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日本消化器病学会ガイドライン

大腸ポリープ診療ガイドライン2020改訂第2版

  • 新刊

編集 : 日本消化器病学会
ISBN : 978-4-524-22547-7
発行年月 : 2020年6月
判型 : B5
ページ数 : 176

在庫あり

定価3,520円(本体3,200円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本消化器病学会編集による診療ガイドライン。Mindsの作成マニュアルに準拠し、臨床上の疑問をCQ(clinical question)、BQ(background question)、FRQ(future research question)に分けて記載。CQではエビデンスレベルと推奨の強さを提示。大腸ポリープ診療における、疫学、スクリーニング検査、病態・定義・分類、診断、治療、偶発症と治療後のサーベイランス等について、エビデンスに基づき現時点の標準的な指針を示す。

クエスチョン一覧
第1章 疫学
 BQ1-1 大腸癌の危険因子と抑制因子は何か?
 BQ1-2 大腸腫瘍(癌)の罹患率(発生率),有病率は?
 BQ1-3 大腸腫瘍(癌・腺腫)の好発部位はどこか?
 BQ1-4 平坦陥凹型腫瘍の頻度は?
第2章 スクリーニング
 BQ2-1 大腸がん検診は有用か?
 BQ2-2 便潜血検査(FOBT)の適切な採便方法は?
 BQ2-3 大腸腫瘍に対する便潜血検査(FOBT)の感度・特異度は?
 BQ2-4 大腸腫瘍に対する大腸内視鏡検査の感度・特異度は?
 BQ2-5 大腸内視鏡検査に伴う偶発症の発生頻度は?
 BQ2-6 大腸腫瘍に対する大腸カプセル内視鏡の感度・特異度は?
 BQ2-7 大腸腫瘍に対するCCT colonographyの感度・特異度は?
 BQ2-8 大腸腫瘍に対するCPET/PET-CTの感度・特異度は?
 BQ2-9 大腸腫瘍のスクリーニングにおける画像強調観察の位置づけは?
 CQ2-1 大腸癌の適切なスクリーニング法とその間隔は?
 FRQ2-1 便中遺伝子,その他のバイオマーカーを用いたスクリーニング法は?
第3章 病態・定義・分類
 BQ3-1 大腸ポリープには組織学的にみてどのようなものがあるか?
 BQ3-2 腺腫の担癌率は?
 BQ3-3 腺腫の癌化に関与する遺伝子は?
 BQ3-4 CIMP,MSI phenotype,MSS phenotypeとは?
 BQ3-5 分子生物学的特徴からみた大腸癌の新しい分子異常仮説は?
 BQ3-6 adenoma-carcinoma sequence説とは?
 BQ3-7 de novo癌とは?
 BQ3-8 PG(polypoid growth),NPG(non-polypoid growth)とは?
 BQ3-9 serrated pathwayとは?
 BQ3-10 SPS(serrated polyposis syndrome)とは?
 BQ3-11 大腸癌の肉眼型分類は?
 BQ3-12 大腸Cpit pattern分類とは?
 BQ3-13 LST(laterally spreading tumor)とは?
 BQ3-14 advanced neoplasiaとは?
第4章 診断
(1)腫瘍の質的診断(組織型・深達度)
 BQ4-1 通常内視鏡検査(色素コントラスト法併用法)による大腸上皮性腫瘍の質的診断能は?
 BQ4-2 色素散布を含む通常内視鏡検査による早期大腸癌の深達度診断能は?
 BQ4-3 大腸T1(SM)高度浸潤癌に特徴的な内視鏡所見は何か?
 BQ4-4 早期大腸癌に対する超音波内視鏡検査(EUS)の深達度診断能は?
 BQ4-5 早期大腸癌に対する注腸造影検査の深達度診断能は?
 BQ4-6 早期大腸癌の内視鏡的深達度診断法のストラテジーは?
 CQ4-1 拡大内視鏡検査は大腸病変の質的診断に有用か?
 CQ4-2 拡大内視鏡検査は早期大腸癌の深達度診断に有用か?
 CQ4-3 画像強調観察を併用した拡大内視鏡検査は大腸腫瘍の組織診断および深達度診断に有用か?
(2)病理診断
 BQ4-7 大腸ポリープの病理診断について注意すべきことは?
