書籍

MRIで理解するスポーツ外傷・障害

  • 新刊

編集 : 安達伸生
ISBN : 978-4-524-22666-5
発行年月 : 2022年2月
判型 : B5
ページ数 : 270

在庫あり

定価7,700円(本体7,000円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

スポーツ外傷・障害診療において最適解を求めるために不可欠なMRI.このMRIを臨床医が適切にとり入れることを目的に制作されたのが本書である.整形外科医を中心としたスポーツ医療の最前線を走る執筆陣が治療者の視点からMRIの役立て方・とり方・読み方を解説し,臨床に直結するアドバイス,臨床上の洞察を与える仕立てとしている.スポーツ医療関係者に自信と確信をもたらす一冊.

第1章 脊椎
 1.脊椎MRI における正常組織像
 2.見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI
 3.頚髄損傷
 4.頚椎椎間板ヘルニア
 5.腰椎椎間板ヘルニア
 6.腰椎分離症

第2章 骨盤・股関節・大腿
 1.骨盤・股関節MRI における正常組織像
 2.見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI
 3.Groin pain
 4.寛骨臼関節唇損傷
 5.大腿骨寛骨臼インピンジメント
 6.裂離骨折
 7.疲労骨折
 8.肉ばなれ

第3章 膝関節・下腿
 1.膝MRI における正常組織像
 2.見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI
 3.前十字靱帯損傷
 4.後十字靱帯損傷
 5.膝複合靱帯損傷
 6.膝蓋骨脱臼
 7.半月板損傷
 8.関節軟骨損傷・離断性骨軟骨炎
 9.肉ばなれ
 10.疲労骨折
 11.膝蓋腱炎
 
第4章 足関節・足
 1.足関節・足MRI における正常組織像
 2.見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI
 3.足関節靱帯損傷
 4.距骨骨軟骨損傷
 5.アキレス腱断裂・アキレス腱付着部症・その他腱障害
 6.疲労骨折

第5章 肩関節・上腕
 1.肩関節MRI における正常組織像
 2.見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI
 3.腱板損傷
 4.関節唇損傷
 5.肩関節不安定症
 6.肉ばなれ

第6章 肘関節・前腕
 1.肘関節MRI における正常組織像
 2.見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI
 3.小頭離断性骨軟骨炎
 4.内側側副靱帯損傷
 5.上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

第7章 手関節・手
 1.手関節・手MRI における正常組織像
 2.見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI
 3.TFCC 損傷
 4.舟状骨骨折
 5.手根骨間靱帯損傷
 6.Kienböck病
 7.母指MP関節尺側側副靱帯損傷

序 文

 スポーツは競争的な競技・種目として行うばかりではなく,精神的および肉体的な健康増進や生活習慣病の予防にも大切である.一般市民に対しても生涯スポーツが推奨され,近年,幅広い年齢層でスポーツ人口が増え,同時にスポーツ外傷・障害を治療する機会も増えている.

 一般的に「スポーツ外傷」は1回の外傷による疾患を,「スポーツ障害」はいわゆるオーバーユースによる疾患を意味する.運動器を構成する骨・関節,脊髄や末梢神経,筋肉などに発生する様々なスポーツ外傷・障害は正確な診断に基づいた適切な治療が必要であることはいうまでもない.診断は,病歴聴取,触診や徒手検査などの身体的検査が基本であるが,確定診断,鑑別診断,治療法の決定や治療後の評価に画像診断は必要不可欠である.現在,臨床の現場ではX線,CT,超音波,MRIなどの画像診断がそれぞれの有用性に鑑みて用いられている.なかでもMRIは骨や軟部組織の描出に優れ,運動器のスポーツ外傷・障害に対して有用なツールであり,昨今では画像検査センターの普及などにより自施設にMRIのない医師にとってもルーチンの検査となっている.また,MRI機器そのものや様々な撮像シークエンスの改良,開発により,質的診断も格段に向上した.

 MRIの読影の多くは放射線科医師によって行われるが,特に運動器の専門家である整形外科医にとっては,自らの眼で画像を見て判断し診断することが大変重要である.また,スポーツに携わる多くのメディカルスタッフもMRI画像を見る機会が多いだろう.

 本書では整形外科専攻医,専門医を問わずスポーツ診療に携わる医師やメディカルスタッフを対象に,スポーツによる運動器外傷・障害のMRI診断・読影ポイントをエキスパートの先生方に解説いただいた.構成は部位別として,各部位の「正常組織像」の項目では,基本的な撮像条件,撮像方向,正常組織像の見え方について解説し,「見逃してはいけない腫瘍性疾患のMRI」の項目も設けている.各疾患の項目では,疾患・病態の解説,MRIが必要な状況・タイミング,撮像方法と肢位,読影のポイント・注意点,鑑別診断,MRIの意義と限界などを解説した.さらに,スポーツが受傷機転となった代表的な症例を提示し,診断,治療経過,経過観察などを解説して,その疾患をより深く理解していただけるよう工夫した.

 執筆陣はスポーツによる運動器外傷・障害のMRI診断に精通する我が国を代表とする整形外科および放射線科の先生方である.日々の臨床で大変お忙しいなか,ご執筆いただきました先生方に,この場をお借りして心よりお礼申し上げる.

 本書がスポーツ外傷・障害を診断,治療する整形外科医,またスポーツに携わる他科の先生方やメディカルスタッフの方々の一助となり,早期診断および適切な治療介入によりスポーツ外傷・障害を有する患者に対して貢献できれば幸いである.

2021年12月
広島大学整形外科 安達伸生