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ビジュアル臨床血液形態学改訂第4版

  • 新刊

監修 : 平野正美
共著 : 勝田逸郎/岡本昌隆/山本幸也/秋山秀彦/池本敏行/福塚勝弘
ISBN : 978-4-524-22804-1
発行年月 : 2021年1月
判型 : B5
ページ数 : 456

在庫あり

定価9,570円(本体8,700円 + 税)


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  • 主要目次
  • 序文

血液形態の正常・異常に関する基礎知識と疾患特有にみられる変化について、臨床検査初心者ならびに学生にも理解できるよう、豊富なアトラスと簡潔な解説で示す入門書の改訂第4版。今改訂では、WHO分類改訂第4版(2017年)に準拠した解説に更新し、アトラスもわかりやすく、より鮮明な画像にするなど、全面的にブラッシュアップ。医学部学生、臨床検査医学学生、臨床検査技師にとって最適な書。

第1章 総論
 I 血液の成分
  1 血液の主成分
  2 液性成分
  3 有形成分,血球
 II 血液の機能
  1 有形成分
  2 液性成分
第2章 血球の生成
 I 造血巣の変遷
  1 胎生期における造血
  2 出生後骨髄造血巣の変遷
  3 髄外造血
 II 血球の分化と産生調節因子
 III 造血臓器
  1 骨髄
  2 胸腺
  3 リンパ節
  4 脾臓
 ATLAS
  2–1 軟寒天コロニー培養法による形態
第3章 赤血球系の基礎的知識
 I 赤血球系の成熟過程
 II 末梢血にみられる赤血球の形態
  1 成熟赤血球の形態
  2 網赤血球
 III 赤芽球の形態的特徴
  1 前赤芽球
  2 塩基好性赤芽球
  3 多染性赤芽球
  4 正染性赤芽球
 IV 赤血球サイズと染色性の異常
  1 大小不同症
  2 染まり方の異常
 V 赤血球の形態異常
  1 菲薄赤血球(扁平赤血球)
  2 輪状赤血球,環状赤血球
  3 標的赤血球
  4 球状赤血球
  5 楕円赤血球
  6 有口赤血球
  7 有核赤血球
  8 半月体
  9 奇形赤血球
  10 赤血球の集合
 VI 赤血球内の構造異常
  1 ハウエル・ジョリー小体(ジョリー小体)
  2 塩基好性斑点
  3 パッペンハイマー小体
  4 アズール好性斑点
  5 ハインツ小体
  6 ヘモグロビンH封入体
  7 レール辺縁小体
  8 エリトロコント
  9 カボット環
  10 赤血球内寄生体
 VII 赤芽球の核形態異常
  1 核の異常
  2 細胞質の異常
  3 巨大前赤芽球
 ATLAS
  3–1 正常赤芽球の成熟過程とその形態
  3–2 巨赤芽球の成熟過程とその形態
  3–3 網赤血球の形態とその種類
  3–4 赤血球の形の変化
  3–5 赤血球の内容の異常
  3–6 赤芽球にみられる核形態異常
  3–7 各種超生体染色法による染色像
  3–8 血液中にみられるその他の虫体
第4章 白血球系の基礎的知識
 I 末梢血にみられる白血球の形態
  1 顆粒球
  2 単球
  3 リンパ球
 II 白血球の成熟過程
  1 顆粒球系
  2 単球系
  3 リンパ球系
 III 白血球系の幼若細胞の形態
  1 顆粒球系
  2 単球系
  3 リンパ球系
 IV 白血球の形態学的変化
  1 白血球の形態異常
 ATLAS
  4–1 好中球系の成熟過程とその形態
  4–2 好酸球系の成熟過程とその形態
  4–3 末梢血にみられる白血球
  4–4 白血球の細胞質異常
  4–5 白血球の核にみられる異常
  4–6 顆粒球凝集像
  4–7 白血球の機能検査法
第5章 血小板および巨核球系の基礎的知識
 I 血小板と巨核球系の成熟過程
 II 巨核球の形態
  1 巨核芽球
  2 前巨核球(好塩基性巨核球)
  3 成熟巨核球(顆粒性巨核球)
  4 退行変性型
  5 末梢血の巨核球出現
 III 血小板の形態
 IV 血小板の形態異常
  1 大血小板および巨大血小板
  2 小血小板
  3 灰色血小板
 V 巨核球の形態異常
  1 過分葉核巨核球
  2 多分離核巨核球
  3 微小巨核球と小型巨核球
 ATLAS
  5–1 巨核球系の成熟過程とその形態
  5–2 末梢血における正常血小板の形態
  5–3 血小板の形態異常
  5–4 巨核球の形態異常
第6章 血球の形態学的観察法の基礎的知識
 I 血球形態の観察の進め方
 II 血球の形態観察法
  1 生細胞の観察
