書籍

3週間de消化器病理2

臨床医のための病理のイロハ

: 福嶋敬宜
ISBN : 978-4-524-24665-6
発行年月 : 2019年5月
判型 : A5
ページ数 : 200

在庫あり

定価3,960円(本体3,600円 + 税)


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  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

好評書の前書『3週間de消化器病理〜臨床医のための病理のイロハ』(2017年刊)では取り上げられなかった疾患・内容を扱い、前書とともに読み通すことで、さらに臨床医が知っておきたい消化器病理の知識を網羅できる、待望の続編!前書同様、シェーマによる丁寧な解説、研修医と指導医の軽快な会話を1日1回ずつ読み通せば、3週間で消化器病理の基本知識が身につき、消化器疾患の病態理解が深まる1冊。

プロローグ
第1章 消化器疾患への病理学的アプローチ
 第1日目 まずは病態を考えることから
 第2日目 使える武器を整理しておこう!
第2章 消化管の病変
 第3日目 再生か?腫瘍か?〜逆流性食道炎
 第4日目 食道の隆起性病変はこう考える!〜癌肉腫
 第5日目 いろいろある胃炎のバリエーション〜慢性胃炎
 第6日目 胃生検で“違和感”を覚えるコツ〜低異型度癌
 第7日目 胃癌の組織型あれこれ〜EBウイルス関連胃癌
 第8日目 消化管悪性リンパ腫はこう見る!〜小腸悪性リンパ腫
 第9日目 特殊な腸炎にご用心〜虚血性大腸炎
 第10日目 生検標本からどこまで病態に迫れるか?〜クローン病
 第11日目 潰瘍性大腸炎の経過では発癌に注意!〜UC関連大腸癌
 第12日目 直腸・肛門の病変をおさらいしよう〜粘膜脱症候群(MPS)
第3章 肝・胆・膵の病変
 第13日目 5つの肝生検所見がカギとなる〜脂肪性肝障害(NAFLD/NASH)
 第14日目 肉眼ではハデなのに…〜限局性結節性過形成(FNH)
 第15日目 IPNBの2010年問題を考える〜胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)
 第16日目 胆管狭窄の原因はさまざま〜硬化性胆管炎
 第17日目 分類に歴史的変遷あり〜膵粘液性.胞腫瘍(MCN)
 第18日目 膵管内で発育する腫瘍のふしぎ〜膵腺房細胞癌(ACC)
 第19日目 基準も規約も絶対ではない!?〜IPMN併存膵癌
 第20日目 焼け跡を見て何がわかるか?〜膵癌の治療後評価
 第21日目 その“常識”は何から形成されている?〜膵胆道領域の細胞診
第4章 特講〜はじめての研究
 特講1 研究課題はこう見つけるべし!
 特講2 「見えるもの」を出発点にすべし!
エピローグ
索引

序文

 こんにちは、本書を手に取ってくださりありがとうございます!
 はじめての方は、少し驚かれたかもしれませんね。病理の本なのに組織写真の一枚もないし、反対にイラストが随所にあって“軽そう”な感じですから。しかし、まずは読んでみてください。山向先生と理子先生、赤丸先生の会話を追っているうちに、自然と病理像もイメージできてくるはずですし、ところどころに深い内容も散りばめてありますから。気楽に読めるけど、実は内容はそんなに“軽く”もないのです。
 「3週間de消化器病理」(2017年刊、以下前書)を読んでくださった方は、理子先生の成長ぶり、赤丸先生のご愛嬌、そして理子先生の妹の理花さんの登場もお楽しみに。難しそうな内容は、赤丸先生が素朴な疑問を投げかけて代弁してくれます。また毎回のイントロの会話もパワーアップしました。いや、もちろん、そこが本書の売りではないのですが、楽しみにしてくださっている方もいるようなので…。
 本当にうれしいことに、前書が出版されてから、若い先生方に限らず、「続編は出ないのですか?」、「もっと書いてください」などと直接いわれることがあり、これをすっかり真に受けて一気に書きあげてしまいました(実際には結構時間と手間がかかっていますが、気分的に一気に書き下ろせたことは事実です)。続編だからといって、単に前書で扱えなかった疾患を取り上げて説明しただけのものではありません。たとえば、前書でも潰瘍性大腸炎の基本的な重要事項は取り上げましたが、本書では、少し視点を変えて、生検標本から炎症性腸疾患を診断するときのポイントについて考えてみたり、疾患によっては診断基準自体を.み砕いてみたり、疾患概念の確立に関する変遷に触れたりしたものもあります。さらに、前書では、特講として「症例報告」を取り上げましたが、今回は、一歩進めて、病理学的な研究課題の見つけ方から病理形態を基盤にした研究の実際まで、あまり他の書籍では類を見ない「病理学的研究のイロハ」も加えてみました。若い先生方に参考にしていただけるとうれしく思います。
 本書の企画、編集、制作には今回も、南江堂出版部の高橋有紀氏、山本奈々氏の見事な連携を中心に多くの方々にお世話になりました。この場を借りて感謝の意を伝えたいと思います。
 それでは、赤丸先生登場のプロローグから、山向先生の目頭を熱くさせたエピローグまで、自分のペースで楽しみながら読んでみてください。完走の暁には、病理への抵抗感がなくなっているどころか、病理に関連した研究さえやりたくなってしまったことに気づくでしょう、きっと(笑)。そんな気持ちになったら、ぜひ、あなたの施設の山向先生を訪ねてください。