 BQ4-8 大腸癌の組織分類とは?
 BQ4-9 WHO分類で提唱されている内分泌腫瘍の組織分類は?
第5章 治療・取り扱い
 BQ5-1 早期大腸癌に対する内視鏡治療の適応は?
 BQ5-2 内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)の適応は?
 BQ5-3 内視鏡治療の適応病変に生検は必須か?
 BQ5-4 内視鏡切除の禁忌は?
 BQ5-5 内視鏡切除後出血に対する緊急内視鏡検査の適応と注意点は?
 CQ5-1 内視鏡切除の適応となる大腸腺腫の大きさは?
 CQ5-2 過形成性ポリープの取り扱いは?
 CQ5-3 大腸鋸歯状病変に対する内視鏡診断のポイントと治療適応は?
 CQ5-4 LST(laterally spreading tumor)の治療方針は?
 CQ5-5 cold snare polypectomyの適応病変は?
 CQ5-6 分割内視鏡的粘膜切除術(EMR)が容認される大腸腫瘍とは?
第6章 治療の実際
 BQ6-1 大腸癌に対する化学予防(chemoprevention)は可能か?
 BQ6-2 内視鏡治療後のクリッピングは穿孔や後出血の予防に有効か?
 BQ6-3 抗血栓薬服用者における内視鏡検査・治療時の対応は?
 BQ6-4 心臓ペースメーカ植込み患者に対する内視鏡治療時の注意点は?
 BQ6-5 基礎疾患(呼吸器,循環器系)を有する患者に対する内視鏡治療時の注意点は?
 BQ6-6 大腸の部位で腹腔鏡下手術を行いやすい部位と行いにくい部位はどこか?
 BQ6-7 直腸ポリープの局所切除術にはどのような術式があるか?
第7章 偶発症と治療後のサーベイランス
 BQ7-1 内視鏡治療に伴う偶発症発生率は?
 BQ7-2 内視鏡治療に伴う偶発症発生時の対応策は?
 BQ7-3 大腸腺腫に対する内視鏡切除により大腸癌罹患率は低下するか?
 BQ7-4 大腸T1(SM)癌治療後の長期成績は?(内視鏡切除例,外科手術例)
 CQ7-1 大腸腺腫の内視鏡切除後のサーベイランスはどうすべきか?
 CQ7-2 大腸T1(SM)癌の内視鏡切除後のサーベイランスはどうすべきか?
 CQ7-3 大腸T1(SM)癌に対する外科手術後のサーベイランスは必要か?
第8章 その他
(1)粘膜下腫瘍・非腫瘍性ポリープ
 BQ8-1 大腸粘膜下腫瘍(SMT)の診断と取り扱いは?
 CQ8-1 大腸NET(neuroendocrine tumor)の診断と取り扱いは?
 CQ8-2 非腫瘍性大腸ポリープの診断と取り扱いは?
(2)ポリポーシス・遺伝性腫瘍
 BQ8-2 大腸ポリポーシスにはどのようなものがあるか?
 BQ8-3 大腸ポリポーシスにおける遺伝子診断の臨床的意義は何か?
 BQ8-4 遺伝性腫瘍の遺伝子診断を行う場合の手続きとは?
 BQ8-5 家族性大腸腺腫症(FAP)の臨床像と治療方針は原因遺伝子により異なるか?
 BQ8-6 家族性大腸腺腫症(FAP)の家族(血縁者)に対する適切なサーベイランス法は何か?
 BQ8-7 家族性大腸腺腫症(FAP)に対する術式は何か?
 BQ8-8 Peutz-Jeghers症候群(PJS)における消化管サーベイランスの意義は?
 BQ8-9 若年性ポリポーシスに伴う消化管悪性腫瘍に対するサーベイランス法は何か?
 BQ8-10 Cowden病に伴う悪性腫瘍とそのサーベイランス法は?
 BQ8-11 Cronkhite-Canada症候群の治療方針は?
 BQ8-12 Lynch症候群の概念と診断基準は?
 BQ8-13 潰瘍性大腸炎におけるdysplasiaの考え方と診断基準とは?
 CQ8-3 家族性大腸腺腫症(FAP)とattenuated FAP(AFAP)で治療方針は同じか?
 FRQ8-1 Lynch症候群に対する術式は何か?
(3)潰瘍性大腸炎関連腫瘍/癌
 BQ8-14 潰瘍性大腸炎に合併するdysplasia/早期癌の形態的特徴は?
 CQ8-4 潰瘍性大腸炎に対する癌化サーベイランスの対象と方法は?
 CQ8-5 潰瘍性大腸炎にdysplasia/癌が検出されたらすべて手術適応か(low grade dysplasia(LGD)でも手術適応か)?
 FRQ8-2 潰瘍性大腸炎における隆起型dysplasiaと通常腺腫の鑑別診断は?

