内視鏡下縫合・結紮手技トレーニング(DVD付)
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 日本内視鏡外科学会教育委員会 |
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編集 | : 黒川良望 |
ISBN | : 978-4-524-25855-0 |
発行年月 | : 2016年7月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 118 |
在庫
定価9,350円(本体8,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
日本内視鏡外科学会主催の内視鏡下縫合・結紮手技講習会での講習内容をベースとした、同手技の基本を学べる実践書。トレーニング法から実際の手術における臓器別・術式別の縫合・結紮の方法や注意点までをまとめた。付録DVDには各術者の手技の実際と、手元の動きと術野の動きを連動したトレーニング法を収録。これから内視鏡下手術を始める、手技のレベルアップを図る外科医に最適の一冊。
ChapterI トレーニングに入る前に−内視鏡下縫合・結紮の基本概念
A.定義,用語
B.縫合・結紮の準備
C.縫合・結紮の基本操作
ChapterII 縫合・結紮手技トレーニング
A.トレーニングの流れ
B.到達度評価
C.トレーニングボックスの使い方
D.トレーニングの実際
1.針の把持と運針の基本
2.糸結び,縫合
a.square knot/surgeon’s knot
1 基本手技
2 thumbs up法
3 P-loop法
b.slip knot法
c.overwrap/underwrap
d.連続縫合
e.loop法および体外結紮法
ChapterIII 実臨床での縫合・結紮
A.領域別,術式別の縫合・結紮
1.消化器外科領域における縫合・結紮の実際
a.潰瘍穿孔に対する手術
b.噴門形成術
c.食道空腸吻合
1 腹腔鏡下手縫い吻合
2 自動縫合器挿入孔の閉鎖
d.胃部分切除後の縫合閉鎖
e.胃切除後の内ヘルニアの予防
f.胃腸吻合:腸管手縫い吻合
g.胆嚢管縫合,胆管縫合
h.胆管,胆嚢管切開部の縫合
i.胆管空腸吻合
j.TAPP法による腹膜閉鎖
2.婦人科領域における縫合・結紮の実際
3.呼吸器外科領域における体外結紮法
B.応用:特殊な状況における縫合・結紮
1.ワーキングスペースが狭い状況での縫合・結紮
2.止血縫合
序
最近30年の内視鏡外科の発展は新しい医療機器の開発が支えとなっているが、一方で手作業の宿命として、外科医個人の基本手技の習得と術式の標準化が基盤となっている。つまり1990年代初頭、それまでメス、ピンセットやメッツェンを用いて手術をしていた外科医にとって、内視鏡外科の出現は新たなテクニックの習得を必要とした。急速な腹腔鏡下胆.摘出術の普及を支えたのが、米国で数多く開催された動物を使ったトレーニングプログラムである。このような初期の講習を受けた“第一世代”は臨床経験を積み重ねる中で、ラーニングカーブを描きながら成長するとともに、手術操作を片手から両手で行うようになり、縫合・結紮操作も習得して、いわゆる“advanced surgery”を開発していくことになる。機能を特化した持針器や針受け鉗子も発売され、オープンサージャリーで行われていたのと同様の結紮や手縫い縫合・吻合が紹介され、次第にその習得の重要性が認識され始めた。
そのような時期にあった2005年3月にスタートした、日本内視鏡外科学会が主催する内視鏡下縫合・結紮手技講習会は、本年2016年3月までに150回開催され、受講者は3,000人を超えた。トレーニングボックスを用いたトレーナーによる直接指導で縫合・結紮手技の基本動作を教習することにより、内視鏡手術の基礎となるhand-eye coordinationや両手の協調運動を習得することを目的とした。
本書の構成はこの講習会で使用したテキスト内容をベースにし、詳細な説明を加え、さらに講習会では十分に説明しきれなかった消化器外科を中心とした臨床動画を加えて、縫合・結紮のコツをエキスパートに解説していただいた。講習会修了者には臨床応用の参考に、熟練者にも自身の方法と比較をしながらより安全確実な手技の開発の契機としていただきたい。
10年以上にわたる縫合・結紮手技講習会の事業継続を支えた大きな要素に、日本内視鏡外科学会教育委員会メンバーを中心にしたコーディネーター、インストラクターの、本練習方法の普及と実践が内視鏡外科の底上げに.がるという信念がある。本書各項解説の担当もそのメンバーが中心となっている。各分担執筆者には本書執筆に加え、長年にわたる教育委員会事業への貢献に対し深く感謝いたします。
2016年6月吉日
日本内視鏡外科学会教育委員会委員長
黒川良望