書籍

血管診療技師(CVT)テキスト

脈管診療にかかわるすべてのスタッフのために

編集 : 血管診療技師認定機構
ISBN : 978-4-524-25275-6
発行年月 : 2019年6月
判型 : B5
ページ数 : 304

在庫あり

定価6,930円(本体6,300円 + 税)


  • お気に入りに登録

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

血管診療技師(CVT)を目指す臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、看護師等を対象とした『血管無侵襲診断テキスト』の改訂新版。血管疾患の病態から検査・診断、治療までを体系的に学ぶことができる。巻末には血管診療技師認定試験例題がついて、試験対策にも最適なものとなっている。

総論
 1章 血管診療技師とは
  A 血管診療技師(CVT)とは
  B 資格取得・更新
 2章 脈管診療にあたる心構え
  A 脈管疾患診断に対する心構え
  B 脈管疾患治療に対する心構え
 3章 血管診療技師の役割
  A CVT臨床検査技師の役割
  B CVT看護師・准看護師の役割
  C CVT診療放射線技師の役割
  D CVT臨床工学技士の役割
  E CVT理学療法士の役割
 4章 CVTに必要な解剖・生理の知識
  A 解剖の基礎
  B 生理の基礎
  C 血液凝固線溶系の基礎
各論
 1章 脈管疾患の診断
  A 理学的診断法
  B 生理機能検査
   1.概説
    a)生理機能検査の重要性
    b)検査環境を整える−検査の進め方
   2.各論
    a)足関節・上腕血圧比(ABI)
    b)足趾血圧(TP),足趾・上腕血圧比(TBPI,TBI)
    c)脈波伝搬速度(PWV・CAVI)
    d)指(趾)尖容積脈波/加速度脈波
    e)トレッドミル検査
    f)近赤外線分光法(NIRS)
    g)皮膚灌流圧(SPP)
    h)経皮酸素分圧(TcPO2)
    i)サーモグラフィー
    j)空気容積脈波(APG)
    k)FMD
  C 超音波検査
   1.概説
   2.各論
    a)頸部の血管
    b)末梢動脈
    c)IVUS
    d)腎動脈
    e)末梢静脈
    f)リンパ管疾患
    g)バスキュラー・アクセス(vascular access:VA)
    h)経食道エコー
  D CT
   1.概説
   2.各論
  E MR
   1.概説
   2.各論
  F 造影検査
   1.概説
   2.各論
  G 核医学検査
   1.概説
   2.各論
 2章 脈管疾患の治療
  A 下肢閉塞性動脈硬化症
   1.治療指針
   2.内科的治療
   3.血管内治療
   4.外科的治療
   5.形成外科的治療
  B 急性下肢動脈閉塞
  C 大動脈瘤・大動脈解離
   1.治療指針
   2.内科的治療
   3.血管内治療(ステントグラフト内挿術)
   4.外科的治療
  D 他の末梢動脈疾患
    a)頸動脈,椎骨動脈疾患
    b)四肢末梢動脈瘤
    c)膝窩動脈捕捉症候群
    d)膝窩動脈外膜嚢腫
    e)高安動脈炎
    f)Buerger病
    g)Behcet病
    h)その他の血管炎および膠原病による血管病変
    i)動脈の機能性疾患
    j)胸郭出口症候群・鎖骨下動脈盗血症候群
    k)腹部内臓動脈疾患
    l)糖尿病性足疾患
    m)blue toe syndrome
    n)動脈外傷
  E 下肢静脈瘤
  F 深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症
  G 血管腫,血管形成異常,動静脈瘻
  H リンパ浮腫
  I ナースによるフットケア
    a)末梢動脈疾患のフットケア
    b)末梢静脈疾患のフットケア
    c)リンパ管疾患のフットケア
    d)糖尿病性足病変のフットケア
  J バスキュラーアクセスの管理
    a)バスキュラーアクセスの作製
    b)バスキュラーアクセストラブルへの対処
    c)バスキュラーアクセスケア
付録 血管診療技師認定試験例題
索引

序文

 第2次世界大戦後に生じた大きな変化は、ベビーブーム世代の高齢化に加えた少子化により、世界に類を見ない相対的な超高齢化社会が出現し、さらには食生活を含めた生活様式の変化による糖尿病や脂質異常症の急増などを背景に、疾病構造は大きく変化してきた。血管疾患も例外ではなく、動脈瘤や閉塞性動脈硬化症などの動脈疾患が急増し、静脈瘤や深部静脈血栓症、がん術後に生じるリンパ浮腫なども相俟って増加して、血管疾患は日常診療で遭遇するまれな疾患ではなくなった。血管疾患、特に四肢に生じる疾患診断は比較的容易である。視診や聴診、触診などの基本的な理学的診断で、疾患の存在診断は可能である。五感で得られた情報を、客観的な評価指標として表現してはじめて情報を共有することができ、病態の解析、経過観察、診断基準の作成などが可能となる。特に血管疾患領域においては、20世紀後半からの著しい画像診断の進歩、非侵襲的な種々の血流検査法の出現により、疾患の存在診断や機能評価は容易となってきた。また、その治療も、薬物療法と外科手術だけでなく、血管内診療、リハビリテーション、フットケアなどが発展した。そしてこれらの検査や治療を行う医療関係者は、医師のみならず臨床検査技師、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師、理学療法士など多岐に及んでいる。日本血管外科学会や日本脈管学会、日本静脈学会、日本動脈硬化学会は、これら血管診療に携わる関係者に、血管疾患に関する基礎知識の取得、診療技術水準の担保、などを目的として、「血管診療技師Clinical Vascular Technologist(CVT)」という一定の資格認定制度を導入し、2005年来活動を続け、1,400名に及ぶ有資格者が誕生している。
 血管診療技師の資格取得に必要な知識水準の範囲に関して、2007年に血管無侵襲診断法研究会が編纂した『血管無侵襲診断テキスト』が参考とされてきた。発刊から10年を経て、血管疾患診断のモダリティーは更に広がり、血管疾患そのものの理解も変遷してきた。そこで血管診療技師認定機構が中心となり、本書を上梓するにいたった。本書は、血管診療に携わる、あるいは資格取得を目的とする医療関係者のみならず、第一線の医師をはじめとしたメディカルスタッフの血管疾患への理解の一助となることが期待され、日本の医療水準の更なる向上、血管診療の普及・発展に役立てれば幸甚である。

2019年4月
日本脈管学会 理事長
国際医療福祉大学臨床医学研究センター 教授
重松宏