書籍

新 英語抄録・口頭発表・論文作成 虎の巻

忙しい若手ドクターのために

: 上松正朗
ISBN : 978-4-524-25423-1
発行年月 : 2017年3月
判型 : A5
ページ数 : 186

在庫あり

定価2,700円(本体2,500円 + 税)


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  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

臨床・研究・学会活動で忙しい若手医師が“英語による”抄録作成・口頭発表・論文作成を行う際の“虎の巻”がバージョンアップ。「査読者の目を引く抄録タイトルは?」「学会発表前の準備は何から手をつければいい?」「通じる英語を話すには?」…こんな悩みを解決するための効果的かつ実用的なコツが満載。若手医師はもちろんのこと、指導を行う中堅医師にもオススメの一冊。

第1章 英語抄録「虎の巻」
 英語で学会抄録を書いてみよう
 “Sushi”theory
 なぜ採択されないのか
 まず“敵”を知る
 論理構成を明確に
 抄録の「設計図」をつくろう
 Title(タイトル)の考案
 Methods(方法)とResults(結果)
 Conclusions(結論)
 設計図の検討
 トピック文を英語に
 字数の調節
 添削の依頼
 例題
 チェックリスト
 まとめ
第2章 英語による口頭発表「虎の巻」
 はじめに
  喜びと不安
  早めに準備を
  準備の進め方
  発表の基本を確認する
  何が言いたいのかを明確に
 プレゼンテーション・ファイルの作成
  材料集め
  プレゼンテーション・ファイルはシンプルに
  Background(背景)
  Objective(s)(目的)
  Methods(方法)
  Results(結果)
  Conclusion(s)(結論)
  Conflict of interest(COI,利益相反)の開示
 読み原稿
  必ず読み原稿をつくろう
  文章は短く,シンプルに
  スクリーン上の文章と読み原稿の文章を一致させる
  スクリーン上の情報はすべて説明する
  Background(背景)
  Objective(s)(目的)
  Methods(方法)
  Results(結果)
  Conclusion(s)(結論)
 英語読み原稿とその解説
 口頭発表練習
  イメージトレーニング
  呼吸のコントロール
  単語の言い換え
  声に出すこと
  アイコンタクト
  リハーサル
 いよいよ本番
 質疑応答対策
  質問のメモをとろう
  質問を聞き返そう
  質問に対する答えは結論を先に
  共同演者からの助けは期待しない
  他の演題に質問しよう
第3章 話すための英語「虎の巻」
 英語は日本語より簡単
 英語と日本語の違い
 通じる発音とは
 発音の基本単位である音節を認識する
 子音の違い
 母音の違い
 アクセント(ストレス)の確認
 フレーズ単位で読む
第4章 いよいよ英語論文「虎の巻」
 論文を書くモチベーション
 臨床医なのになぜ論文を書くのか
 なぜ英語か
 英語論文の別刷による自己紹介
 指導者をみつける
 何を伝えたいのかを明確に
 時間をみつける
 まず用意するもの
 論文設計図の作成
 設計図をもとに,英文を作成する
 Title page
 Abstract and Key words
 Introduction(Background)を書く
 Methodsを書く
 統計処理についての記載
 Resultsをまとめる
 Discussionを書く
 Acknowledgments
 References
 Figure legends
 Tables
 Figures
 Titleを推敲する
 Abstractを書く
 利益相反(COI)の開示
 推敲する
 投稿規定のチェック
 カバーレターをつける
 翻訳業者への翻訳や校閲の依頼
 チェックリスト
第5章 論文を書くための英語「虎の巻」
 辞書の選び方,使い方
 英語らしい英語とは
 パラグラフについて
 トピック文
 時制について
 可算名詞と不可算名詞
 スピード冠詞決定法148
 前置詞の選び方
 まわりくどい文を引き締める
 可能性の表現法
 英文校閲の依頼
付録
 1 例文集
  口頭発表に関する例文
  Objectivesに関する例文
  Introduction,Discussionに関する例文
  従来の研究の引用に関する例文
  Methods,Resultsに関する例文
  Conclusionsに関する例文
 2 日本人にわかりにくい類語(佐川喜一著『英語で書く医学論文』より)
 3 参考図書
おわりに
索引