  2 固定細胞(死細胞)の観察
 III 末梢血液塗抹標本の作製法
  1 準備する器具
  2 薄層塗抹標本作製法
  3 その他の塗抹標本
  4 血液の濃塗標本
 IV 普通染色法(ロマノウスキー染色法)の基礎とその方法
  1 普通染色法の染色原理
  2 普通染色法による染色性
  3 普通染色法の特徴
  4 普通染色法の操作
 V 普通染色法による血球形態の観察法
  1 標本の観察手順
  2 細胞形態の一般的表現法
  3 分化・成熟に伴う細胞形態の変化
  4 赤血球の形態学的変化
  5 白血球の形態学的変化
  6 血小板の形態学的変化
  7 血球分類における評価法
 VI 超生体染色法
  1 網赤血球とその算定法
  2 ハインツ小体の検出
 VII 造血組織,造血細胞の検査
  1 検査の方法とその目的
  2 骨髄穿刺および生検
  3 血球算定
  4 骨髄穿刺液塗抹標本
  5 骨髄像の観察法
  6 組織学的切片標本
  7 リンパ節(組織)生検
 VIII 特殊染色法の基礎とその方法
  1 ペルオキシダーゼ染色
  2 ズダンブラックB染色
  3 エステラーゼ染色
  4 好中球アルカリホスファターゼ染色
  5 酸ホスファターゼ染色
  6 β-グルクロニダーゼ染色
  7 PAS染色
  8 鉄染色
 ATLAS
  6–1 正常血液像
  6–2 正常骨髄像
  6–3 正常骨髄でまれにみられる細胞
  6–4 骨髄にみられる特殊な細胞
  6–5 形質細胞の形態
  6–6 骨髄組織像
  6–7 病的骨髄の模型
  6–8 特殊染色
第7章 赤血球系の異常
 I 貧血
  1 小球性低色素性貧血
  2 正球性正色素性貧血
  3 大球性貧血
 II 赤血球増加症
  1 真性多血症
  2 二次性赤血球増加症
  3 相対的赤血球増加症
 ATLAS
  7–1 鉄欠乏性貧血
  7–2 サラセミア症候群
  7–3 鉄芽球性貧血
  7–4 遺伝性球状赤血球症
  7–5 自己免疫性溶血性貧血
  7–6 不安定ヘモグロビン異常症
  7–7 再生不良性貧血
  7–8 赤芽球癆
  7–9 発作性夜間ヘモグロビン尿症
  7–10 巨赤芽球性貧血
  7–11 先天性赤血球形成異常性貧血
第8章 白血球系の異常
 I 白血球減少症
  1 好中球減少症
  2 リンパ球減少症
  3 好酸球減少症
 II 白血球増加症
  1 好中球増加症
  2 好酸球増加症
  3 好塩基球増加症
  4 単球増加症
  5 リンパ球増加症
  6 類白血病反応
 III 先天性好中球機能異常症
 IV 白血病
  1 急性白血病
  2 慢性白血病
  3 近年の白血病分類の変遷
 V FAB分類による白血病の病型分類
  1 FAB分類の特徴
  2 FAB分類の基礎的事項
  3 急性骨髄性白血病
  4 骨髄異形成症候群
  5 急性リンパ性白血病
 VI WHO分類による骨髄系腫瘍の病型分類
  1 骨髄増殖性腫瘍
  2 肥満細胞症
  3 PDGFRA,PDGFRB,FGFR1遺伝子再構成またはPCM1−JAK2を伴い,好酸球増加を伴う骨髄/リンパ系腫瘍
  4 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍
  5 骨髄異形成症候群
  6 胚細胞遺伝子変異を伴う骨髄系腫瘍
  7 急性骨髄性白血病および関連腫瘍
  8 芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
  9 分化系統不明瞭な急性白血病
 VII WHO分類によるリンパ系腫瘍の病型分類
  1 前駆リンパ球系腫瘍
  2 慢性リンパ性白血病
  3 特殊な白血病
  4 悪性リンパ腫
 VIII Mタンパク血症
  1 原発性マクログロブリン血症
  2 多発性骨髄腫
 IX 細網内皮系疾患
  1 ゴーシェ病
  2 ニーマン・ピック病
 ATLAS
  8–1 無顆粒球症
  8–2 白血球増加症
  8–3 急性骨髄性白血病
  8–4 急性白血病
  8–5 その他の急性肥満細胞性白血病
  8–6 骨髄異形成症候群
  8–7 慢性白血病
  8–8 その他のリンパ性白血病
  8–9 その他の分化系統不明および特殊な血液
  8–10 悪性リンパ腫
  8–11 原発性マクログロブリン血症
  8–12 多発性骨髄腫
  8–13 原発性骨髄線維症
  8–14 ゴーシェ細胞
  8–15 ニーマン・ピック細胞
  8–16 血球貪食症
  8–17 骨髄へのがん細胞の転移
  8–18 LE細胞
