書籍

CTパターンから理解する呼吸器疾患

所見×患者情報から導く鑑別と治療

  • 新刊

総編集 : 門田淳一
ISBN : 978-4-524-25494-1
発行年月 : 2018年12月
判型 : B5
ページ数 : 494

在庫あり

定価12,960円(本体12,000円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

「CT画像パターン」から、呼吸器疾患の診断、病態把握、治療方針までを理解する、これまでにない切り口の新しい書籍。臨床で遭遇する機会の多い疾患について、decision treeに沿って診療を進めていく過程を、アトラスとフローチャートを用いて解説した。CT画像パターンからの鑑別診断に加えて、画像所見で一発診断が可能な疾患、画像パターンが多彩なためCTでは診断が困難な疾患、症状の割に画像所見が乏しい疾患、症状が軽微なのに画像所見は派手な疾患など、エキスパートの読影テクニックが満載。巻末にはクイズ症例も掲載。呼吸器科医、放射線科医だけでなく、これから呼吸器疾患を学ぶ学生や研修医にもおすすめ。

本書の使い方
呼吸器疾患のCT画像パターンとdecision tree
呼吸器疾患のCT画像パターンアトラス
 1.びまん性粒状影
  A.胸膜・葉間に接している(リンパ路・血行性)
   a.気管支血管束周囲+小葉辺縁分布(リンパ路)
   b.ランダム分布(血行性)
  B.胸膜・葉間に接していない[小葉(細葉)中心性]
   a.境界明瞭な分岐状粒状影(細気管支病変)
   b.境界不明瞭な淡い粒状影(細気管支+細気管支周囲病変)
 2.広義間質を主座とする病変
  A.smoothな気管支血管束・小葉間隔壁の肥厚
  B.小葉間隔壁の肥厚+nodule(しばしば腫大リンパ節を伴う)
 3.嚢胞
  A..胞が主体
  B.consolidationやすりガラス影に付随する
 4.多発結節
  A.感染
  B.非感染
 5.consolidation
  A.分布による分類
   a.区域性
   b.非区域性
   c.領域性
   d.末梢がspareされる(リンパ路による排泄が関係)
  B.内部濃度による分類
   a.低濃度
   b.高濃度
  C.空洞(あるいは造影不良域)を伴う
  D.周囲散布像(小葉中心性粒状影)を伴う
  E.consolidationに小葉間隔壁肥厚を伴う
  F.consolidation内に牽引性気管支拡張を伴う
  G.移動するconsolidation
 6.びまん性すりガラス影・網状影
  A.crazy-paving appearance
  B.陰影内に牽引性気管支拡張を伴う
  C.honeycombing
  D.小葉中心性粒状影を伴う(ill-defined nodules)
  E.モザイクパターンを伴う
 7.CT sign
  A.CT halo sign
   a.感染
   b.非感染
  B.reversed halo sign
  C.galaxy sign
  D.angiogram sign
  E.gloved finger sign
  F.air-crescent sign/meniscus sign
  G.Swiss cheese appearance
 8.画像パターンで一発診断可能な疾患
 9.画像パターンが多彩で鑑別が困難な疾患(臨床所見が非常に重要となる疾患)
I章 CTの基本的な理解:画像パターンとその考え方
CTの基本的理解
 1.びまん性粒状影
 2.広義間質を主座とする病変
 3.嚢胞
 4.多発結節
 5.consolidation
 6.びまん性すりガラス影・網状影
 7.CT sign
 8.画像パターンで一発診断可能な疾患
 9.画像パターンが多彩で鑑別が困難な疾患(臨床所見が非常に重要となる疾患)
 10.症状が軽微なのに画像所見が派手な疾患
 11.症状のわりに画像所見が乏しい疾患
II章 CT画像パターンから紐解く呼吸器疾患:診断から治療方針まで
 1.びまん性粒状影
  A.胸膜・葉間に接している(リンパ路・血行性)
   a.気管支血管束優位(リンパ路)
   b.ランダム(血行性)
  B.胸膜・葉間に接していない[小葉(細葉)中心性]
   a.境界明瞭な分岐状粒状影(細気管支病変)
   b.境界不明瞭な淡い粒状影(細気管支+細気管支周囲病変)
 2.広義間質を主座とする病変
  A.smoothな気管支血管束・小葉間隔壁の肥厚
  B.小葉間隔壁の肥厚+nodule(しばしば腫大リンパ節を伴う)
 3.嚢胞
  A.嚢胞が主体
  B.consolidationやすりガラス影に付随する
 4.多発結節
  A.感染
  B.非感染
 5.consolidation
  A.分布による分類
   a.区域性
   b.非区域性
   c.領域性
   d.末梢がspareされる(リンパ路による排泄が関係)
  B.内部濃度による分類
   a.低濃度
   b.高濃度
  C.空洞(あるいは造影不良域)を伴う
  D.周囲散布像(小葉中心性粒状影)を伴う
  E.consolidationに小葉間隔壁肥厚を伴う
  F.consolidation内に牽引性気管支拡張を伴う
  G.移動するconsolidation
 6.びまん性すりガラス影・網状影
  A.crazy-paving appearance
  B.陰影内に牽引性気管支拡張を伴う
  C.honeycombing
  D.小葉中心性粒状影を伴う(ill-defined nodules)
  E.モザイクパターンを伴う
 7.CT sign
  A.CT halo sign
  B.reversed halo sign
  C.galaxy sign
  D.angiogram sign
  E.gloved finger sign
  F.air-crescent sign/meniscus sign
  G.Swiss cheese appearance
 8.画像パターンで一発診断可能な疾患
 9.画像パターンが多彩で鑑別が困難な疾患(臨床所見が非常に重要となる疾患)
III章 症例からのアプローチ:CT画像の読み方と鑑別診断Q&A
 1.持続する咳嗽があり,健診の胸部単純X線写真で異常を指摘された症例
 2.発熱とびまん性粒状影,consolidation・すりガラス影を認めた症例
 3.遷延する乾性咳嗽と鎖骨上窩の腫瘤を認めた症例
 4.発熱が続き喀痰の出現を認めた症例
 5.発熱に加え咳嗽の増強が認められた症例
 6.健診で多発結節影が認められた症例
 7.乾性咳嗽,労作時息切れをきたした症例
 8.咳嗽が持続し,後に発熱を呈した症例
 9.乾性咳嗽,発熱,呼吸困難を呈した症例
 10.発熱と起坐呼吸を呈した症例
 11.両側肺野にびまん性の.胞性病変が認められた症例
索引

