書籍

原発不明がん診療ガイドライン改訂第2版

編集 : 日本臨床腫瘍学会
ISBN : 978-4-524-24166-8
発行年月 : 2018年7月
判型 : B5
ページ数 : 94

在庫あり

定価1,980円(本体1,800円 + 税)


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  • 序文

日本臨床腫瘍学会編集によるエビデンスに基づいたガイドラインの改訂版。GRADEシステムに基づいたエビデンスレベルと推奨度を提示。原発巣検索・同定から予後良好群・不良群の選別とそれぞれの治療に関するエビデンスをもとに解説し、がんの臨床にかかわるすべての医師が、専門領域を問わず原発不明がんの疾患概念を理解し、適切な検査・診断・治療を行うために役立つ指針となっている。

総論
 原発不明がん−総論−
Clinical Question
原発巣検索・同定
 CQ1 FDG-PET,PET/CTは原発不明がんの診断に有用か?
 CQ2 原発不明がんの原発巣検索に腫瘍マーカーの測定は有用か?
 CQ3 原発不明がんの原発巣同定に病理学的検索は有用か?
 CQ4 細胞診は原発不明がんの原発巣同定に有用か?
 CQ5 原発不明がんの原発巣同定に免疫組織化学的検索は有用か?
 CQ6 原発不明がんの原発巣同定に遺伝子・染色体の検査は有用か?
 CQ7 原発巣検索に費やすべき期間はどの程度が妥当か?
 CQ8 遺伝子発現プロファイルに沿った治療は有用か?
予後良好群と予後不良群
 CQ9 原発不明がんのうち,予後良好群と予後不良群はどのように区別されるか?
予後良好群の治療
 CQ10 女性で腋窩リンパ節転移(腺がん)のみ有する原発不明がんに対する治療は?
 CQ11 女性で腹膜転移(漿液性腺がん)のみ有しCA125の上昇している原発不明がんに対する治療は?
 CQ12 組織型が腺がん,男性,造骨性骨転移のみ有しPSA上昇を伴う原発不明がんに対する治療は?
 CQ13 原発不明がんで扁平上皮がんの頸部リンパ節転移のみ有する患者に対する治療は?
 CQ14 原発不明がんで扁平上皮がんの鼠径リンパ節転移のみ有する患者に対する治療は?
 CQ15 原発不明がんで組織型が神経内分泌腫瘍の場合の治療は?
 CQ16 50歳未満の男性で正中線上に病変が分布する低・未分化がんである原発不明がんに対する治療は?
予後不良群の治療
 CQ17-1 一次治療としてどのような化学療法レジメンが推奨されるか?
 CQ17-2 二次,あるいは三次化学療法実施の意義はあるか?
 CQ17-3 原発不明がんに対する,網羅的な遺伝子検索と遺伝子情報をもとにした分子標的治療薬による治療は有用か?
その他
 CQ18 原発不明がんでホルモン受容体を発現している患者,HER2タンパク過剰発現の患者に対して,それぞれホルモン療法,抗HER2療法は有用か?
 CQ19 原発不明がんで骨転移のある患者に対してbone modifying agents(BMA)は有用か?
 CQ20 原発不明がんはどの時点でベストサポーティブケア(BSC)への移行を考えるべきか?
 CQ21 原発不明がんと一度診断された患者に対して,ある段階で再度原発巣検索をするべきか?
索引

「原発不明がん診療ガイドライン(改訂第2版)」発刊にあたって

 原発不明がんはその数は少ないものの、ある程度の規模の病院であれば年間に何例かは経験する決してまれではないがんである。原発不明がんには一定の治療方法があり、必要な検査を実施し原発巣が見つからなければ治療を開始すべき病態であるが、従来、臓器別診療体系のなかでがんを診療していた日本では、原発不明がんの治療が適切に行われてきたとは言いがたかった。そのため診療方針の一助とするため日本臨床腫瘍学会では2010年にガイドラインを出版した。
 出版から8年が経過し、その間に原発不明がんに関する新しい知見が蓄積したため、今回、最新情報により診療を支援するためにガイドラインを改訂することにした。多くの改訂が行われたが、特に、特異性が高い免疫染色により原発巣の推定が可能となったため、推奨される免疫染色についてアップデートされた。また、頭頸部においては、中咽頭がんではHPVが、上咽頭がんではEBVが発がんに関与することが明らかとなり、原発不明頸腫でも原発巣の推定にHPVおよびEBVの検索が取り込まれた。化学療法に関する知見が集積するとともに、前版では一次治療としてプラチナ製剤とタキサン製剤の併用療法が推奨されていたが、様々なデータが蓄積し今版では併用はタキサン製剤に限定せずプラチナ製剤を含む併用療法に変更された。
 一方で、近年の分子生物学の進歩に基づいたゲノム医療や遺伝子プロファイリングの手法の発展は目覚ましく、原発不明がんにも応用されて研究が進んだ。実地診療でゲノム情報を用いるべきかどうか、本ガイドラインでは新たに言及されている。
 原発不明がんは臓器横断的にがん治療にあたる腫瘍内科医が中心となるべき疾患である。多大な労力と時間を割いて本ガイドラインの改訂にあたった日本臨床腫瘍学会の原発不明がん診療ガイドライン作成委員に敬意を表するとともに、この新しい「原発不明がん診療ガイドライン」が日常の診療の一助となることを願ってやまない。

2018年6月
日本臨床腫瘍学会 理事長
神戸大学大学院医学研究科腫瘍・血液内科学
南博信