  8–19 血球計数に影響をもたらす形態異常
第9章 血小板系の異常
 I 血小板減少症
  1 特発性血小板減少性紫斑病
  2 血栓性微小血管障害
  3 偽性血小板減少症
  4 ヘパリン起因性血小板減少症
 II 血小板増加症
  1 本態性血小板血症
  2 続発性血小板増加症
 III 先天性血小板形態異常症
  1 メイ・ヘグリン異常と類似疾患
  2 ベルナール・スーリエ症候群
  3 ウィスコット・アルドリッチ症候群
  4 灰色血小板症候群
 ATLAS
  9–1 特発性血小板減少性紫斑病
  9–2 血栓性血小板減少性紫斑病
  9–3 本態性血小板血症
  9–4 メイ・ヘグリン異常
  9–5 フェクトナー症候群
  9–6 ベルナール・スーリエ症候群
  9–7 ウィスコット・アルドリッチ症候
第10章 モノクローナル抗体を応用した細胞の解析
 I 正常末梢血リンパ球
  1 モノクローナル抗体
  2 CD分類
  3 末梢血リンパ球の分類
  4 T細胞抗原受容体(TCR)のタイプからみたT細胞の分類と造血器腫瘍
  5 CD4+T細胞サブセット
  6 単染色と二重染色によるリンパ球サブセットの分類
 II 血液疾患における適用
  1 細胞表面マーカー
  2 抗体の反応性
  3 ゲーティング法の重要性
  4 モノクローナル抗体を用いた細胞のクロナリティー検索
  5 B細胞の分化に伴う免疫グロブリンクラスの変化
  6 新しい血球分化モデル(myeloid基本型)
 III 造血器腫瘍細胞の免疫学的表面形質(症例解説)
 IV 免疫組織染色とフローサイトメトリーの悪性リンパ腫診断への応用
  1 免疫組織染色の特徴
  2 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された例
  3 がんの抗体療法の適応判断
 V その他の血液疾患への応用
  1 発作性夜間ヘモグロビン尿症への応用(高感度法)
  2 血小板膜異常症への応用
  3 末梢血幹細胞測定への応用
第11章 染色体とその異常
 I 染色体
  1 ヒト染色体の種類と染色体各部の名称
  2 各種分染法
  3 G分染法における染色体分類の特徴
  4 正常ヒト染色体の核型分析
 II 染色体異常
  1 数の異常
  2 構造異常
  3 染色体核型記載方法
 III 先天性染色体異常
  1 性染色体異常
  2 常染色体異常
  3 その他
 IV 造血器腫瘍にみられる染色体異常
  1 分類法と病型
  2 白血病の染色体分析
  3 悪性リンパ腫の染色体分析
 V 染色体分析法
  1 培養
  2 低張処理
  3 細胞固定
  4 標本作製
  5 G分染法
  6 鏡検,撮影,分析,報告
第12章 血液疾患へのFISH法の応用
 I FISH法
 II FISH法の原理
 III FISH法に用いる検体
 IV FISH法に用いるプローブの種類
  1 セントロメアプローブ
  2 全染色体(ペインティング)プローブ
  3 テロメア(TelVysion)プローブ
  4 遺伝子座特異的(領域特異的)プローブ
 V FISH法による操作手順
  1 試薬
  2 調製試薬
  3 必要器具・機器
  4 標本作製
 VI 症例
  1 BCR-ABL1DFプローブ陽性例
  2 BCL6BAプローブ陽性例
 VII 染色体検査とFISH法の比較
 VIII FISH法の応用(m-FISH法,SKY FISH法)
第13章 遺伝子検査
 I 遺伝子検査の重要性
 II 遺伝子検査の基本技術と検査法
  1 検体の取り扱い
  2 酵素類
  3 ゲル電気泳動
  4 PCR法
  5 RT-PCR法
  6 DNA プローブの作製
  7 サザンブロッティング法
  8 ハイブリダイゼーション法
  9 RI,発光,発色によるシグナルの検出
  10 重複,欠失,転座などのDNAの量的変化や構造的変化を検出する方法
  11 定量PCR
  12 塩基の突然変異や多型をみつける方法
  13 シークエンス法
 III 遺伝子検査による臨床診断
  1 Bリンパ球性腫瘍における免疫グロブリン遺伝子の再構成
  2 Tリンパ球性腫瘍におけるT細胞受容体遺伝子の再構成
  3 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)のHTLV-Iウイルス確認
  4 JAK2遺伝子変異,CALR遺伝子変異,MPL遺伝子変異
  5 BCR−ABL1融合遺伝子
  6 PML−RARA融合遺伝子
  7 WT1遺伝子
 IV 遺伝子検査の展望
索引

