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頚椎症性脊髄症診療ガイドライン2020改訂第3版

  • 新刊

監修 : 日本整形外科学会/日本脊椎脊髄病学会
編集 : 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会/頚椎症性脊髄症診療ガイドライン策定委員会
ISBN : 978-4-524-22946-8
発行年月 : 2020年9月
判型 : B5
ページ数 : 100

在庫あり

定価3,300円(本体3,000円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

頚椎症性脊髄症は、脊柱管が生まれつき狭い日本人において発症頻度が高く、病態・治療法の研究を日本が主導してきた疾患である。今改訂では、新たな知見を集約しMindsの指針に沿って内容を刷新。本症の基本的知識をBQとしてまとめ、臨床における疑問、今後の研究および臨床上の課題をそれぞれCQ・FRQの形で提示。臨床により活用しやすくup-to-dateな最新のガイドラインである。

前文
 ガイドラインサマリー
 頚椎症性脊髄症の診断アルゴリズム
 頚椎症性脊髄症の治療アルゴリズム
 (1)作成組織・作成主体
 (2)スコープ
第1章 疫学・自然経過
 Background Question1 頚椎症性脊髄症はどのように定義されるか
 Background Question2 頚椎症性脊髄症の疫学はどのようであるか
 Background Question3 頚椎症性脊髄症の自然経過はどのようであるか
 Background Question4 頚椎症性脊髄症の生命予後はどのようであるか
第2章 病態
 Background Question5 頚椎症性脊髄症の病態生理は何か
第3章 診断
 Background Question6 頚椎症性脊髄症の主な症状・徴候・神経診断学は何か
 Background Question7 頚椎症性脊髄症と鑑別すべき病態は何か
 Background Question8 頚椎症性脊髄症の重症度を表す評価法はあるか
 Background Question9 各種画像検査(単純X線,脊髄造影,CT,MRI)は頚椎症性脊髄症の診断に有用か
 Background Question10 電気生理学的検査は頚椎症性脊髄症の補助診断として有用か
第4章 治療
 Background Question11 頚椎症性脊髄症に対する治療法は何か
 Background Question12 頚椎症性脊髄症に対する手術療法における予後予測因子は何か
 Background Question13 各種前方法の特徴と成績は明らかか
 Background Question14 各種後方法の特徴と成績は明らかか
 Background Question15 手術療法は原疾患を有する頚椎症性脊髄症にも有用か
 Background Question16 術中脊髄モニタリングは術後神経症状悪化予防に有用か
 Clinical Question1 軽度および中等度の頚椎症性脊髄症に対する保存療法は有用か
 Clinical Question2-1 頚椎症性脊髄症に対する手術治療において,前方除圧固定術と後方椎弓形成術のどちらが有用か
 Clinical Question2-2 頚椎症性脊髄症に対する手術治療において,前方除圧固定術と後方除圧固定術のどちらが有用か
 Clinical Question3 固定術の追加は後方除圧術単独に比べ頚椎症性脊髄症に有用か
 Future Research Question1 術中超音波による評価は術後神経症状の改善に影響を与えるか
 Future Research Question2 術後の頚椎カラーによる安静は術後成績に有用か
 Future Research Question3 リハビリテーションにより術後成績は改善されるか
索引

改訂第3版の序

 『頚椎症性脊髄症診療ガイドライン』は2005年に里見和彦先生を責任者として初版が、2015年に加藤義治委員長のもと改訂第2版が刊行された。筆者は第2版から委員として本ガイドラインに携わってきたが、日本医療機能評価機構(Minds)の定義する診療ガイドライン(「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書」)として、医療者と患者の意思決定を支援してきたものと自負している。しかしながら、ガイドラインの約半数は6年で時代遅れとなり、3〜5年で改訂すべきとの報告もあり、2020年刊行を目指して頚椎症性脊髄症診療ガイドライン改訂第3版策定委員会は2018年6月に第1回委員会を開催し作業を進めてきた。
 本ガイドラインの改訂は『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017』に準拠して行った。初版と第2版はほぼ同様のクエスチョンで構成されているが、改訂第3版では日常の臨床で必要な項目、疑問点、新たな知見から、選択するクエスチョンを委員会で決定した。その結果、疫学・自然経過、病態、診断、治療の章立ては同一ではあるが、クエスチョンおよびその解説についてはより臨床に即してup-to-dateな内容にすることができた。しかしながら、今回の改訂においてもエビデンスレベルの高い新規論文は少なく、なるべく多くのClinical Questionの設定を試みたが、エビデンス総体評価および益と害のバランス評価から採用は3項目のみにとどまり、あとはBackground QuestionやFuture Research Questionとした。Mindsはエビデンスの重要性を強調しながらも、「医療者の経験を否定することなく、臨床現場においての最終的な判断は、患者と主治医が協働して行われるべき」ともしている。本ガイドラインが有用な情報を医療者に提供し、頚椎症性脊髄症に苦しむ患者が主治医とone teamとなり科学的根拠(evidence-based medicine:EBM)に基づいた有益な診療が受けられることを心より願う。
 本ガイドラインの改訂では多くの方のご協力を得た。策定委員7名とアドバイザー1名の先生方にはクエスチョンの設定から、論文の一次選択、査読、構造化抄録の作成、そして原稿作成まで大変な労をお願いした。心からの感謝を申し上げたい。また、Mindsの吉田雅博先生には新しいガイドラインのあり方をご教示いただき、すべての過程で適切なご助言を賜り、この改訂を導いていただいた。論文の収集では東海大学付属伊勢原図書館館長の松前光紀先生をはじめ寺久保明子様、角田ともえ様に大変なご尽力をいただいた。そして実務面では国際医学情報センターの深田名保子様、加治美紗子様、逸見麻理子様には大変お世話になった。この場を借りて心から御礼を申し上げる。
 本ガイドラインが頚椎症性脊髄症の治療に携わる多くの医師にとって診療の一助となることを、そして将来のさらなる発展の礎となることを繰り返し祈念し、改訂第3版の序とする。

2020年8月
日本整形外科学会
頚椎症性脊髄症診療ガイドライン策定委員会
委員長 渡辺雅彦