書籍

なんかヘン!?がわかる 心電図の第一歩

  • 新刊

編集 : 岡村英夫
ISBN : 978-4-524-22523-1
発行年月 : 2020年8月
判型 : B5
ページ数 : 164

在庫あり

定価2,750円(本体2,500円 + 税)


  • お気に入りに登録

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

心電図の波形から「なにかいつもと違う」「なんとなくおかしい」という異変に気づけること、つまり病気を発見するための“きっかけ”をつかむことをめざし、楽しみながら心電図を学ぶための入門書。異変をもとに、どう患者に対処すればよいか、どうドクターへ伝えればよいかなど、その場で行うべき具体的な対応も紹介。日々の臨床で感じる疑問も各所に設けた「一歩先へ」で解決。実際の原寸大の心電図波形に慣れ親しめば、もう心電図は怖くない!

はじめに
第1章 心電図はむずかしくない!−心電図の基本
 A 心電図はむずかしくない!
  1.心電図検査ってなぜやるの?
  2.「なんかヘン!?」がわかれば十分です
  3.なぜたくさんの誘導があるの?
  4.心電図の決まりごと
  5.斜め方向に電気が向かう場合はどう考える?
  6.12誘導心電図はどう装着する?−まずノイズに注意
  7.ノイズの原因
  8.四肢誘導は「あきよしくみこ」
  9.胸部誘導は「せきぐちくん」
  10.四肢誘導はどの電気方向をとらえるか
  11.胸部誘導はどの電気方向をとらえるか
  12.双極誘導と単極誘導って何?
  13.モニター心電図と12誘導心電図は何が違うの?
 B 心電図はざっくりこうなっている!
  1.なんとなく心電図を描いてみよう
  2.答えは…P,QRS,Tの3つの山
  3.各波1つずつ説明していきます
  4.電気の伝わる速さ
  5.横軸は“時間”
  6.では心拍数を求めてみましょう
  7.マス数ですぐ判断できる“徐脈”と“頻脈”
  8.縦軸は振幅
  9.正常な12誘導心電図
第2章 なんかヘン!?のセンスをみがく
 A なんかP波とQRS波がバラバラ!?
 B なんかP波とQRS波が近い!?
 C なんかスカスカ!?
 D なんか山が割れている!?
 E なんか間隔が一定じゃない!?(その1)
 F なんか間隔が一定じゃない!?(その2)
 G なんか間延びしている!?
 H なんかSTの形がヘン!?
  1.ST 上昇(その1)
  2.心筋梗塞の慢性期はどうなっている?
  3.ST低下
  4.陰性T波
  5.ST上昇(その2)
 I なんか山が高い!?−R波の異常
 J これ何!?
  1.ペースメーカ心電図(心室ペーシング)
 K V1が上向き!?
  1.肺高血圧
第3章 これだけは押さえておきたい!不整脈
 A これは見逃せない!心室の不整脈(超重要!!)
  1.心室頻拍
 B あわてず対応しよう!心房の不整脈(重要!)
  1.心房細動
  2.心房粗動
  3.発作性上室性頻拍
  4.発作性上室性頻拍を区別する−AVRTとAVNRT
第4章 実践−モニター心電図を読んでみよう!
 A モニター心電図の基本
 B 房室ブロックのいろいろ
 C 洞不全症候群のいろいろ
 D 心室由来の頻脈
 E 心房由来の頻脈
 F ST変化
 G これはなんでしょう?
おわりに
索引

はじめに

 心電図に関する本はたくさん発売されています。ですから今さら何を、と言われるかもしれませんが、心電図というものをもう一度見直してみたい、という思いでこの本を書いてみることにしました。既存の心電図本の多くが、心電図から病気を当てるような一問一答形式のように思います。しかし、実際は心電図だけで診断することはまれです。聴診で異常を疑ったら心エコーで確認するように、心電図で異常を疑ったら心エコーで確認すればよいのです。心エコーがどこでも気軽にオーダーできる時代です。聴診や心電図からの推論で診断にたどり着く必要はありません。心電図で左室肥大があるというより、心エコーで壁厚が12mmといったほうが説得力があります。第三者に伝わりやすいのは直接目で見る検査です。すぐ対応が必要なものを除けば、検査結果を見て、あとから答え合わせをしたらいいんです。お叱りを受けるかもしれませんが、心電図は病気を発見するきっかけをつくるもの、「なんかヘン!?」「なんとなくおかしい」とわかればそれで十分、というくらいの気楽な気持ちで心電図をみてゆこう!というのがこの本のテーマです。心電図のすべてを解説するつもりは毛頭ありません。細かいことはスペシャリストに任せればいいじゃないですか。「心電図って案外簡単だね!」こんな声が聞かれたら最高です。
 この本の第1章〜第3章の内容は「なんかヘン!?」の気づきのきっかけをつくるのに必要十分な内容をまとめていますが、日々の臨床で生じる疑問に対して辞書的に活用できることも大切と考えました。そのため、少しくわしめの「一歩先へ」をところどころ設けてあります。「一歩先へ」のところは無理して覚える必要はないと思いますが、余力があったら読んでみてください。治療方針は医師が決めるものかもしれませんが、医師がどんなことを考えているのか知っておくのも悪くないと思います。
 この本は実際に私が経験した生の心電図を使って解説しています。その中で1つこだわったことがあります。それは「心電図は原寸大で」ということです。心電図が得意になるための近道は、できるだけたくさんの心電図に触れることです。なんとなくおかしい、という感覚は目の前の心電図と見慣れた心電図を頭の中で比較することで生まれます。それだけに心電図のサイズは重要だと思いますので原寸大にこだわりました。それでは解説をはじめてゆきましょう。

2020年7月
岡村英夫