序文

 胸部画像検査は呼吸器疾患の診断過程において重要な位置を占めている。まず行うべき検査法は胸部X線撮影であり、病歴や臨床所見で疑われる疾患と胸部単純X線写真の所見が矛盾しない、あるいは合致する場合には画像検査としては完結可能である。しかし、近年のCT装置の普及、また新たな画像再構成法による低線量化の進歩とともに、実臨床においては胸部X線撮影に引き続いて胸部CTが選択されることが多く、今後さらに撮影される機会が増えると予想される。
 これまでに出版されている呼吸器病学や胸部CT画像に関する教科書のほとんどは、疾患のカテゴリー別(感染症、腫瘍、びまん性間質性肺疾患、アレルギー性疾患など)、あるいは疾患別に記載されているため、それぞれ疾患について理解し、画像所見を学べるということに関しては有用であった。しかし日常臨床における診断手順は、カテゴリー別・疾患別に行われるわけではなく、通常は病歴聴取から始まり、身体所見、胸部単純X線写真・CT撮影と読影、検査所見などを加味して鑑別疾患を考え、さらに気管支鏡などの侵襲的な検査を経て最終的に確定診断、治療を行うといったdecision treeをたどっていくことになる。したがって、実際の臨床現場に沿った、これまでの教科書とは異なった視点での教科書が呼吸器病を学ぶ医師には必要と考える。
 本書はこのような実臨床に近い診断手順を踏むことを目的として、胸部CT所見をもとに放射線科医による鑑別診断の方法と解説を行い、そこに呼吸器科医による患者の臨床情報を加味することで、確定診断と治療にたどりつくことができる構成とした。呼吸器疾患は他の領域には類をみない多様性があり、多くの疾患が存在しているため、診断過程における画像、特に胸部CTの読影は必須である。放射線科医は限られた情報をもとに、撮影された胸部単純X線写真やCT所見から鑑別疾患を絞っていき、呼吸器科医は放射線科医の読影所見を参考に胸部画像を読影し、患者情報や臨床所見を加味して鑑別診断を絞り診断を行っていくことになる。
 具体的には、臨床で遭遇する機会の多い疾患をできるだけ取り上げて、典型的で主要な胸部CT所見を抽出し、画像パターン分類、すなわち陰影の性状と特徴[(1)びまん性粒状影、(2)結節影、(3)嚢胞、(4)空洞、(5)すりガラス影、(6)浸潤影(consolidation)など]および分布((1)小葉中心性、(2)気管支血管束周囲+小葉辺縁性、(3)ランダム)、その他の付随所見の組み合わせをもとにdecision treeを用いて鑑別診断ができるようにした。これらの鑑別疾患の中に、患者情報である症状の経過や身体所見、検査所見などを入れ込むことで、最終的に病態把握と疾患診断を絞ることができ、それに続く治療方針が明確になるようにした。さらにdecision treeでは語れないような、画像パターンで一発診断が可能な疾患、画像パターンが多彩であるためCTのみでは鑑別診断が困難な疾患、症状のわりに画像所見が乏しい疾患、症状が軽微なのに画像所見は派手な疾患も取り上げた。最後に、実症例を用いたQ&A形式のクイズ症例を掲載し、本書のまとめとして理解力を試すようにした。
 本書は診断過程から治療にいたるまで実臨床に近い、これまでの教科書にはない構成となっており、まるで推理小説のように謎解きの魅力が満載である。本書の使い方を参照しながら、知らないうちに実力がつくような実体験をし、呼吸器病学の面白さを実感していただきたい。

2018年11月
編者一同