新たな分子学的所見、免疫染色、バイオマーカー、デジタル画像解析、人工知能アルゴリズムによって、乳腺病理学分野における診断精度が向上し、患者ケアが改善している。これらの進歩は、スライドガラスや顕微鏡に取って代わるものではなく、むしろそれを補完するものである。組織学が引き続き我々の診断における重要な礎であることに変わりはない。

本アトラスは、研修医にとってわかりやすく学習に最適な内容であると同時に、現役の病理医にとっても有益な情報が満載の包括的ガイドである。研究中やサインアウト時に参照するのに最適なリファレンスとなるよう作られている。また、各画像は、一つ一つが独立した教材となるようデザインされているが、最初から最後まで通して読むと一連のストーリーとなるよう配置されている。

このアトラスは、一般的なものからまれなものまで、実践でのアプローチと同じように、つまり低倍率から高倍率に至るまでの病理組織画像を掲載する。それぞれのエンティティについて、的確な肉眼的特徴を紹介し、続いて組織画像、補助的検査、細胞病理について解説する。また、各エンティティの複数の画像を用いて、潜在的な診断の落とし穴に重きを置きながら、さまざまな変異パターンを説明する。各画像には、組織学的所見、臨床放射線学的相関、鑑別診断、臨床的意義について解説する簡潔な説明文が添えられている。

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