最新の治療シリーズ
腎疾患・透析最新の治療2026-2028
| 編集 | : 山縣邦弘/南学正臣/星野純一 |
|---|---|
| ISBN | : 978-4-524-24598-7 |
| 発行年月 | : 2026年3月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 348 |
在庫
定価11,000円(本体10,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

3年ごとの定期刊行で,腎臓内科医・外科医・泌尿器科医・透析医および一般臨床医のために,腎疾患治療・透析の最新情報と治療方針を掲載.巻頭トピックスでは,「細胞老化とエネルギー代謝」「慢性腎臓病における補体制御の役割」「糸球体疾患のゲノム診断と治療への展開」など注目のテーマを10題取り上げた.疾患ごとに診断確定後の基本的治療方針から,薬物療法,透析療法導入のタイミングおよび注意点,患者管理,生活指導について整理されており,最新の治療の要点を網羅.
巻頭トピックス
1.細胞老化とエネルギー代謝
2.慢性腎臓病における補体制御の役割
3.糸球体腎炎病態の解明と治療の進歩
4.糸球体疾患のゲノム診断と治療への展開
5.ネフローゼ症候群における抗ネフリン抗体
6.J-Kidney-Bioban
7.全身性エリテマトーデスにおけるIFNシグネチャー
8.透析患者数の動向について
9.異種腎移植の現状と臓器提供の将来
10.腎臓リハビリテーションの今後の展開
T 腎疾患に伴う緊急時の症候と対処法
1.乏尿・無尿・尿閉
2.浮腫(心疾患/肝疾患を合併した場合)
3.尿毒症の症状と対症療法
4.電解質の異常:カリウム(K)異常
5.電解質の異常:ナトリウム(Na)異常
6.電解質の異常:カルシウム(Ca)異常
7.酸塩基平衡の異常:緊急対応が必要な酸塩基平衡異常
8.急激な血圧上昇
9.ショック
U 治療方針・治療法
A 一次性糸球体疾患
1.微小変化型ネフローゼ症候群:小児
2.微小変化型ネフローゼ症候群:成人
3.巣状分節性糸球体硬化症
4.膜性腎症
5.IgA腎症(成人)
6.急性糸球体腎炎(溶連菌感染後急性糸球体腎炎)
7.膜性増殖性糸球体腎炎(C3腎症を含む)
8.急速進行性糸球体腎炎
9.無症候性血尿・蛋白尿(良性家族性血尿)
B 全身性疾患に伴う糸球体疾患
1.ループス腎炎
2.紫斑病性腎炎:小児
3.紫斑病性腎炎:成人
4.抗GBM 抗体病(Goodpasture症候群)
5.腎アミロイドーシス
6.多発性骨髄腫に伴う腎症・MGRS
C 代謝異常に伴う腎疾患
1.糖尿病関連腎臓病:早期ー顕性蛋白尿期における治療原則
2.糖尿病関連腎臓病:晩期糖尿病関連腎臓病の管理と注意点の実際
3.痛風腎・尿酸結晶に関連する腎障害
D 血管系疾患における腎病変
1.高血圧性腎障害(腎硬化症,加速型-悪性高血圧)
2.腎血管性高血圧症
3.強皮症腎クリーゼ
4.血管炎に伴う腎症(ANCA関連血管炎)
5.血栓性微小血管症(HUS,aHUS,TTP)
6.血液凝固異常に伴う糸球体病変:抗リン脂質抗体症候群
7.加齢による腎臓の機能変化
E 尿細管疾患
1.急性尿細管間質性腎炎
2.尿細管性アシドーシス
3.Fanconi症候群,Dent病
4.Bartter症候群,Gitelman症候群,Liddle症候群
5.尿崩症
F 遺伝性疾患
1.Alport症候群
2.多発性嚢胞腎
G 泌尿器科領域の注目すべき疾患と治療の進歩
1.尿路感染症
2.水腎症
3.膀胱尿管逆流
4.尿路結石
5.腎腫瘍
6.前立腺疾患(前立腺肥大症,前立腺がん)
7.膀胱がん
8.神経因性下部尿路機能障害(神経因性膀胱)
H 保存期腎不全
1.急性腎障害:概念と病期分類(「KDIGOガイドライン」から)
2.急性腎障害:バイオマーカー
