書籍

新装版 ナース・研修医のための心電図が好きになる!

: 山下武志
ISBN : 978-4-524-22774-7
発行年月 : 2020年7月
判型 : A5
ページ数 : 190

在庫あり

定価2,750円(本体2,500円 + 税)


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  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

研修医、看護師、検査技師など、これから心電図を学ぶ人、心電図でつまずいた人に向けて大好評を博したベストセラーが、装いを新たに一層見やすく、読みやすくなって帰ってきた!不整脈・心電図判読の名人である著者が、モニター心電図だけでなく12誘導心電図も含めて、病棟における実践的な観点をわかりやすく解説。この1冊で“時間をかけずに心電図が好きになる”こと間違いなし。

I章 モニター心電図ってなに?
 A モニター心電図を記録するとき
 B なんとなく自信がない不整脈−名前がつけられないから迷っているだけ
II章 モニター心電図を読んでみよう
 A 心拍数が遅かったら−P波を見よう!
  Case01 P波は遅くないけどQRS波が遅い
  Case02 P波もQRS波も同じように両方遅い
  Case03 P波がない,遅い徐脈
  Case04 速い不整脈のあとに急に遅くなる
 B 心拍数が速かったら−QRS波を見よう!−QRS幅が狭いとき
  Case01 一見正常だけど,心拍数は100拍/分を超える
  Case02 正常なんだけど,なんとなく不規則
  Case03 ときどき不規則
  Case04 規則的で速い
  Case05 基線がギザギザしている不整脈(ギザギザは規則的)
  Case06 基線が揺れ,まったく不規則な不整脈
 C 心拍数が速かったら−QRS波を見よう!−QRS幅が広かったら
  Case01 ときどき不規則
  Case02 幅の広いQRS波からなる頻脈
  Case03 心室頻拍?
  Case04 グチャグチャのモニター心電図
  Case05 グチャグチャのモニター心電図だけど
 D ペースメーカー患者のモニター心電図
III章 12誘導心電図ってなに?
 A なぜ12誘導心電図なんだろう?
 B 12誘導心電図を見る順序を考えてみよう
IV章 12誘導心電図を読んでみよう
 A 「この12誘導心電図は正常です」と自信をもって言ってみよう!
 B 異常なQRS波をチェックしよう!
  Case01 異常Q波はないか?
  Case02 大きすぎるQRS波はないか?
  Case03 変な形のQRS波をチェックしよう!
 C 異常なST部分をチェックしよう!
  Case01 一部の誘導でST部分が上昇している!
  Case02 全部の誘導でST部分が上昇している!
  Case03 ST部分が低下している!
 D T波,P波をチェックしよう!
  Case01 異常なT波をチェックしよう!
  Case02 異常なP波をチェックしよう!
V章 心電図プロになるアイテム集
 A 変行伝導って?
 B 変化していそうで実は変化していない心電図−移行帯を知っておこう!
 C WPW症候群って?
 D Brugada症候群って?
 E QT延長症候群って?
 F 不整脈エビデンス(1)−心室期外収縮を見たらどうする?
 G 不整脈エビデンス(2)−心房細動を見たらどうする?
 H 不整脈エビデンス(3)−心室頻拍,心室細動を見たらどうする?
 I 心電図の解釈を間違えること−木を見て森を見ず!
 J 心電図プロになるコツ
索引

