教科書

薬学と社会改訂第2版

薬事関連法・制度

共著 : 秋本義雄/岸本桂子/山本弘/赤川圭子/山本大介/亀井大輔/吉田直子/平賀秀明
ISBN : 978-4-524-40391-2
発行年月 : 2022年3月
判型 : B5
ページ数 : 376

在庫あり

定価4,950円(本体4,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬事関連法規・制度を主軸に据えた,薬学教育モデル・コアカリキュラム「B 薬学と社会」対応の教科書.法律等の条文は重要なものを厳選し,平易なことばで解説.要点のまとめを章や節の冒頭に示したほか,各章末に練習問題も設定.どうしてそうなるか,どうあるべきかといった考え方まで紹介し,本質的な学習をサポート.今改訂では,医薬品医療機器等法などの各種法改正に対応.

第1章 人と社会にかかわる薬剤師
 A 行動と要因
 B 薬学生が法律を学ぶ意味
 C 法律で定める薬剤師業務の変遷と現在の薬剤師の責任
 D 裁判事例から薬剤師の行動を考える
 E 事例から薬剤師が倫理規範や法令を守ることの重要性を考える
第2章 法・倫理と責任
 A 法の体系
 B 倫理的責任
 C 法的責任:民事責任,刑事責任,行政上の責任
 D 製造物責任法
 E 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)
第3章 薬剤師と医薬品等に係る法規範
 A 薬剤師法
 B 医薬品,医療機器等の品質,有効性及びの確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)
 C 麻薬等の取締法
 D 毒物及び劇物取締法
 E 医療供給関連法:医療法/医師法/保健師助産師看護師法
 F 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法
 G 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律
第4章 社会保障制度と医療経済
 A 社会保障制度および医療保険制度の概要
 B 健康保険/国民健康保険
 C 高齢者の医療の確保に関する法律
 D 診療報酬制度
 E 介護保険
 F 医療経済の基礎
第5章 地域における薬局と薬剤師
 A 地域における薬局の機能と業務
 B 医薬分業の意義と動向
 C セルフメディケーションにおける薬局の役割
 D 学校薬剤師の役割
 E 地域の保健,医療,福祉において利用可能な社会資源
 F 災害時の薬局の役割
演習問題の解答
本書の薬学教育モデル・コアカリキュラム対応一覧
索引

 薬事関係法規・制度・倫理関連(以後,薬事関係法規)の知識と実践は医療現場の薬剤師業務の最先端課題です.自分の行動が患者に不利益を与えていないか,法に則っているか,など薬剤師として常に意識せざるを得ません.それらの規範となる薬事関係法規の授業内容は,国家試験対策のために必要なのではなく,薬剤師として必要不可欠な知識を得るための重要科目だからこそ,薬事関係法規が開講されています.その内容は多岐にわたっています.
 国家試験において法規・制度・倫理の問題が,必須,理論,実践の全ての分野で出題され,実務問題を含めると全体の約1 割出題されています.これは,法規・制度・倫理を知らない,判らない,実践できない者は国・国民の負託に応えることができないので薬剤師にさせない,ということを意味しています.薬に関して科学的な知識があるだけでは薬剤師になれないのです.
 薬剤師法第1 条は任務条項とも呼ばれ,薬剤師は薬の最高責任者として三大業務を通じて国民の健康な生活を確保する任務があるとしています.医師法および歯科医師法の第1 条も任務条項であり,医師,歯科医師,薬剤師はそれぞれの独立した分野の最高責任者であり,薬剤師は医師や歯科医師と異なる視点から観察し,考察し,薬に関わる業務に責任を持つことにより,国民に奉仕する立場にあるのです.
 しかし,この薬剤師法には調剤業務を除き薬剤師に何をどうしろという具体的内容は記されておらず,なぜそうするのかなどの記載はありません.それぞれの業務において行う具体的内容は薬剤師自身が自分で判断し行動するものであり,その結果には責任を持つということです.その根拠となるのが薬事関係法規です.
 本書は,単なる国家試験対策用テキストではありません.薬事関係法規の授業を担当している筆者らは,本書の読者が薬の最高責任者としての薬剤師とは何か,どのような薬剤師が求められているのか考えて,実践できるようになってほしい,との思いを込めて執筆しました.そのため,本書では法律の鍵となる部分を強調し,その背景や具体的内容を記すだけでなく,あなたが薬剤師なら何を,どうしますか,と問いかける内容も含んでいます.
 法律や制度は時代の流れによって改正や追加・削除されることがあります.直近の医薬品,医療機器等法改正では,医薬品に関わる者の責任の明確化,偽造薬(法文では,模造に係る医薬品)や医薬品の個人輸入に関する規定,課徴金制度などが盛り込まれました.薬事関係法規を学ぶ者が,法律や制度を単に覚えるのではなく,本書を通じてなぜこのような規定や制度があるのかを理解し,薬剤師として何をすべきかを考えるための一助になればと願っています.
 2022 年2 月
著者一同

9784524403912