教科書

薬学と社会

薬事関連法・制度

共著 : 秋本義雄/岸本桂子/山本弘/赤川圭子/山本大介/亀井大輔/平賀秀明
ISBN : 978-4-524-40353-0
発行年月 : 2020年3月
判型 : B5
ページ数 : 352

在庫あり

定価4,950円(本体4,500円 + 税)

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  • 主要目次
  • 序文

薬事関連法規・制度を主軸に据えた、薬学教育モデル・コアカリキュラム「B 薬学と社会」に対応した教科書。法律等の条文は重要なものを厳選し、平易なことばで解説。要点のまとめを章や節の冒頭に示したほか、各章末に学習成果の確認用の練習問題も設定。事実関係の羅列だけとせず、どうしてそうなるのか、どうあるべきなのか、などの考え方まで紹介し、ただ暗記するだけでない本質的な学習をサポート。

第1章 人と社会にかかわる薬剤師
 A 行動と要因
 D 裁判事例から薬剤師の行動を考える
 B 薬学生が法律を学ぶ意味
 C 法律で定める薬剤師業務の変遷と現在の薬剤師の責任
 E 事例から薬剤師が倫理規範や法令を守ることの重要性を考える
第2章 法・倫理と責任
 A 法の体系
 B 倫理的責任
 C 法的責任:民事責任,刑事責任,行政上の責任
 D 製造物責任法
 E 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)
第3章 薬剤師と医薬品等に係る法規範
 A 薬剤師法
 B 医薬品,医療機器等の品質,有効性及びの確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)
 C 麻薬等の取締法
 D 毒物及び劇物取締法
 E 医療供給関連法:医療法/医師法/保健師助産師看護師法
 F 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法
 G 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律
第4章 社会保障制度と医療経済
 A 社会保障制度および医療保険制度の概要
 B 健康保険/国民健康保険
 C 高齢者の医療の確保に関する法律
 D 診療報酬制度
 E 介護保険
 F 医療経済の基礎
第5章 地域における薬局と薬剤師
 A 地域における薬局の機能と業務
 B 医薬分業の意義と動向
 C セルフメディケーションにおける
 D 学校薬剤師の役割
 E 地域の保健,医療,福祉において利用可能な社会資源
 F 災害時の薬局の役割
演習問題の解答
本書の薬学教育モデル・コアカリキュラム対応一覧
索引

はじめに

 薬事関係法規・制度・倫理関連(以後、薬事関係法規)の講義は、薬剤師国家試験対策のために必要なのではなく、薬剤師として必要不可欠な知識を得るための重要科目であるからこそ開講されています。その内容は多岐にわたっており、薬剤師は医療従事者の中で最も多くの法律を学ぶといっても過言ではありません。
 薬剤師国家試験において法規・制度・倫理の問題は、全体の約1割を占めています。これは、法規・制度・倫理を知らない、わからない、実践できない者は国・国民の負託に応えることができないので薬剤師にしない、ということを意味するものです。薬に関する知識を有しているだけでは薬剤師になれないのです。また、実務問題でも関連した問題が出題されているように、薬事関係法規の知識と実践は医療現場の最先端の課題であるといえます。
 以下のとおり、薬剤師法第1条では、薬剤師は薬の最高責任者として3大業務を通じて国民の健康な生活を確保する任務があるとしています。

(薬剤師の任務)
第1条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 しかし、薬剤師法には調剤業務を除き薬剤師に何をどうしろという具体的な内容は記されておらず、なぜそうするのかなどの記載もありません。具体的な内容は、薬剤師自身がそれぞれの業務において自分で判断し行動すべきことなのです。当然、その結果には責任が伴います。薬剤師の判断と行動の根拠となるのが薬事関係法規です。
 本書は、薬事関係法規の講義を担当している著者らが、薬の最高責任者としての薬剤師とは何か、どのような薬剤師になるべきかを考えて実践できるようになってほしい、との思いを込めて執筆しました。そのため、本書では法律の鍵となる部分を強調し、その背景や具体的内容を記すだけでなく、あなたが薬剤師なら何をどうしますか?と問いかける内容も含んでいます。
 法律や制度は、時代の流れによって改正や変更されることがあります。薬事関係法規を学ぶ者が、それらも含め法律や制度を単に覚えるのではなく、本書を通じてなぜこのような規定や制度があるのかを理解し、何をすべきかを考えるための一助になればと願っています。

2020年2月
著者一同