新装版の序

 このテキストを手にして、パラパラとページをめくってみた方に、本書の紹介をしたいと思います。本書の初版は2004(平成16)年に刊行されました。そして、その後約16年もの間、数多くの読者からご好評をいただき、計11回も刷られた(11刷)という心電図のテキストです。初版を読んで、日ごろ携わる様々な医療に生かしてくださったこれまでの読者の方々に、まずはお礼を述べたいと思います。
 本書は、はじめて医療現場に飛び込んだ新人さんたちを対象読者として、「心電図をどのように読むか?」ではなく、「心電図をどのように現場で生かすか?」をテーマに書いたテキストですが、実はその内容…16年経った今もほとんど変わっていません。人間が行う診療、看護の本質は、いくら医療技術が進歩しても、人が人をケアするという意味で変わりようがないのでしょう。ただ、16年も経ってしまうと、流通する書籍のデザインの流行が変わってしまい、本書はともすると古めかしい見映えがするものとなってしまいました。そこで、あらためて読者が気持ちよく読めるようにと、装丁やレイアウトを一新することにしました。
 あらためて、自分自身もこの機会に本書を一読しました。本心を明かせば、もうこのようなテキストは書けないかも…と感じています。このテキストを書いたのは、自分がまだ40歳そこそこで、20〜30歳代に自分が学んだことを伝えたいという気持ちや、実際にベッドサイドで看護師の方々に教えていたリアルな生きいきしたイメージが伝わる文章になっています。それが、好きか、嫌いかは人次第かもしれませんが…、もし気に入っていただけたなら、これからのあなたの現場をよりよくするための一助となればと祈っています。

2020年5月
山下武志

 最初に断言する。本書はナースから医師まで、初学者から専門医まで、日常臨床に携わるすべての者にとって、必読の聖書(バイブル)である。見た目の薄さからは想像できないほど内容は濃く、そして心電図が苦手な初学者から、心電図が得意でさらなるレベルアップを目指している読者まで、驚くほどにさまざまなレベルの読者が満足できる内容になっている。
 本書は、「I章:モニター心電図ってなに?」「II章:モニター心電図を読んでみよう」「III章:12誘導心電図ってなに?」「IV章:12誘導心電図を読んでみよう」「V章:心電図プロになるアイテム集」、の5章で構成されている。これらの章題を見ても、ナース、研修医だけでなく専門医まで、実に対象が幅広いことがわかるはずである。各章を少しずつ紹介しよう。
 I章では、主にモニター心電図の読み方と、モニター心電図診断の得意分野・不得意分野を紹介している。また、モニター心電図でP波やQRS波が小さい場合、揺れている場合における電極装着位置の調整のちょっとしたコツまで、きめ細やかに説明されており、正直私も大変勉強になった。今度、病棟で実践して、モニター波形で困っているナースや研修医を驚かせよう。
 II章では、モニター心電図で気づいた異常を、診断名という医学的な共通言語にどうやって表現するかを説明している。心電図を苦手と感じる読者の多くは、気づいた異常を医学的に述べることが難しいと感じている。この点で心電図嫌いになってしまう読者も多く、本章はその苦手意識を克服するために必読であろう。
 III〜IV章では、12誘導へ話題が移る。12誘導の波形の必要性から始まり、各誘導の波形の機序の説明と続き、非常に理解しやすい。とくにIV章では、脚ブロックやST変化など、日常臨床で頻繁に遭遇し、かつ見逃してはならない所見、そして緊急性のある所見を機序とともに解説している。心電図変化を覚えるのではなく、機序を理解する大切さや面白さを伝えたいという熱意を非常に感じ、ここまで読み進める頃には、心電図を苦手と感じていた初学者も、心電図が好きになり得意分野となっているに違いない。
 そんな読者を、さらに専門医レベルまでレベルアップさせてくれるのがV章である。心室内変行伝導やWPW症候群、Brugada症候群、QT延長症候群など、専門医でないと見逃してしまうような疾患を丁寧に解説している。ただ、それだけでは終わらないのが山下武志先生である。巻末に、日常臨床でよく遭遇する不整脈とその治療のエビデンスを紹介し、「心電図を治療するのではなく、患者自身をエビデンスに基づいて治療することが大切である」という私たちが時に忘れがちな、非常に重要なメッセージで本書は締めくくられる。
 こんなに濃い内容と熱意にあふれる参考書はあるだろうか? 毎年4月、研修医・ナースに勧めてみよう。

臨床雑誌内科127巻2号(2021年2月号)より転載
評者●日本大学医学部内科学系循環器内科学分野 主任教授 奥村恭男