書籍

運動器スポーツ外傷・障害の保存療法 上肢

  • 新刊

監修 : 福林徹
編集 : 岩堀裕介/菅谷啓之
ISBN : 978-4-524-24638-0
発行年月 : 2021年3月
判型 : B5
ページ数 : 232

在庫あり

定価6,820円(本体6,200円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

整形外科医をはじめとしたスポーツ関連医療スタッフを対象に、スポーツ外傷・障害の保存療法についての最新の知識を提供し、その具体的方法と進歩をビジュアルな紙面で解説するシリーズ(全3巻)。上肢編では、肩、肘、手関節・手指で頻発する疾患ごとに運動療法の適切な選択や指導方法について細かく解説。また、物理療法の気づきにくいポイント、最近のトピックスであるPRPや体外衝撃波治療のポイントから最近の実績までを網羅した。

1 疫学
2 保存療法に必要な機能解剖
3 保存療法に必要なバイオメカニクス
4 各種保存療法の基礎知識
 1.運動療法
 2.物理療法
 3.多血小板血漿療法(PRP療法)
 4.局所注射療法
5 疾患別保存療法
 1.肩甲部
  A.外傷性肩関節不安定症
  B.非外傷性肩関節不安定症
  C.投球障害肩
  D.腱板断裂
  E.肩鎖関節脱臼
 2.肘
  A.成長期野球肘
  B.成人期野球肘
  C.外傷性肘関節脱臼
  D.上腕骨外側上顆炎・内側上顆炎
  E.変形性肘関節症
  F.末梢神経障害
 3.手関節・手指
  A.橈骨遠位端骨折
  B.舟状骨骨折
  C.有鉤骨鉤骨折
  D.三角線維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)
  E.示指〜小指基節骨・中手骨骨折
  F.母指MP関節側副靱帯損傷
  G.示指〜小指近位指節間(PIP)関節側副靱帯損傷
  H.槌指(マレット指)
索引

序文

 この度『運動器スポーツ外傷・障害の保存療法』上肢編を編集させて頂いた。上肢障害は体幹同様多くに保存療法が奏功する。特に肩・肘障害は理学療法を中心とした保存療法が治療の第一選択となる。
 上肢は、下肢や体幹と異なり非荷重関節であるため、荷重によるストレスがない反面、極めて機能的な関節で中枢部の身体機能の影響を受けやすいという特徴がある。構造的には上肢は腱板により肩甲骨と連結されており、この肩甲骨を含めた上肢帯を一つのユニットとして考える必要がある。しかも、肩甲骨は鎖骨のみを支点として胸郭上を動くため、肩甲骨の可動性と安定性が極めて重要で、上腕骨頭は常に肩甲骨関節窩に対して求心性良好なポジションが取れていなければならず、またこのポジションが崩れていると腱板筋群の機能低下、すなわち腱板が効いていない状態となり、肩関節の機能不全を起こすだけでなく、肘関節以下の上肢末梢にも悪影響を及ぼす。さらに、上肢末梢からの影響で肩関節や肩甲帯の機能不全も起こりうるし、また、下肢や体幹の機能不全から肩甲帯の機能不全が起こり上肢に症状を招来することもある。以上のように、スポーツ選手の上肢障害は身体のいずれかの機能不全が原因あるいはきっかけになっていることが多いため、治療者はこの機能不全をきちんと診断し、チーム医療でアプローチをしていく必要がある。医師は、この機能不全により発症した肩・肘などの局所の状態を評価しリスク管理を行い、理学療法士やトレーナーは医師の診断の元に機能不全の治療にあたるという役割分担が必要である。
 本書では、疫学・解剖・バイオメカニクスから、保存療法の基本、さらに疾患別にそれぞれの保存療法のポイントまで、臨床の第一線で活躍されている先生方に執筆して頂き、分かりやすくかつ充実した内容となっている。本書が、アスリート診療に携わる多くの方々にとって貴重な情報源となることを確信している。最後に、本書の編集に携わらせて頂いたこと、南江堂の諸氏、および我らがスポーツ医学の父、福林徹先生に厚く御礼を申し上げる。

2021年2月
あさひ病院スポーツ医学・関節センター 岩堀裕介
東京スポーツ&整形外科クリニック 菅谷啓之