書籍

血液疾患最新の治療2020-2022

  • 新刊

編集 : 中尾眞二/松村到/神田善伸
ISBN : 978-4-524-24978-7
発行年月 : 2019年10月
判型 : B5
ページ数 : 390

在庫あり

定価10,120円(本体9,200円 + 税)


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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

最新の治療シリーズの血液疾患版。診断から処方例までの標準的治療とともに、血液疾患治療に関する最新の情報を提供する。巻頭トピックスでは、骨髄異形成症候群・血友病・悪性リンパ腫に対する新規治療薬や、新たに明らかとなった慢性活動性EBV感染症や先天性骨髄不全症の病態など注目のテーマを11題取り上げ解説。巻末付録として日々の臨床に役立つ薬剤一覧も掲載。

巻頭トピックス
 1.先天性骨髄不全症の分子病態
 2.造血器腫瘍におけるクリニカルシーケンス
 3.白血病の遺伝性
 4.iPS細胞による血液製剤
 5.急性骨髄性白血病に対する分子標的治療
 6.急性リンパ性白血病の新規治療薬
 7.血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の分子標的治療
 8.造血器悪性腫瘍に対するBCL-2阻害薬
 9.血友病の新規治療薬(半減期延長型製剤,非凝固因子製剤,遺伝子治療)
 10.double hit lymphoma/double expressor lymphoma
 11.造血器腫瘍における小児・思春期・若年がん患者の妊孕性の温存
I 主な血液疾患用薬剤の作用機序と適応
 1.鉄剤・葉酸・ビタミンB12
 2.造血因子
 3.免疫抑制薬
 4.抗がん薬
 5.抗体医薬
 6.抗凝固薬と抗血小板薬
 7.止血薬と凝固因子製剤
II 赤血球系疾患
 1.鉄欠乏性貧血
 2.巨赤芽球性貧血
 3.溶血性貧血(PNHを含む)
 4.再生不良性貧血
 5.赤芽球癆
 6.全身疾患に伴う貧血
III 造血系・リンパ系疾患
 1.急性骨髄性白血病
 2.急性前骨髄球性白血病
 3.高齢者白血病
 4.小児白血病
 5.慢性骨髄性白血病
 6.骨髄増殖性腫瘍
 7.低リスク骨髄異形成症候群
 8.高リスク骨髄異形成症候群
 9.急性リンパ性白血病
 10.Ph染色体陽性急性リンパ球性白血病
 11.慢性リンパ性白血病
 12.MALTリンパ腫
 13.濾胞性リンパ腫
 14.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
 15.血管内リンパ腫
 16.Burkittリンパ腫
 17.リンパ芽球性リンパ腫
 18.成人T細胞白血病/リンパ腫
 19.マントル細胞リンパ腫
 20.NK/T細胞リンパ腫
 21.Hodgkinリンパ腫
 22.多発性骨髄腫(MGUS,原発性アミロイドーシスを含む)
 23.原発性マクログロブリン血症
 24.血球貪食症候群(血球貪食性リンパ組織球症)
IV 出血・血栓性疾患
 1.先天性および後天性血管障害による出血
 2.免疫性血小板減少症(ITP)
 3.血小板機能異常症
 4.血友病
 5.von Willebrand病
 6.血友病類縁疾患と線溶異常による出血性疾患
 7.遺伝性血栓性素因
 8.深部静脈血栓症
 9.抗リン脂質抗体症候群
 10.播種性血管内凝固症候群
 11.血栓性微小血管症(TMA)/血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と溶血性尿毒症症候群(HUS)
 12.heparin起因性血小板減少症(HIT)
V 造血幹細胞移植
 1.移植に向けたブリッジング治療に伴う注意すべき合併症
 2.造血幹細胞移植の前処置
 3.非血縁者間造血幹細胞移植(末梢血幹細胞移植を含む)
 4.臍帯血移植
 5.HLA半合致移植
 6.GVHDとTMA
 7.造血幹細胞移植後のウイルス感染症対策
VI 主な診断法・治療法
 1.PET診断
 2.フローサイトメトリー
 3.遺伝子診断
 4.輸血療法(分画製剤を含む)
 5.放射線治療
 6.感染症とその対策(細菌)
 7.感染症とその対策(真菌)
 8.細胞免疫療法
付録 主な血液疾患用薬剤
索引

序文

 本書『血液疾患最新の治療』は、急速に進歩する血液学領域における最新情報を、治療法を中心に簡潔にまとめ、多忙を極める血液内科医やレジデントに提供することを目的に企画された。「2011-2013年版」からスタートし、「2014-2016年版」、「2017-2019年版」に続き、今回の「2020-2022年版」が4巻目となる。内容をしっかり改訂するために、執筆陣を入れ替え、編集者についても順次交代していく方針を取っている。今回は、初版より編集に携わっていた小澤敬也先生から神田にバトンが渡され、松村・中尾は引き続き担当し、この3名で編集作業を行った。
 本書の構成は、従来どおり、最近注目されている話題を「巻頭トピックス」として最初に取り上げ、各領域の最新動向を読者が要領よく把握できるようになっている。次の各論では、血液疾患ごとの治療方針、処方の実際から患者管理、生活指導まで、診療にすぐに役立つ情報を具体的にまとめ、治療に関する最新のトピックスについても簡潔に紹介・解説している。さらに、造血幹細胞移植、血液疾患領域における主な診断法と各疾患に共通する治療法が続き、最後に主要薬剤を一覧表としてまとめている。
 特に目立った動向は、やはり分子標的治療の急速な進展と新規抗体薬の開発であろう。久しく新薬の登場がなかった急性白血病に対しても複数の分子標的薬や抗体医薬が使用できるようになり、治療の選択肢が増えた分、現場の医師には戸惑いが生じている。また、かつては研究室レベルの作業であった遺伝子解析が臨床検体を用いた「臨床検査」に変わりつつある。造血器腫瘍だけでなく、造血不全症においても、遺伝子解析の結果なしには適切な治療が行えない時代になっている。本書の巻頭トピックスは、血液内科医であれば知っておきたいこれらの動向を網羅しているため、読者は簡単に知識をアップデートし、診療に応用することができる。また、各論ではすぐに診療に役立つように治療薬を具体的に示している。診断の細分化と新規治療の開発が目覚ましいリンパ系腫瘍についてはこれまで以上に多くの頁を割いている。普通の血液内科医が「苦手」な出血・血栓性疾患や、画像診断・支持療法などについても本書を読めば、専門医に必要な知識がすべて身に付くように構成されている。教科書的な記載にとどまらず、各疾患の専門家でしか書けない「TOPICS」や「治療のご法度」や「治療の奥の手」などがふんだんに盛り込まれているのも本書の特長である。
 専門領域が細分化されているため、血液内科の専門医であっても、専門以外の血液疾患治療に精通することは難しい時代になっている。血液内科を学ぶ初期研修医や専攻医にとっては、日本人患者に即した血液疾患治療の最新情報をカバーすることは特に難しい。それらを容易にする本書の存在意義は非常に大きい。一般的な教科書とは異なり、現時点の世界のダイナミックな動向を臨場感を持って知ることができる本書が、診療現場で役立つだけでなく、若手医師が血液学の面白さを知る一助となれば望外の喜びである。
 最後にご協力いただいた執筆陣の先生方に深謝するとともに、本書がこれまで以上に有効活用されることを期待したい。

2019年10月
中尾眞二
松村到
神田善伸