平成31年3月
福嶋敬宜

 このたび『3週間de消化器病理2』が発刊された。大変好評であった『3週間de消化器病理』の続編である。前書では、病理学教室の部長が消化器内科を目指す初期研修医に対してさまざまなサブジェクトを3週間レクチャーする形式で進行する内容の、非常に斬新な病理学書であった。続編にあたる本書でも、二人の新たな登場人物が加わったものの、1日1項目ずつカンファレンス方式で進み、3週間で完結する流れは変わっていない。
 消化器内科の臨床医にとって病理学はきわめて重要であり、消化管、肝臓、胆膵いずれの領域においても、正しい診断学とそれに基づいた適切な治療を行うことが求められる。病理学的知識をベースに、内視鏡所見や各種の画像所見を考えることは、診断学を学ぶ者にとって必須である。しかし、病理学の大切さは十分認識しているものの、臨床医にとってやや難解な病理学の成書を熟読して理解することを諦めた者は少なくなかったと思われる。一方で、本書は病理写真が1枚も使われることなく、登場人物の大変軽快なやり取りを通じて、臨床消化器病理の重要なテーマが網羅的に学べるスタイルとなっており、病理学に詳しくない若手臨床医であっても思わず読み進んでしまう大変特徴的な病理学書である。加えて、すべて1項目ずつ完結するので、後から必要なサブジェクトを選んで読むこともできる構成になっている。
 著者である自治医科大学病理学教室教授の福嶋敬宜先生は、消化器病理学の第一人者であるうえ、臨床医も交えた診断学の学会、研究会にて、大変鋭いコメントをされる第一線の臨床病理医として御高名な先生である。まさに本書には、これまで学会や研究会などで臨床医からの多くの疑問に的確に答えてこられた福嶋先生ならではの内容が盛りだくさんである。また、福嶋先生が主宰される病理学教室では、消化器内科を中心として学内はもとより国内の多くの臨床医が研鑽に来られていると聞く。若手の病理医や研修に来た臨床医への豊富なご指導の経験が本書のベースとなっていると推察される。
 私は若いころ残念ながら病理学教室への研修機会を得ることは叶わなかった。しかし、前書も含めた本シリーズを手に取ると、当時の気持ちに立ち返って思わず何度も読み返してしまった。病理学を学ぶ経験のなかった臨床医にとっても本書を通じて病理学のおもしろさを実感できる内容である。しかも若手医はもちろんのこと経験豊富な消化器専門医であっても十分読みごたえのある内容である。おそらく本書を読んだことをきっかけに、さらに病理学を勉強したいという気持ちを強くした臨床医も少なくないのでは、と思う。
 前書と併せれば、臨床消化器内科医にとって重要なサブジェクトはほぼすべてカバーされており、臨床医にとって生じる病理学的な疑問は本書を読むことで解決すると思われる。形態診断に関わるすべての消化器内科医、とくに若手の消化器内科医にはぜひデスクに常備し、何度も読み返していただきたい名著である。

臨床雑誌内科124巻6号(2019年12月号)より転載
評者●東邦大学内科学講座消化器内科学分野 教授 前谷容

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