改訂第4版の監修にあたって

 本書は書名に明らかなように、臨床血液学の“導入”であり、診断の第一歩となる血球形態学に重点を置いている。現在では基本的な血液検査の多くは自動化されているが、一旦血球数に異常がみつかれば、血球の形態学的検査、すなわち良質な血液塗抹・染色標本の顕微鏡的観察が要求され、これが病態理解、ひいては正しい診断・治療への入り口となる。その後は、各種の専門的な特殊検査である染色体・核型検査、遺伝子検査、モノクローナル抗体による免疫学的検査、関連生化学的検査などが動員され、細胞分化・成熟度の判定、さらに遺伝子配列の網羅的観察などが行われ、それらの結果に基づき、診断、病態解析、予後推測へと進んでいく。
 本書では、これらの諸検査の基本的事項がわかりやすく解説されている。さらに、主要な血液疾患について、血球形態学に始まり、その病態、臨床特徴、治療の基本などについても簡潔に記載されている。今改訂では2017年に発行された造血器腫瘍の国際基準である、WHO分類改訂第4版に準拠した解説とした。
 本書の意図する読者対象の第一は、血液疾患診断の第一線を務める臨床検査技師であるが、医学生の血液学入門書としても推薦しうる書であり、血液疾患に興味をもつ、若手研修医、研究者、看護学生など、医療系学生一般にとっても格好の入門書であろう。
 本書は、藤田医科大学血液内科および血液臨床検査研究部において長年集積された資料を中心に、全国のいくつかの施設のご協力を得て、各種血液異常・疾患にみられる異常血液像を網羅し、血液疾患アトラスの役目も十分果たしている。ご協力いただいた施設および協力者に感謝申し上げる。

2020年11月
藤田医科大学名誉教授
平野正美