刊行にあたって

 日本消化器病学会は、2005年に跡見裕理事長(当時)の発議によって、Evidence-Based Medicine(EBM)の手法にそったガイドラインの作成を行うことを決定し、3年余をかけて消化器疾患(胃食道逆流症(GERD)、消化性潰瘍、肝硬変、クローン病、胆石症、慢性膵炎)のガイドライン(第一次ガイドライン)を上梓した。ガイドライン委員会を積み重ね、文献検索範囲、文献採用基準、エビデンスレベル、推奨グレードなどEBM手法の統一性についての合意と、クリニカルクエスチョン(CQ)の設定など、基本的な枠組み設定のもと作成が行われた。ガイドライン作成における利益相反(Conflict of Interest:COI)を重要視し、EBM専門家から提案された基準に基づいてガイドライン委員のCOIを公開している。菅野健太郎理事長(当時)のリーダーシップのもとに学会をあげての事業として継続されたガイドライン作成は、先進的な取り組みであり、わが国の消化器診療の方向性を学会主導で示したものとして大きな価値があったと評価される。
 第一次ガイドラインに次いで、2014年に機能性ディスペプシア(FD)、過敏性腸症候群(IBS)大腸ポリープ、NAFLD/NASHの4疾患についても、診療ガイドライン(第二次ガイドライン)を刊行した。この2014年には、第一次ガイドラインも作成後5年が経過するため、先行6疾患のガイドラインの改訂作業も併せて行われた。改訂版では第二次ガイドライン作成と同様、国際的主流となっているGRADE(The Grading of Recommendations Assessment、Development and Evaluation)システムを取り入れている。
 そして、2019〜2021年には本学会の10ガイドラインが刊行後5年を超えることになるため、下瀬川徹理事長(当時)のもと、医学・医療の進歩を取り入れてこれら全てを改訂することとした。2017年8月の第1回ガイドライン委員会においては、10ガイドラインの改訂を決定するとともに、近年、治療法に進歩の認められる「慢性便秘症」も加え、合計11のガイドラインを本学会として発刊することとした。また、各ガイドラインのCQの数は20〜30程度とすること、CQのうち「すでに結論が明らかなもの」はbackground knowledgeとすること、「エビデンスが存在せず、今後の研究課題であるもの」はfuture research question(FRQ)とすることも確認された。
 2018年7月の同年第1回ガイドライン委員会において、11のガイドラインのうち、肝疾患を扱う肝硬変、NAFLD/NASHの2つについては日本肝臓学会との合同ガイドラインとして改訂することが承認された。前版ではいずれも日本肝臓学会は協力学会として発刊されたが、両学会合同であることが、よりエビデンスと信頼を強めるということで両学会にて合意されたものである。また、COI開示については、利益相反委員会が定める方針に基づき厳密に行うことも確認された。同年10月の委員会追補ではbackground knowledgeはbackground question(BQ)に名称変更し、BQ・CQ・FRQと3つのQuestion形式にすることが決められた。
 刊行間近の2019〜2020年には、日本医学会のガイドライン委員会COIに関する規定が改定されたのに伴い、本学会においても規定改定を行い、さらに厳密なCOI管理を行うこととした。また、これまでのガイドライン委員会が各ガイドライン作成委員長の集まりであったことを改め、ガイドライン統括委員会も組織された。これも、社会から信頼されるガイドラインを公表するために必須の変革であったと考える。
 最新のエビデンスを網羅した今回の改訂版は、前版に比べて内容的により充実し、記載の精度も高まっている。必ずや、わが国、そして世界の消化器病の臨床において大きな役割を果たすものと考えている。
 最後に、ガイドライン委員会担当理事として多大なご尽力をいただいた榎本信幸理事、佐々木裕利益相反担当理事、研究推進室長である三輪洋人副理事長、ならびに多くの時間と労力を惜しまず改訂作業を遂行された作成委員会ならびに評価委員会の諸先生、刊行にあたり丁寧なご支援をいただいた南江堂出版部の皆様に心より御礼を申し上げたい。

2020年4月
日本消化器病学会理事長
小池和彦