書籍

呼吸器外科テキスト[Web動画付]改訂第2版

外科専門医・呼吸器外科専門医をめざす人のために

  • 新刊

編集 : 日本呼吸器外科学会/呼吸器外科専門医合同委員会
ISBN : 978-4-524-22815-7
発行年月 : 2021年4月
判型 : A4
ページ数 : 552

在庫あり

定価14,300円(本体13,000円 + 税)


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  • 書評

日本呼吸器外科学会「呼吸器外科専門医修練カリキュラム」と「認定試験問題内容」に準拠.今改訂では呼吸器外科専門医をめざす医師の自己学習ならびに専門医取得者の知識更新のために広く活用されることを目的とした初版の内容をアップデート,web動画も添付し,より一層充実した内容となった.外科専攻医,外科専門医,医学生,外科医をめざす学生・研修医,内科医,呼吸器外科指導医・外科指導医も対象とした必読書.

本書は2016年に刊行された『呼吸器外科テキスト―外科専門医・呼吸器外科専門医をめざす人のために』のはじめての改訂版である.
初版は当時日本呼吸器外科学会理事長であった奥村明之進先生が,日本専門医機構による「新専門医制度」が開始されるにあたり,呼吸器外科領域の専門医資格取得を主目的とした教科書を学会として作成しようと提案されたことに端を発する.「学会の総力をあげての教科書作り」のコンセプトにより,わが国の呼吸器外科における各分野の専門家に執筆を依頼し,最新かつ包括的な内容にすることが企画された.ただ「新専門医制度」の開始時期が近々に迫っているとのことから,執筆依頼から刊行まで1年足らずの短期間で作成することとなり,きわめて難事業になると当初予想された.しかしながら,将来の呼吸器外科専門医を育成しようとする執筆者諸兄の情熱と,それらをまとめ誘導するテキスト小委員会委員長の佐藤之俊先生の手腕により,予定通り2016年の京都での第33回日本呼吸器外科学会総会前の4月に刊行されたことに感動したことを覚えている.そして,これまでに初版は第4刷まで増刷され,本書の役割である「呼吸器外科領域における基本から応用にわたる幅広い知識の供給源および専門医試験のガイドライン」については,十分に果たせてきたと評価したい.
改訂第2版は,呼吸器外科を取り巻く医療・社会環境の急速な変化や技術革新が予測されていたため,当初から5年ごとに改訂する計画のもとに2021年3月に刊行された.本書では執筆者の新旧交代が図られ,次世代を担う専門医・評議員の先生方が多く加わっているが,初版の記述の残すべきところは残しながら,全項目にわたって丁寧に追記や修正がなされている.また,この5年間に改訂されたTNM分類や種々の診療ガイドラインに沿って記述が改められ,症例数や各種頻度も最新の集計データに基づいて修正がなされ,知識や情報の即時性が追及されている.さらに,最新の技術革新,とりわけ胸腔鏡下手術,ロボット支援下手術,エネルギーデバイス,自動縫合器,術前シミュレーション/術中ナビゲーション技術,遺伝子変異検査などの記述が充実し,呼吸器外科領域の最新技術や知見が網羅されている.
本書では内視鏡診断と手術手技の章でWeb動画がはじめて導入されたことも特筆すべき事項である.これにより,これまで以上に技術的な理解と安全な手術施行が図られると思われる.また新たに「第I章 総論」が個別の項目に分けられ,内容の充実が図られている.とりわけ,「2.保険診療」と「6.医療倫理」の2項は非常にわかりやすく解説され,臨床現場に直結した保険診療に関する知識を得ることができ,また科学者・臨床医としての倫理規定を知ることができ,きわめて有用である. 通読して2点,「もう少し知りたい」と思った点がある.まず1点は,Web動画の一部には文字での説明がなされているものがあるが,ナレーションでの説明が入っているとより理解しやすいように思われた.もう1点,呼吸器外科医としての基本的手術操作である?離操作,血管・気管支処理,葉間処理,癒着?離などについて,アプローチ方法別に代表的な手技が提示されるとなおよいと感じた.
本書が,専門医取得のための教科書的役割のみならず,座右の書として先生方の日常臨床に役立つことを心より祈っている.そして,5年後の再改訂を楽しみに待ちたいと思う.

評者●中日病院院長 横井香平