書籍

脊椎脊髄病用語事典改訂第6版

編集 : 日本脊椎脊髄病学会
ISBN : 978-4-524-22699-3
発行年月 : 2020年3月
判型 : B6
ページ数 : 248

在庫あり

定価3,850円(本体3,500円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

5年ごとの定期改訂による第6版。単なる用語集ではなく、「事典」として用語の選定から解説の見直しまでを行い、脊椎脊髄病領域の知識を学べる入門書としても評価が高い。整形外科領域・脳神経外科領域双方の用語の整合性にも配慮し、基本知識を支える原文献から新たな治療法、評価法も取り上げ、解説の追加・見直しを行った。

I.解剖(図示と機能解剖用語)
II.バイオメカニクス(機能解剖を含む)
III.生理学(電気生理学を含む)
IV.病態および臨床所見
V.画像
VI.疾患
VII.治療
VIII.評価
IX.心理
X.索引

「脊椎脊髄病用語事典」第6版刊行にあたって

 「脊椎脊髄病用語事典」は「脊椎外科用語事典」として1995年の刊行以来、5年ごとの改訂を行ってまいりました。第5版は2015年に刊行されましたが、私もその委員を務めており、今回は委員長の大役を仰せつかりました。前回の経験を活かし、高相晶士担当理事、加藤真介アドバイザーのご指導をいただきながら、刊行までたどり着いた次第です。7名の用語委員の先生方、また3名の執筆協力者におかれましては大変なご尽力心より御礼申し上げます。第6版は第5版を踏襲し、解剖、バイオメカニクス、生理学、病態および臨床所見、画像、疾患、治療、評価、心理といたしました。
 今回の改訂では、まず昨今の情報社会において書籍の必要性の是非が問われました。しかしながら、本書は一般の用語集に見受けられる用語の羅列の体裁ではありません。解説、文献が豊富に盛り込まれており、ハンドブックの形態は継承すべきと委員会で方向性が決定しました。
 作成過程としては、脊椎関連学会に幅広く意見聴取し用語の選択を行いました。また、各委員がこの5年間での新規用語、また使用されなくなった用語をご自身の経験や学会抄録集、書籍から選択していただきました。さらに、日本整形外科学会「整形外科学用語集」からも脊椎関連用語を選択いたしました。これら膨大に選択された用語に対して委員会で70%以上の賛同が得られた場合に採否を選択し、文献を引用しながら解説文を記載した次第です。特に腰椎の前側方解剖、成人脊柱変形に関すること、患者評価、新技術などが第5版から大幅に盛り込まれております。
 改訂原稿完成後は再度、各種学会、日本整形外科学会用語委員会、日本脊椎脊髄病学会の名誉会員、理事、監事、評議員の先生方にパブリックコメントを求め、その意見を基に加筆修正を行いました。委員会としても最新の知識を網羅した内容と自負しており、多くの読者の先生方に対して、用語の確認、また知識の習得に少しでもお役に立てればと考えております。とはいえ、不満な点がまだまだあると思いますので、お気づきの点はお知らせいただけますと幸いに存じます。
 最後になりましたが、「脊椎脊髄病用語事典」(改訂第6版)の作成にあたり、日本脊椎脊髄病学会の皆様方、南江堂の方々には大変なご尽力をいただきました。心より御礼申し上げます。

2020年3月
日本脊椎脊髄病学会用語委員会
委員長 大鳥精司

 本書は「脊椎外科の用語事典」として、酒匂崇鹿児島大学名誉教授を委員長として1995年に刊行されて以来、5年ごとの改訂を行っています。1995年は私が専門を脊椎外科に決めた年であり、非常に感慨深く感じます。脊椎脊髄外科領域では、この25年の間に劇的に診断、治療がかわりました。1995年は、腰椎椎間板ヘルニアの自然吸収が判明した時期にあたります。かつて、指導医の先生が腰椎椎間板ヘルニアの患者さんを外来で診察し、脊髄造影の後、手術のために入院してきたときの看護記録の主訴には「なんの症状もない」と記載されており、いざ手術をしてみるとヘルニアがなかった、という経験がありました。ヘルニアの自然吸収について後に学会で拝聴し、その症例は自然吸収されたのだと考えたものです。また、当時は、腰椎除圧術は術後2週間床上安静、固定術は術後3週間床上安静でしたが、今では手術翌日に離床するのが当たり前のようになっております。脊椎内視鏡手術、脊椎ナビゲーション手術も1996年ごろに日本に入ってきました。脊椎低侵襲手術は除圧術からpercutaneous pedicle screw(PPS)、extreme lateral interbody fusion(XLIF)、oblique lateral interbody fusion(OLIF)などへの固定術、さらには矯正術にまで発展して、脊椎ナビゲーション手術も、術前CTナビゲーションから、O-armやハイブリッドナビゲーション手術室などの術中CTナビゲーションへと進化が続いております。
 本書は5年ごとの定期改訂による第6版です。単なる用語集ではなく、「事典」としての用語の選定から解説の見直しまでを行い、脊椎脊髄病領域の知識を学べる入門書としても高く評価されています。整形外科領域・脳神経外科領域双方の用語の整合性にも配慮し、基本知識を支える原文献から新たな治療法、評価法も取り上げ、解説の追加・見直しを行っています。第6版は千葉大学の大鳥精司教授が用語委員会委員長を務めております。本書では、正しく脊椎脊髄外科領域の医学論文が書け、学会発表が行えることを目標に、脊椎脊髄病に関する用語の選定、定義・解説を行い、曖昧な用語の使い方を行わないことを第1の目的としています。
 内容は、解剖、バイオメカニクス、生理学、病態および臨床所見、画像、疾患、治療、評価、心理の各パートに分かれています。また、一般の用語集にみられる用語の羅列ではなく、それぞれの用語に100〜200字のわかりやすい説明がついています。さらに、用語によっては参考文献もついており、優れた配慮と思います。私も、今までわかっていなかった用語が何個かみつかりました。脊椎外科をこれから始めようとする先生、ベテランの先生も一度通読してみることをお勧めします。
 第6版で追加された内容として、ここ5年間で積極的に行われるようになっている腰椎前側方固定術に有用な腰椎の前側方解剖、成人脊柱変形に関する情報、患者評価、新技術についての内容が大幅に盛り込まれています。特に勉強させていただいた内容が多かったのは、評価の項です。国際生活機能分類をはじめ、今まで聞いたことがなかった評価が数多くあり、今後の臨床、研究に役立てようと思いました。本書は、多くの先生方にとって、用語の確認、また知識の習得に役に立つと確信しております。

臨床雑誌整形外科71巻13号(2020年12月号)より転載
評者●信州大学運動機能学教授 橋淳