改訂版への序文

 『英語抄録・口頭発表・論文作成 虎の巻』の初版を上梓してから10年以上の歳月を経た。初版の序文でも述べたように、初版では筆者自身が若いときに知っていれば、もっとよい発表ができ、あるいはもっと要領よく論文を書くことができただろうにと思ったことを、忙しい後輩医師のためにできるだけ簡潔にまとめ、筆者自身が論文指導をする際の基本テキストとして使えるよう考慮した。忙しく診療に追われる後輩医師たちに対する筆者の心からのエールでもあった。幸い若手医師諸君にも院内外を問わず好評を博し、望外のロングセラーとなった。しかし、初版出版後10年が経過し、インターネットを中心として情報技術やインフラは格段に進歩した。テキスト情報を検索することはもちろん、動画や音声情報までも気軽に検索し触れることができるようになった。それらに伴い、わが国においても若い世代の英語力やプレゼンテーション力は着実に向上しているように思う。また「虎の巻」の出版をきっかけに英語発表や論文の書き方についての講演をさせていただく機会を得、貴重なご意見や質問をいただいた。これらを反映させることにより、より実践的で役に立つ「虎の巻」を作りたいという思いが強くなった。幸い南江堂から改訂のお話をいただき、喜んで改訂に着手した。
 簡潔であることと、わかりやすいことはしばしば矛盾する。本書の改訂に際しては、ていねいな解説を試みるとともに、忙しい若手医師が短時間で主要ポイントを把握できるよう全体のレイアウトを見直し、視覚的にわかりやすく表現するよう努め、かつ進歩したインターネット環境にも対応した内容を心がけた。さらに口頭発表やポスター発表のディスカッションにも役立つよう、「話すための英語」の章を新設した。本書がこれからも「格調高いあんちょこ」であり続け、若手医師のよき道しるべとなることによって、臨床研究の裾野が広がり、わが国から新たな医学情報が世界に発信されることを夢見て、改訂版への序文とする。

2017年3月
上松正朗

 偉そうにしている先輩方もかつては未熟者であり、多くの人は学会抄録、発表そして論文化に苦労していた時期があったはずである。ましてや、英語での発表となると、前の日から緊張して眠れないというようなことも経験した方は多いに違いない。では、どうやってそれを乗り越えてきたか。今までは数多くの失敗を繰り返し、身につけていくしかなかったのである。筆者も、大学院のときはどんなに指導教官に怒られたことであろう。今でもその経験は生きているが、そのときこの本があればどんなに平和な日々を送ることができただろう、そう思わせるのが、上松正朗先生の大ベストセラー「英語抄録・口頭発表・論文作成 虎の巻」の改訂版である。
 まず、旧版に比べ、レイアウトが一新され、さらに読みやすくなっている。オレンジを基調とした見出しも見やすく、参考にしたい項目もすぐわかるようになった。大きく改訂されたところは、インターネット環境がこの10年で激変していることに合わせ、PubMed検索などインターネットでできることについてより詳しく述べられている点である。ただし、電子辞書の有用性を強調されるなど、このインターネット時代においても、最良の方法は最新の方法に限らないという姿勢は貫かれている。また、ポスターディスカッションが増えている現状より、「話すための英語」の項が追加された。もちろん、一世を風靡した(?)「Sushi Therory」は冒頭から健在である。
 本書のもう一つの特徴は、本編に挿入されている多彩なコラムである。「アニメーションはほどほどに」や「図表のインパクト」などベテランでも重要性を再認識できる項目もあれば、「ちょっと一息」で記されているどのように海外でいいレストランにたどり着けるかや、「英会話スクール考」にある、上松先生が留学前に通われた英会話スクールでの淡い期待など、読んでいて楽しいものばかりである。読者は、上松先生の豊富な人生経験、文才に感服するとともに、実際にお会いしてお話を伺いたくなるような気持ちになるであろう。
 そう、本書は単なる英語論文ガイドブックではない。楽しい読み物なのである。そこが、ベストセラーとして多くの医師に受け入れられている理由である。今まで、多くの英語論文ガイドブックを購入して失敗してきた若手、そして中堅以上の方々にもぜひ気軽に読んでいただき、楽しんでいただければと思う。そして、読み切った後、みんながこう思うようになる。「あー、早く発表したい」。かくいう筆者も、久しぶりに海外学会の一般演題を出してみようかなあ、と思ってきた。

臨床雑誌内科120巻6号(2017年12月号)より転載
評者●大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学教授 坂田泰史