書籍

目からウロコの疣贅診療ハンドブック

困った時のこの一冊

  • 新刊

編集 : 三石剛/渡辺大輔
ISBN : 978-4-524-24683-0
発行年月 : 2020年6月
判型 : B5
ページ数 : 224

在庫あり

定価7,150円(本体6,500円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

疣贅は皮膚科に限らずプライマリケアの対象疾患として多様な診療科が扱う疾患であるが、その病態はさまざまである。疣贅の特性を把握し、正確な診断・治療にあたるために、基礎知識から多様な治療の実際とエビデンス、保険請求の実情までを包括的に解説した。よく目にするが、あまり知らなかった疣贅への理解を深め、診療の羅針盤となる一冊。

Part1 基礎編−疣贅を知る
 A.疣贅とは何か?
  1.「いぼ」の定義
  2.疣贅の病因・病態
  3.疣贅の感染経路
  4.疣贅の疫学
 B.ヒトパピローマウイルス(HPV)感染がきたす疾患
 C.HPVの特徴と分類
  1.HPVゲノムの構造と機能
  2.HPVの分類
 D.ヒトパピローマウイルス(HPV)の研究と歴史
Part2 疣贅の臨床病型
 A.尋常性疣贅の典型例
 B.尋常性疣贅の非典型例
 C.その他の特殊な疣贅
  1.ミルメシア
  2.ブッチャー疣贅
  3.色素性疣贅
  4.点状疣贅
  5.ridged wart
  6.ウイルス性足底表皮様嚢腫(VPC)
  7.小型疣贅状丘疹
 D.扁平疣贅
 E.尖圭コンジローマ
 F.疣贅状表皮発育異常症(EV)
 G.Bowen様丘疹症
Part3 疣贅の鑑別疾患
 A.尋常性疣贅と似ている疾患
 B.扁平疣贅と似ている疾患
 C.尖圭コンジローマと似ている疾患
Part4 疣贅の診断のための検査
 A.ダーモスコピーによる尋常性疣贅の所見
 B.病理組織学的検査
 C.HPV遺伝子検査
Part5 疣贅の治療
 A.物理的治療法
  1.液体窒素凍結療法
  2.電気焼灼術
  3-a.炭酸ガスレーザー(レーザー療法)
  3-b.ロングパルスダイレーザー(レーザー療法)
  3-c.ロングパルスNd:YAGレーザー(レーザー療法)
  4-a.単純切除(外科的治療法)
  4-b.いぼ剥ぎ法(外科的治療法)
  5.光線力学的療法(PDT)
 B.化学的治療法
  1.サリチル酸外用
  2.モノクロロ酢酸外用
  3.フェノール塗布法
 C.薬理学的治療法
  1.ブレオマイシン局所注入
  2.5–フルオロウラシル(FU)軟膏外用
  3.レチノイド内服
  4.ビタミンD3外用
 D.免疫学的治療法
  1.ヨクイニンエキス内服
  2.イミキモド外用
  3.接触免疫療法
  4.シメチジン内服
  5.インターフェロン局所注入
 E.その他
  1.暗示療法
  2.民間療法
Part6 HPVワクチン
 A.HPV感染予防ワクチンの子宮頸癌予防効果
 B.HPV4価ワクチンの性器疣贅に対する効果
 C.名古屋スタディの概要と疫学的因果関係
Part7 新規治療
 新規抗ウイルス薬FIT039
Part8 伝染性軟属腫(みずいぼ)
 A.伝染性軟属腫の診断と治療
 B.学校保健とみずいぼ
索引

初版の序

 『いぼ』について基礎から臨床までコンパクトにまとめられ、わかりやすく解説された本は多くありません。日常診療で患者さんから皮疹、特に『いぼ』を見て「これ何でしょうか?」、「まさか悪いものでは?」と質問される機会は診療科を問わず決して少なくないかと思います。
 研修医時代、他科を一緒に研修していた内科の先生から、後に「皮膚科の先生!外勤先で患者さんからこの『いぼ』何ですか?て聞かれますけどあれって実際は何でしょう?」と質問されることがありました。当時「うーん、診てみないとわかりませんが、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染?それとも紫外線、加齢によるいぼ?ですかね…」と答えたものです。
 最近では患者さんはスマートフォンで調べる時代であるため、知識も豊富です。また患者さんがスマートフォンで撮影した家族の病変の臨床像を診る機会も少なくありません。その際に皮膚科専門医以外の先生が、的確な診療をされているかどうかはわかりません。診療科を問わず、以上のような疑問は必ず患者さんからあります。そんな「困った時の一冊」として本書をハンドブックとして携帯していただければ、外勤先などで皮膚科医でなくても患者さんからの質問で困惑することもなく、正確に回答できるものと確信しています。正しい診断こそ最も重要なことであり、治療を本書通りに行えば皮疹は消えていきます。
 本書は1.疣贅の基礎、2.臨床病型、3.鑑別疾患、4.診断のための検査、5.治療の実際、6.予防ワクチン、7.新規治療薬、8.伝染性軟属腫らを網羅しており、コンパクトに仕上がっています。また執筆者の多くは日本において疣贅の原因ウイルスであるHPVの専門の先生方、尋常性疣贅診療ガイドラインの作成に携わった先生方らです。本書を読むことで、皮膚科医のみならず、プライマリケア医、内科医、外科医、小児科医の先生方らが「え?そうだったのか?目からウロコだ。明日の診療に活かそう。専門でなくても患者さんの質問に答えられそうだ」という医師が一人でも多く思っていただければ、編集者はもちろんのこと執筆者の方々にも望外の喜びかと思います。
 最後に、南江堂企画部のご尽力のおかげで出版に至ったことを編集者として深く感謝いたします。特に枳穀智哉氏の多大なる協力には心より感謝申し上げます。

令和2年5月吉日
三石剛
渡辺大輔