書籍

むかしの頭で診ていませんか?腎臓・高血圧診療をスッキリまとめました

編集 : 長田太助
ISBN : 978-4-524-24813-1
発行年月 : 2019年6月
判型 : A5
ページ数 : 224

在庫あり

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

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  • 序文
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「むかしの頭で診ていませんか?」シリーズの腎臓・高血圧診療版。「専門ではない」けれども、「診る機会がある」ポピュラーな腎疾患および高血圧診療における、“従来の考え方から大きく変わったこと”を取り上げ、わかりやすく解説。どう考えるのか、具体的にどう対処するのか、考え方が変わった根拠は何か、といった最低限押さえておきたい知識・情報をスッキリ整理。全ての臨床医にお勧めの大好評シリーズ!

1 eGFRはGFRではありません
2 尿定性検査で蛋白±なのに潜血3+
3 健診で見つかった蛋白尿
4 尿沈渣で何を見る?
5 血清リンを測って意味があるのか?
6 血清カルシウムが高いとき
7 ナトリウムが高いとき/低いとき
8 カリウムが高いとき/低いとき
9 腎生検をなぜ行うのか?
10 蛋白尿はなぜ悪い?
11 ジピリダモールで蛋白尿は減るか?
12 それはネフローゼ症候群です
13 IgA腎症を疑ってください
14 いつANCA関連血管炎を疑うか?
15 食塩感受性でなくても減塩する?
16 たんぱく質制限が必要なのは誰か?
17 それは腎性貧血ですか?
18 それは本当に腎実質性高血圧?
19 いつ二次性高血圧を疑うか?
20 ループ利尿薬は腎臓をもっと悪くする?
21 本当に透析が必要な急性腎障害(AKI)
22 CKDでも使える痛み止め
23 CKDで骨折するか?
24 CKDで利尿薬をどう使う?
25 CKDで使う経口糖尿病治療薬
26 治療して得する高尿酸血症は?
27 CKD患者の便秘はどう対応する?
28 CKD患者の抗凝固療法
29 経口吸着炭製剤は意味があるか?
30 〈高血圧+CKD〉でRA系阻害薬を処方するとき
31 高齢者の高血圧はどう管理する?
索引

序文

 初期研修医がわれわれの診療科をローテーションしてくると、最初の自己紹介で「腎臓は苦手意識が強いので、なんとかできるように頑張ります!」という発言がなんと多いことか。自分が初学者だった頃を思い出しても、腎臓内科で扱うトピックスは理解しにくいものが多かった気がするので、なんとかこの現状を打破できないものかと常に考えていました。教科書的な知識と、実臨床での経験がうまく突合する機会が多いと知識は身になるのでしょうが、そこまで行かないうちに腎臓内科ローテーションが終了してしまう…というのが繰り返されているのが現実なのでしょう。また最近は、慢性腎臓病(CKD)を腎臓専門医と非専門医の両者が連携して診ていく方向性について、国からも提言が出されるようになり、腎臓非専門医(とくに一般医家の先生方)の腎臓診療に関する知識のブラッシュアップの必要性が叫ばれるようになってきています。これについても地域の講演会や勉強会を増やしたりして、現状を打開する方法が模索されていますが、なかなか決定打がありません。
 そんななかで企画されたのが本書です。教科書的に腎臓・高血圧疾患を網羅的に記載するのではなく、実際の診療でしばしば疑問に思う事柄について、その分野のプロフェッショナルの方々にわかりやすく、できる限り「スッキリ」まとめていただいたものです。相当コンパクトにまとめていただきましたが、最新のエビデンスにも配慮してあります。テーマによっては、ガイドラインにも明記されているものもありますが、なかにはかなり臨床経験に重きを置いたエキスパートオピニオン的なものもあります。しかし、全テーマについて、先に結論を明らかにした後に、その根拠について記載する形に統一しました。また、ところどころにColumnや執筆者の方々が実際経験された興味ある症例なども配置しましたので、肩の力を抜いて気楽に読んでいただけるのではないかと思います。
 本書を通読していただいた後、「いままで腎臓・高血圧疾患で感じていた心の障壁がなくなった!」と感じてくださる臨床の先生方が今後ますます増えていくことを祈念しております。

2019年4月
長田太助

 腎臓内科に対して苦手意識をもっている学生や研修医が多いと感じるのは、小生だけではなく、本書を編集された長田教授も同じ思いを述べられている。
 本書は「むかしの頭で診ていませんか?」シリーズの腎臓・高血圧診療版という位置づけで編集されたものである。腎臓内科・高血圧領域の日常臨床のなかでよく遭遇するポピュラーな問題・疑問点を取り上げ、それらに関連する重要な知識をスッキリ、コンパクトにQ&Aの形で解説している。
 31項目のそれぞれのQuestionは、腎機能の理解や尿所見の見方、電解質の補正などの基本的な項目もあれば、CKD患者に対する鎮痛薬、降圧薬、抗凝固療法の使い方など、臨床的な内容も含まれる。多様な内容であるが、このテーマの選択が絶妙であり、これらの31項目をきちんと理解できれば、腎臓・高血圧診療に関しては基本的なことがマスターできるようになっている。もし興味があれば、それぞれのテーマについてより深く学習できるように、重要な参考文献も示されている。
 それぞれのAnswerの内容は、最近の考え方の変化を適切に取り上げ、どう変わったか、具体的な対処方法、その根拠などについて、必要最低限の知見をコンパクトに解説している。
 とくに、結論を先に明確に示した後にその根拠をわかりやすく示しているため、多忙な臨床研修のなかで短時間で学ぶにはとても役に立つはずである。
 また、簡単・明瞭であるだけではなく、臨床経験に基づくエキスパートオピニオン、最新のエビデンス、実際の症例提示などもテーマによっては示されていて、実践的である点も本書の特徴である。
 学生、臨床研修医や非専門医だけでなく、その教育や啓発に関わる指導医・専門医にも大いに参考になるであろう。「むかしの頭で“教えて”いませんか?」として本書を活用してもよいかもしれない。

臨床雑誌内科125巻3号(2020年3月号)より転載
評者●新潟大学医歯学総合研究科腎研究センター腎・膠原病内科学 教授 成田一衛