題集を解くことによって、古い知識を新しいものにかえ、あいまいな知識を確かなものにし、かつ受験テクニックもブラッシュアップできることは間違いがありません。
本書の後半には解説がまとめられています。問題集をつくる立場からいえば、おそらく問題を作成するよりも解説に腐心したはずです。多くの問題は、既存のガイドラインや『標準整形外科学』(医学書院)を参考にしたようであり、解説文のあとにreferenceがついています。コンサイスにまとめられた解説文で、理解が不十分な時にはそれらをもとに勉強すればよいわけです。
専門医試験という与えられた機会をとらえて、改めて脊椎脊髄の最新の知見を獲得するのもわるくありません。本書を知識の整理のために使う手もあるように思います。ただ、専門医試験を受験するには、本書に添付された受験申込票が必要なので、必ず一人1冊購入する仕組みなっているのをお忘れなく。
臨床雑誌整形外科68巻12号(2017年11月号)より転載
評者●東京医科歯科大学整形外科教授 大川淳