書籍

スタートアップ冠動脈造影(CAG)

臨床現場で上手に活用するために

  • 新刊

編集 : 七里守
ISBN : 978-4-524-24982-4
発行年月 : 2020年10月
判型 : B5
ページ数 : 160

在庫あり

定価5,720円(本体5,200円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

冠動脈造影(CAG)の基本的知識から、急性冠症候群(ACS)・安定性狭窄症におけるCAG所見の見方、血管内イメージングの評価方法まで、画像や症例を多く提示し、実際の診断の流れをわかりやすく解説した実践書。特に、早期に的確な診断が求められるACSのCAGについて重点的に解説し、手技上で注意すべき点も随所に盛り込んだ。若手循環器医師にとって“診療現場で活かすCAGの知識”を学べる一冊。

口絵 CAGのアンチョコ集
 1.ACS,SAPの診断アルゴリズム
 2.典型的な所見
 3.略語一覧
01 CAGを識る
 1.冠動脈疾患診療におけるCAGの位置付け
 2.急性冠症候群(ACS)と安定狭心症(SAP)におけるCAGの捉え方
 3.押さえておきたいCAGの基本知識
  (1)AHA分類とRentrop分類
  (2)検査の進め方〜事前準備,穿刺,カテーテル挿入〜
  (3)冠攣縮薬物誘発試験における造影
  (4)合併症対策
02 急性冠症候群(ACS)のCAG〜PCIへつなげる〜
 1.ACS診断の基本的な流れ
 2.ACSのCAG
  (1)病変の形態を読む
  (2)責任病変を診断する
  (3)血流を評価する
  (4)primary PCIの特殊性
03 安定狭心症(SAP)のCAG〜PCIの適応を判定する〜
 1.SAP診断の基本的な流れ
 2.解剖学的有意狭窄と機能的有意狭窄
 3.冠動脈CT
  (1)冠動脈の狭窄度評価
  (2)冠動脈プラークの評価
 4.画像診断による心筋血流の機能的評価
 5.冠内圧測定による狭窄病変の機能的評価
  (1)FFR(fractional flow reserve)
  (2)resting index
 6.SYNTAXスコアによる治療戦略
04 血管内イメージングとCAG〜PCIを進化させる〜
 1.CAGに血管内イメージングを組み合わせる
 2.血管内イメージングの種類
 3.基本的画像
 4.知っておきたい画像
 5.PCI時に知っておきたい基本知識
索引

序文

 20世紀において、選択的冠動脈造影(CAG)ができることは循環器内科の優秀な臨床医であることを意味した。その後、技術の進歩と道具の改良により、CAGは21世紀の循環器内科医にとって習得すべき必須の診療技術となった。今では、榊原記念病院にやってくる循環器内科専修医はCAGを当然のように習得して巣立っていく。誰一人としてCAGを最終目標とするものはいない。しかし、冠動脈形成術(PCI)の良き術者となるためには、誰もが認めるレベルでCAGを実施できることが必要不可欠である。ただ冠動脈を造影するのではなく、きちんとした画質の撮影を行い、さらに冠動脈疾患を診断、あるいは至適PCIを遂行するために注意すべき所見を読影することが求められている。わが国の特徴として、血管内エコーを代表とする血管内イメージングとCAGを関連付けることも必要な技術である。診断から治療へと向かう医学の大原則は冠動脈疾患の領域においても同様であり、“良質な”CAGを実施できるようになってはじめて“良き”PCIの術者となることができるのである。
 冠動脈疾患の病態の解明と治療成績の向上にCAGが果たした役割は計りしれない。画像診断と薬物療法の進歩によりCAGに求められる役割も変化している。現代の冠動脈疾患においてCAGが最も有用な領域が、急性冠症候群である。榊原記念病院にも連日急性冠症候群の患者さんが受診される。急性冠症候群は夜間休日関係なく発症し、さらに診断・治療までの時間が重要ないわば四次元的な疾患である。当院では本書を一緒に書き上げてくれた経験豊かなインターベンション部門のスタッフが、全国から訪れる循環器内科専修医とともに24時間体制で急性冠症候群の診療を行っている。しかし、24時間体制で指導医と診療を行うことができる施設は限られるのが国内の現状である。このため、当直を担うことの多い若き循環器内科医の判断が、急性冠症候群症例の予後に大きな影響を与えることになることから、編集にあたっては日々急性冠症候群の診療に取り組んでいる循環器内科専修医に役立つように実践的な内容を記載することを心がけた。当院の急性冠症候群を中心とする冠動脈疾患診療の核心部分を、目の前の診療を改善するために奮闘している循環器内科専修医に伝えることが本書の大きな目的である。本書が、循環器診療の最前線にいる“彼ら、彼女ら”が冠動脈疾患に対して行っている日々の診療を少しでも改善するための参考となることを願ってやまない。
 最後に、統一したストーリーを作り上げるために同じ施設で共著を引き受けてくれた見澤先生、樋口先生、萩谷先生、西川先生、このような素晴らしい書籍に仕上げていただいた南江堂の定郁里さん、千田麻由さんに改めて感謝を申し上げる。

2020年10月
七里守