3.急性腎障害:中毒性腎症(薬剤性腎障害)
4.慢性腎障害:腎機能保持を目指した薬物療法
5.慢性腎障害:腎機能保持を目指した食事療法
6.慢性腎障害に対するチーム医療
7.慢性腎障害:心血管系合併症対策
V 透析療法
A 透析導入
1.腎代替療法導入前の患者教育の有効性とその具体的な方策
2.透析患者の生命予後規定因子および患者数予測
3.透析導入と非導入の考え方
B 血液透析
1.透析処方の指標
2.血液透析中の血圧の管理・治療
3.貧血管理の実際
4.在宅血液透析の進歩
5.バスキュラーアクセスの管理と修復
C 腹膜透析
1.腹膜透析の課題
2.腹膜透析+血液透析併用療法
D 長期透析の合併症治療
1.長期透析患者における心血管系合併症対策
2.CKD-MBD:概念と管理の実際
3.多発性嚢胞腎患者の動脈塞栓療法
4.心理的問題:サイコネフロロジーの関わり
E 急性血液浄化/その他
1.多臓器不全症候群(MODS)の病態と治療
2. 腎疾患でのアフェレーシス療法の実際とエビデンス
W 腎移植
1.腎移植の動向
2.免疫抑制薬の進歩と使用法
3.腎移植後再発糸球体腎炎の管理
4.腎移植慢性拒絶反応への対応
X 治療上の注意点,患者指導
1.腎臓リハビリテーション:保存期
2.腎臓リハビリテーション:透析期
3.高齢者に対する腎代替療法:治療上の注意点
4.糖尿病透析患者の管理
Y 薬剤の使い方
1.GLP-1受容体作動薬のCKD診療における展開
2.initial dipと長期予後
3.aHUSに対する抗C5抗体薬
4.後天性TTPに対するカプラシズマブ
5.アルドステロンを標的とする薬物療法
索 引
『腎疾患・透析最新の治療2026-2028』を皆様にお届けできる運びとなった.本書は2002-2004 年版の初版から数えて第9 巻目にあたり,20 年以上にわたり刊行を続けてこられたことは,腎疾患から泌尿器疾患,末期腎不全領域までを網羅した内容に加え,巻頭トピックスとして基礎研究の最前線を深く掘り下げ,次代の腎疾患医療を展望してきた点にある.本巻においてもその理念は受け継がれ,日常診療に役立つ最新の治療法を網羅するとともに,巻頭トピックスからは明日の腎臓医療の方向性を感じ取ることができるだろう.
近年,わが国では高齢化の進展に伴い,慢性腎臓病(CKD)および末期腎不全を取り巻く医療環境が大きく変化している.糖尿病や高血圧に加え,サルコペニアやフレイルなど加齢関連病態がCKD の進展と予後に深く関わることが明らかとなり,腎疾患治療には全身管理を基盤とした包括的アプローチが求められている.さらに,SGLT2 阻害薬や非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA),GLP-1 受容体作動薬は,腎保護および心血管疾患抑制の両面において画期的成果を示した.糸球体腎炎を中心とする分子標的治療薬の登場も,ステロイドや免疫抑制薬に依存した従来の治療体系を変革しつつある.
一方で,透析医療は「延命」から「生活の質(QOL)の向上」へと目的が拡大し,加齢に伴う合併症や透析導入後の緩和ケアの必要性をも議論されている.CKD 保存期から血液透析中の患者への運動療法や栄養介入,心理的支援を統合した「腎臓リハビリテーション」は,患者の身体機能と精神的健康を改善し,健康寿命の延伸に寄与する新たな治療概念として広がりを見せている.さらに,データサイエンスや人工知能(AI)の進展により,ビッグデータ解析を基盤とするCKD 進行予測や個別化医療,医療資源の最適配置が現実化しつつある.これらの技術革新は,診療・予後管理のあり方を再定義し,地域医療や在宅医療を含む新しい医療連携の形を生み出している.
本書が,わが国の腎臓病医療のさらなる発展に寄与し,すべての患者のより良い生活と持続可能な医療の実現に貢献することを心から願っている.
2026 年2 月
山縣邦弘
南学正臣
星野純一

